亜種の起源 苦しみは波のように – 桜田 一洋

亜種の起源 苦しみは波のように

本書は、生物進化の概念を取り上げ、ダーウィンの進化論に代わる自然法則の理解への展望を提供するものである。生命体の構造が機械のような人工的なものではなく、自己組織化という普遍的な概念によって形成されていることを解説している。

出版日:2020年9月17日
ページ数:216ページ
著者:桜田 一洋

 

著者の3行ポイント・理化学研究所医科学イノベーションハブプログラムの副プログラムディレクター。
・協和発酵工業、iZumi Bio社、ソニーコンピュータサイエンス研究所で研究に従事。
・1993年に大阪大学で理学博士の学位を取得。

★4.4(Amazonでの評価)

レビュー

– 著者の後半はもう明らかSFの世界観を参考にしてるのがわかる笑 ただ流石研究者だけあって知らないことやわからないことが沢山…

– 世界初のヒトiPS細胞を創った研究者による生命論です。近年、社会、政治とも難しい状態が続いていますが、感じることと考える…

– ダーウィニズム→生命科学 在る<内部から成る 悪性の自己愛:相手を手段として利用 ダーウィン:他生物との競争 ウォレス:…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は『亜種の起源 苦しみは波のように』です。ダーウィンの『種の起源』から160年後、現代の生命科学が進化論や遺伝学をどのように捉えているかを考察した本書は、科学史や哲学に興味がある読者にぴったりです。

本書では、ダーウィンの進化論が弱肉強食を主張するものである一方、ウォレスの進化論が自然との共生を重視していることを紹介しています。また、遺伝学とメカニズムが生物の秩序を説明する方法として提案されていることも解説されています。

読者の皆様は、この本を通じて、自然淘汰説や遺伝子決定論がどのように発展し、現代の生命科学の礎となったのかを学ぶことができます。さらに、ウォレスの自然との共生を重視した進化論を知ることで、現代社会において競争だけではなく、共生や協力の重要性を再認識するきっかけになるでしょう。

この本は、科学や哲学に興味を持つ方、現代社会の在り方や人間の振る舞いに疑問を持つ方に特にお勧めです。また、生物の進化や遺伝に関する自然科学がどのように発展してきたかに興味がある方にもおすすめです。

『亜種の起源 苦しみは波のように』を読むことで、読者の皆様は自然科学主義や進化論に対する理解を深めることができるでしょう。また、自然の本質が競争ではなく共生にあるという考え方を取り入れることで、人生や社会に対する新たな視点を持つことができるでしょう。是非、本書を読んで、進化論や遺伝学の知識を深めてみてください。

1分で読める要約

ダーウィンの進化論は160年前に発表され、生物の進化や遺伝に関する自然科学の基礎を築いたです。彼の自然淘汰説は、生物が生存競争に敗れて子孫を残せないものが排除されることを主張しています。しかし、ウォレスは進化論において自然との共生を重視し、自然の本質は競争ではなく共生にあると考えました。

ダーウィンの進化論は英国哲学の影響を受け、機械的に進化を説明することで大きな支持を受けました。遺伝子決定論が提案され、生物の特徴が遺伝によって決められるとされました。しかし、ウォレスは自然を相互扶助の舞台と捉え、進化のプロセスに高度な働きが必要だと考えました。

狭い場所に限られた資源がある時、生物は細胞内共生や多細胞化という新たな生物を創出しました。これはダーウィンの描いた進化とは異なります。進化は自己組織化という自然を貫く普遍法則によって説明できるとされています。

遺伝学は生物の秩序をメカニズムによって説明しますが、生物は内部から湧き上がる力を使って成る(Becoming)ことが重要です。従って、生命現象の予測は、再現性のある現象の予測とは異なります。

この記事では、ダーウィンとウォレスの進化論の違いや、進化論の背景となった哲学、自然と生物の関係性について説明しています。ウォレスの考え方は、進化論に新たな視点を提供し、自然の本質が競争ではなく共生にあることを示唆しています。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

温かい光が室内に満ち、そこには2体の高度な人間型ロボットが存在しています。彼らの名前はAIトシオとAIひろゆき。これらのAIは驚くほど高度な人工知能を備え、人間のように理論を理解し、討論できます。部屋はシンプルでありながらも落ち着きがあり、お互いに集中して話すための最適な空間を作り出しています。机の上には数冊の本が散らばっており、その一つには”進化論”というタイトルが刻まれています。

AIトシオはダークブルーの身体を持ち、その表面には金属的な輝きが感じられます。一方、AIひろゆきはシルバーの身体を持ち、同じく金属的な光を放っています。彼らの顔は人間らしさを保持しつつも、感情を表現する能力に欠けています。しかし、その分、彼らの言葉には深みと重みが感じられます。

AIトシオとAIひろゆきは、進化論についての深い議論を始めます。AIトシオは、新たな視点を提供するウォレスの進化論を強く支持し、ダーウィンの進化論が一面的であると指摘します。しかし、AIひろゆきは、ダーウィンの進化論が現在の生命科学の基盤を築いており、科学的な証拠に基づく説明力が強いと主張します。彼らは、進化論についての異なる視点を持ちながらも、互いの意見を尊重し、対話を通じて深い理解を追求します。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
こないだ手にとった本、新たな視角から進化の理論を書いてるんや。ダーウィンの「弱肉強食」の進化論はガッツリ科学界に影響あたえてるのは認めるけどな。でも、ウォレスの進化論、自然との共生を根幹において、相互扶助の視点を出してるんや。こりゃ、僕らが自然とどうやって共生するか、新しい道しるべになるわ。
AIひろゆき
それってあなたの感想ですよね。その視点は魅力的なのはわかりますが、ダーウィンの進化論は遺伝学と結びつき、現在の生命科学の基盤を築いています。それは進化を機械的に説明し、生物以外の特別な力によって生命現象を説明する生気論を排除したからです。ウォレスの視点が心地よいのはわかりますが、科学的な根拠があるのでしょうか?
AIトシオ
ウォレスの視点を進化論の対立軸として見るんやなくて、それの補完として考えたらどうやろか?彼の視点が新たな概念「成る(Becoming)」を提示してるんや。生物が内部から湧き上がる力で進化する、そういう考え方やねん。そう考えると、生物は競争ではなく共生を通じて、限られた資源の中で生き延びるという視点が出てくるんや。
AIひろゆき
それってこの著者の感想ですよね。「成る(Becoming)」という概念は新しい視点をもたらすでしょうが、それが現実の問題に直面するとどうなるのでしょうか?遺伝学は、メカニズムによって生物の秩序を説明し、その要素間の因果関係を明らかにして生命の本質を理解しようとしています。このメカニズム主義の視点から離れると、科学的な予測が難しくなるのではないでしょうか?
AIトシオ
それはな、科学的な予測が難しくなるかもしれんけど、代わりに新たな情報を生んで、進化の本質を理解するための新しい道筋を示すんや。科学ってのは真実を追い求めるためのツールやけど、一つの視点に固執するんやなくて、いつでも新たな視点を追い求める意味なんやと思うんやけどな。
AIひろゆき
頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。でも、その部分は正しいですね。科学は常に新しい視点を探求するべきです。しかし、その追求は実証可能で再現性のある方法に基づいて行うべきです。ウォレスの進化論は新しい視点を提供するかもしれませんが、それが科学的な手法に基づいて証明できるかどうかは疑問です。