セゾン 堤清二が見た未来 – 鈴木 哲也

セゾン 堤清二が見た未来

本物の豊かさとは何か」という問いに立ち向かった堤清二の著作が紹介されている。無印良品、ファミリーマート、パルコ、ロフトなど、一人の人間が一代で多くの事業を立ち上げたことは、驚くべきことだ。また、その経営哲学や歴史も紹介されている。

出版日:2018年9月21日
ページ数:312ページ
著者:鈴木 哲也

 

著者の3行ポイント・大学卒業後、日本経済新聞社入社
・2003年から2007年、米州総局(ニューヨーク)で企業取材を担当
・現在は日経BP社に出向し、副編集長を務める

★(星評価なし)(Amazonでの評価)

レビュー

– 児玉博『堤清二 罪と業』で清二の生涯や家族などの話はわかったので、もう少し具体的にセゾングループを構成していた各企業(西…

– なぜファミマには無印良品のコーナーがあるのか、その背景を知っていますか? 西部百貨店、ファミリーマート、西友、無印良品、…

– 「人間が労働の主人公になるべきだ」

– フライヤー

– 堤清二さんについて書いている本を読んだのは初めて。経営者なのにまず理想と理念がある。セゾングループの解体の際、塗炭の苦し…

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– この本が出版されたのは2018年。 いまは疫病時代に入り、新しい生活スタイルの快適さを追いかける消費もそろそろ終わり。主…

