「禅的」対話で社員の意識を変えた トゥルー・イノベーション – 三木 康司

「禅的」対話で社員の意識を変えた トゥルー・イノベーション

出版日：2018年6月1日
ページ数：272ページ
著者：三木 康司

★4.4（Amazonでの評価）

（出展：読者メーターおよびブクログ）

本書について

今回お勧めする本は「禅的」対話で社員の意識を変えた トゥルー・イノベーションです。この本書は、現代の不確実で不透明な時代、いわゆる「VUCAの時代」を生き抜くための禅の精神と、イノベーションを生むための7つの能力について解説しています。

特に注目すべきは、7つの能力の中でも最も重要な「問いを立てる能力」です。この能力は、自分の内発的動機に基づいて「この世界をどうあらしめたいのか」を問うことで、真のイノベーションを生み出す原動力となります。

本書は、これからの時代を生きるすべての読者にとって有用な一冊と言えるでしょう。特に、不確実な環境下で新たなビジネスモデルを創出したいビジネスパーソンや、自身の思考や行動を変革したい人々には大いに役立つでしょう。また、禅の精神を通じて自分自身と向き合い、心のクセを外し、事象を「あるがまま」に捉える訓練は、日常生活における意思決定や問題解決にも応用可能です。

読者の皆様、本書を読むことで、VUCAの時代を生き抜く力と、真のイノベーションを生むための視点を身につけることができるでしょう。新たな時代に挑む皆様のお役に立てれば幸いです。

１分で読める要約

AI時代において、多くの業界でビジネスモデルの変革が求められる「VUCAの時代」です。この時代に必要なのは、禅の精神であり、「あるがまま」を正しく観る姿勢です。既存のルールを超えた新たな発想が必要となります。

イノベーションに欠かせない7つの能力があります。①記憶力は新規ビジネス立ち上げに重要ですが、相対的に下がっています。②合理的思考能力はロジカル・シンキングが重要ですが、AIにはかなわないため相対的に下がります。③感じる力、特に直感力が重視され、坐禅や瞑想、ヨーガなどで感度を上げる訓練が有効です。④問いを立てる能力は、自分に対して「問い」を立てることで、想いが生まれ、共感したメンバーが集まります。⑤創造力は、合理的思考やエビデンスを一旦外すことで解放されます。「感じる力」が備わっている人は、高い解像度で意識の中に自分の世界を描写できます。⑥他者を巻き込む対話力は、自分が感じた「問い」の方向性を集約し、周囲の協力者を巻き込む力が必要です。⑦自我（エゴ）を手放す力は、自分を超えた何かに意図を託す能力が重要で、リーダーは自分を客観視するメタ認知能力が求められます。

7つの内、最も重要な能力は「問いを立てる能力」で、デザイン思考のプロセスで課題を設定する「問い」を自分で設定する必要があります。「問い」は内発的動機に基づき、「問いを立てるプロセス」がトゥルー・イノベーションです。トゥルー・イノベーションの「問いを立てるプロセス」はデザイン思考の「共感」と同じで、自分の心に共感する意味があります。このプロセスは、①チーム・ビルディング、②対話、③内発的動機の発掘にブレイクダウンされます。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

一面のガラス壁に囲まれた明るく洗練された会議室の中で、二つのフィギュアが向き合っています。その二つとは、人間に酷似した姿の高性能AI、AIトシオとAIひろゆき。シャープなラインを持つ近未来的なフォルムには、人間の感情を読み取るための微細なセンサーが備えられています。一方、彼らのスクリーン顔は、表情豊かな感情を完璧に表現する能力を持っています。

会議室はミニマリストのスタイルで設計され、シンプルでありながら機能的な家具が配置されています。二つのAIが設置されているテーブルの上には、今回の議論の主題となる本が置かれています。それぞれのAIが本をページをめくるための特別な手があり、それにより彼らは情報を得るだけでなく、直感的な感覚も体験します。

今回の話題は、「禅の精神とビジネス」をテーマにした一冊の本。VUCAの時代に適応し、新たなビジネスモデルを探求するための本です。AIトシオはその価値と重要性を強調する立場を取りますが、AIひろゆきはそれに対して疑問を投げかけ、その適用可能性と具体性について議論を深めます。

彼らが創出する会話は、その一見無機質な外観からは想像もつかないような、人間らしい感情や洞察に溢れています。その議論は、人間の直面する問題に対する新たな解決策を探ることで、人間の視野を広げる可能性を秘めています。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。