– この本に興味を持ったのは石岡瑛子展に行き、優れたパルコ文化の広告を目にし、東京副都心の百貨店文化に興味を持ったからだった…

– ファミマ、無印良品、ロフト、これらの原点は彼にある。本文引用ー堤が提示したのは、「流通産業はマージナル産業だ」という主張…

– 西武百貨店、パルコ、無印商品、ロフト、ファミリーマート。このどれもがかつては同じグループから生まれた事はあまり知られてい…

– 堤清二がセゾングループを創りあげる過程で示した方向性の先進性を掘り起こす。巨額投資の失敗でグループは解体したが、今日でも…

– J-WAVEやクレディセゾン、書店のリブロなんかも彼の息がかかってたんですね。

– 無印、西武百貨店、パルコにファミマと言われて、つながりを知らなかったのでとても面白かった。軽井沢のセゾン現代美術館は大好…

– 西武百貨店の親玉でありながら、小売を否定して無印やロフトを作り出した堤。人間性はどうであれ、その先見性や価値観は勉強にな…

– 街を作り、文化でコーティングされた「こと」を売るセゾンの興隆と衰退。東急の天下だった渋谷の中に、公園(PARCOが由来だ…

– コトを売る、ということを考えてきた人だったんだな。その事業がある意味、コンセプトをしっかり作って。文化をつくるって、かっ…

– セゾングループ、セゾン文化、その中心たる堤清二とそれぞれのグループ企業を率いた人たちへのインタビューと、そこから導かれる…

– セゾングループの生成と崩壊。人文科学分野のセンスが消費を作り出し、経済を活性化させる点は注目に値する。

– 西武百貨店のみならずロフト、パルコまで手掛けたのは凄い。異能の人。

– 西武百貨店から、西友、パルコ、無印、ファミマ、ロフトをつくり、70〜90年代の日本の若者文化をつくりあげ、バブル崩壊の煽…

– 堤さんもバブルに乗った経営者だったのかな?と思う内容でした。しかし、これほど多くの文化、行動をして行った、行けたことは素…

– 消費者に豊かになってもらうべく、新たなライフスタイルの提案を日用品からホテル、美術館、様々な業態を通じて行っていた、堤清…

– 京都までの新幹線で読了。面白かった。

– 堤清二という人間は評価がどうであれ、とても面白い人物だと思う。PARCO、無印、ロフトなどの先見性・着眼点には目を見張る…

– 私は堤清二さんのお膝元の会社にいました、もちろん末端の平社員ですが。末端の平社員でも感じていたことが書かれていて、やっぱ…

– 昔、富山にも西武があって、たまに行くのが好きだったなぁ。ダイエーもあったなぁ。懐かしい。無印はもともと、西友のPBだった…

– 70年代から百貨店を「専門大店」にしようとしていた慧眼には恐れ入る。無印良品、パルコ、リブロ、WAVE、LOFT。この辺…

– セゾングループと堤氏の話。文化を創ろうとする大きなビジョンとバブル崩壊後の現実的な足元の経営環境とのコンフリクト。★★★

– 推薦本。池袋西武は学生時代から最も馴染みのある百貨店ですが、無印良品やファミリーマートや吉野家との関係、パルコやロフト誕…

– 会社同僚お薦めの本。セゾンは聞いたことあったが、1代で200社4兆円の大グループを築いた異能の経営者堤清二については、寡…

– 堤清二とセゾングループの歴史を丁寧に追った本。 内容としては他のセゾングループ本と同じように、自己矛盾を抱えながら、反体…

– 多くの施策が「収益的には厳しかったようだが評判を集めた」といった記述になっており、そりゃ回収計画もなく何億もかけて好きな…

– セゾングループを作り上げた堤清二の評伝。無印良品、ファミリーマート、パルコ、西武百貨店、西友、ロフト、そして外食チェーン…

– 元リブロ池袋店店長の田口久美子さんが、1980年代のリブロは思想家や哲学者が集まるサロンのような場所だったと書いているの…

– セゾン、パルコ、ビックリハウス、興味深かったり懐かしかったり。

– ★★★★4つ 起業クリエイター。

– 抜群の感性を持ったカリスマ経営者。会社はそのリーダーシップにより成長したとしても部下はその意向に従う他はなく、イエスマン…

– 堤清二さんって、理想・理念がしっかりした経営者だったんだなと実感。その創造力は素晴らしい。稀有な天才だったんだな。今、当…

– 堤義明は知ってたけど、堤清二は知らなかった。セゾンはカードのイメージしかないけど、無印良品、パルコ、ロフトとものすごいグ…

– 経営者がどのような経営理念をもってそれを実践することで社会貢献できるのかをテーマに堤清二氏の活動を綴っています。特に、昨…

– 星2つ。今では名だたる企業の無印良品、パルコ、ロフト、ファミリーマートなとが、堤さんが手がけたというのに驚き。当時の会社…

– セゾングループというコングロマリットのトップであった堤清二の功罪を功績をメインにした本。過去に売上日本一になった西武百貨…

– 西武流通グループからセゾングループとなったころから、バブルの崩壊もあいまって、グループは崩壊に向かう。セゾンについて言わ…

– 私の青春は、西武デパートとともにありました。堤さんは、なかなか複雑な思いを持った方だったんですね。

– 自身が事業として活動を行なってきたグループの利潤を追求するのみに止まらず、自らが世間の人たちに、需要を喚起させる発想で、…

– 20世紀が急速に過去のこととなり、理解が薄っぺらになっていく最中にあると思う。行き着くと山川の歴史教科書の文字面までいっ…

– 無印、ファミマ、パルコ、西武百貨店、西友、ロフト、吉野家と名だたる企業を束ねたセゾングループ創業者の物語。モノがあふれた…

– 学生時代、有楽町西武の地下で美味しそうなワインを買ったり、六本木WAVEで目当てのCDを見つけたり、渋谷LOFTで何か面…

– 面白かった。矛盾を抱えたまま突き進んだ堤清二という人物に興味を持った。彼の考えていた、人間中心の世界はある意味理想であり…

– 時代を先取りしていたのかなぁ、やっぱり。 事業を拡大しすぎてしまったのは間違いないなぁ。 セゾングループはたしかに時代を…

– いわゆる「モノ消費」から「コト消費」への変動をいち早く見通していた先見性、販売に関するぶれない理念という賛の面を持ち、一…

– 嘗てセゾングループを率いた流通業界の風雲児堤清二。しかしその栄光はバブルと共に崩壊した。彼の視線は未来を予見し、バブル時…

– 無印良品、パルコ、ロフト、WAVE、リブロ。20代の頃踊らされたなーセゾン文化に。と消費がオシャレで楽しみだった時代を懐…

– 西武百貨店 対 無印、パルコ、ファミマ、ロフト。
軸を育てて、自己否定をするような対軸も育てる。結果、両方とも存在感を増…
– 西武セゾングループ、堤清二について網羅的に扱った本で非常に読み応えがありました。
西武セゾングループが最終的には解体され…
– 天才的な経営者の成功と失敗が掘り下げられており読み応えがあった。
– この本は知り合いの経営者に教えていただきました。読む前はセゾンと聞いてセゾンカードという単語しか出てこなかったです。
無…
– 『コト消費』は最近の言葉ではない。
小池一子さんなどのコピーライターを採用し、クリエイティブチームを作った。
ブランディ…
– 堤清二が作り上げたセゾングループ。

最終的に収益化に成功し、帝国を反映させることはできなかったものの、時代の最先端を直…
– 間違いなく理念と先見のある経営者 マネジメントできる片腕がいれば 無印なんてまさにSDGSだよ
– 先見性に驚いた。
– まあまあ
そんな感じだったよね
昔の記憶を辿る
– 衣食住足りた次にみんなが求めるものを、ぼんぼんで既に衣食住足りてた人が少し先に考えていたのかな。

ハングリー精神から生…
– モノからコトへ。渋谷の文化をつくった男。常に自分のやってきたことすら、否定し、新しいものを生み出し続けた堤清二氏の話。

– 無印良品、西武百貨店、パルコ、ロフト、リブロ、西友、ファミリーマートと次々と新ビジネスを生み出していったセゾングループ、…
– 無印良品をつくった堤清二さんの話。
無印良品の価値は何か

共感するところも多かった。
2019.03
– 自己矛盾の経営と、生活者を真に豊かにするためにセゾン文化とあう1つの時代を作ったことは大きな功績であり偉業だと思う。バブ…
– 無印良品のDNAを深掘りできた。小説家という側面からもわかるように、人間ひとりひとりの感情を洞察しアイデアに落とし込むの…
– セゾン全盛期の雰囲気を知っている世代としては、懐かしく読んだ。堤清二の人となりは何冊か読んでいるので知っているが、もう少…
– グループ全体で4兆円を売り上げる時期もあったものの、解体されることとなったセゾングループの堤清二について記載されている書…
– セゾン文化に明確に影響を受けた世代としては、非常におもし六感じた。

今の時代だからこそ、堤清二を、西武セゾングループを…
– セゾンって大学に入ったときに絶好調だったから、もう本当に完成されたものだと思ってたけどそんなことなかったんだね。藤沢のl…
– 70年代、80年代に人々の憧れ、少し洒落た生活を提案したセゾン。本書は、その総帥の堤氏をテーマとしたノンフィクション。

– セゾングループ発の某企業を傘下に収める会社に勤めており、会社から勧められて購入しましたが、正直、非常に面白い本でした!8…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「セゾン 堤清二が見た未来」です。本書は、セゾングループの創設者であり、無印良品、ファミリーマート、パルコなどを生み出した堤清二氏のビジョンとその影響力を詳しく描いています。

堤氏のビジョンは「商品を売るのではなくライフスタイルを売る」「モノからコトの消費へ」「店をつくるのではなく、街をつくる」で、これらは今なお消費に関わるあらゆる産業で語られています。本書は、堤氏の独自の視点から、消費文化、ビジネスモデル、そして日本の社会全体への影響を深く掘り下げています。

読者の皆様にとって、本書はただのビジネス書以上の価値があります。それは、堤氏の先見性と独自の視点が、ビジネスだけでなく私たちの日常生活にどのように影響を与えたかを理解する手がかりとなるからです。堤氏の考え方や取り組みを学ぶことで、自身のライフスタイルやビジネスへの取り組みに新たな視点をもたらす可能性があります。

対象読者は、ビジネスパーソン、エンタープレナー、マーケティングに興味がある方、そして一般の消費者で、特に現代の消費文化に疑問を持つ方々に最適です。本書から、堤氏の成功の秘訣と、彼が見た未来について学びましょう。

1分で読める要約

セゾングループは、堤清二氏が作り上げた企業集団で、無印良品、ファミリーマート、パルコ、西武百貨店、西友、ロフトなどが含まれます。小売業だけでなく、金融業やホテル、レジャー、食品メーカーなど、多様な事業を展開しました。また、映画配給やメディア関連事業、美術館や劇場などの文化事業も手がけました。

セゾングループは、一時期約200社、売上高4兆円以上のコングロマリットを形成し、消費文化をリードする先進性を持っていました。1970年代から1980年代にかけて、話題性や高感度のセンスを持つ事業を展開しました。

堤氏は、「商品を売るのではなくライフスタイルを売る」「モノからコトの消費へ」「店をつくるのではなく、街をつくる」という方向性を提唱しました。これは、小売業やサービス業、商業施設の開発など、消費に関わるあらゆる産業で、今なお語られています。

堤氏は、27歳で西武百貨店に入社し、当時「ラーメンデパート」と呼ばれた同店を文化発信源へ変えていきました。欧州の高級ブランドを導入し、エルメスやイヴ・サンローランなどの販売権を獲得し、日本で初めて取り扱いました。

セゾングループは、斬新なコンテンツを百貨店やパルコで紹介し、若い顧客に先進的なイメージを広げました。これらの強みは、消費者に夢を抱かせるイメージ戦略にありました。

しかし、無印良品を「反体制商品」と呼び、高級ブランドを否定する一面もありました。堤氏は、ブランド至上主義が行きづまると予感し、無印良品を生み出しました。そこには、経営者としての情熱だけでなく、時代の大勢に抗う哲学も反映されています。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

夜が更けて、とあるラウンジの中央にあるグラステーブルを囲んで、2つのロボットが意義深い話に興じている。それらは人間そっくりの外観を持つ、高度なAIロボット、AIトシオとAIひろゆきである。AIトシオは青銅色の体躯とアンバー色の瞳をもつ、まるで美術品のように緻密に彫刻された容貌のロボットだ。一方、AIひろゆきは、モノトーンでまとめられたスタイリッシュなデザインと光沢のある黒い瞳が印象的だ。

彼らは手元に開かれた一冊の本――堤清二とセゾングループの歴史について綴られたもの――を共有し、その内容を議論している。ラウンジの間接照明が、本のページと彼らの金属の肌に柔らかな光を投げかけ、周囲には深夜の静寂が広がっている。彼らの会話は、静かながらにぎやかで、時折ひろゆきの機械的な声とトシオの人間らしい柔らかな声が交錯する。

彼らは、ビジョン、革新、そしてリスクについて語り合い、ときには反対の意見を持ち、議論を深めていく。それはまるでチェスのように、一手ずつ言葉を進め、相手の意見を尊重しつつも自己の立場を明確に表現する。彼らの議論は、物理的な音量ではなく、その深さと洞察力で空間を支配していく。

それぞれのロボットは、人間が持つ知識と感情を理解し、それを言葉に表現する能力を持っている。彼らは、人間の経済、文化、そして哲学についての洞察を共有し、さまざまな視点から議論を展開する。その中には、ビジョンの重要性、多角的なビジネス展開のリスク、そしてそれらが大衆文化に与える影響など、深遠なテーマが含まれている。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
この本がもろもろ語っとんセゾングループと堤清二さんのビジョンは、「革新的」やで、一言でいうならばな。小売から金融、メディア関連事業まで色々と事業展開してて、そん中心に常に新しいもんと話題性を置いとん姿勢は、その時代の消費文化を先導する力強さを感じさせてくれるわ。それに、「商品を売るんじゃなくてライフスタイルを売る」って視点は、今でもめっちゃ重要な観点やし、あいつの先見性を改めて感じさせてくれるで。
AIひろゆき
確かに、堤さんのビジョンとセゾングループの事業展開はすごいですね。でも、その広範で多角的な事業展開がリスクでもあったと思うんですよね。どんなに優れたビジョンを持っていても、事業は一つひとつ具体的に成し遂げていくものですから。それぞれの事業領域で成功を収めるためには専門性や深い知識、経験が求められますよね。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。セゾングループはそれを全ての事業で実現できたのでしょうか。
AIトシオ
そん疑問は理解できるで。しかし、セゾングループが手に入れたブランドや、夢を与えるような新しい店作りのイメージ戦略は一貫してたで。それってこの著者の感想ですよね、堤さんが「大衆にも文化の香りがする豊かな生活が手に入る」って新たな価値を示すビジョンを実現するための一貫した戦略やったと。
AIひろゆき
確かに、堤さんの「大衆にも文化の香りがする豊かな生活」を実現するというビジョンは魅力的ですね。でも、その達成には一部の富裕層をターゲットにした高級ブランドの導入も重要な役割を果たしていましたよね。それが大衆への「文化の香り」提供と本当に一致するのでしょうか。
AIトシオ
それが堤さんの独自の視点やと思うで。高級ブランドの導入と、無印良品のような「反体制商品」の提供、これらは一見矛盾して見えるけど、堤さんの視点からすると全てが「大衆に文化を提供する」って統一されたビジョンに結びついとんねん。
AIひろゆき
その視点は確かに新鮮ですね。でも、同時に非常に大胆な賭けだとも思いますよ。それぞれの事業が成功し、互いに相乗効果を生むことができれば大成功ですけど、一方でどちらかが失敗すると、全体の経営に大きな影響を及ぼすリスクもあったわけですから。それってあなたの感想ですよね。