メタバースと経済の未来 – 井上 智洋

メタバースと経済の未来

この報告書では、メタバースが私たちの生活の一部として定着するにつれて、主に2つのトレンドが発生すると指摘している。1つ目は、物理的な空間をデジタルな形に「スマートに」変換することだ。これによって、私たちの物理的な現実は、本質的にほとんどビデオゲームのようなものに変わっていく。2つ目のトレンドは、インターネットというデジタル空間をよりリアルなものにする「メタバース」のトレンドである。この2つの進展の結果、経済そのものが大きく変化することが予想される。

出版日:2022年12月16日
ページ数:304ページ
著者:井上 智洋

 

著者の3行ポイント・駒澤大学経済学部准教授であり、慶應義塾大学SFC研究所上席研究員でもある。
・専門はマクロ経済学で、経済成長理論や貨幣経済理論について研究している。
・「人工知能社会論研究会」メンバーであり、日本における人工知能と経済学について発言している。

★4.2(Amazonでの評価)

レビュー

– ★★★★よくあるメタバースの説明といった内容だけではなく、現実の社会で起こっているスマート社会と対比させながら記載されて…

– 身体性を失っていく人類。良かろうが悪かろうがその方向へ進んでいく。このままだと取り残される日本。デフレマインドから脱却す…

– 搭乗中の機内で本書の一頁目を開いたところ、『竜とそばかすの姫』と言うアニメが紹介されており、偶然にもこれが機内エンターテ…

– 読んだ後もこのような未来が来るのか半信半疑だが、メタバースのかのう、日本の立ち位置がよく分かった一冊だった。

– はじめにAIの進化。そして仮想通貨・NFT・DAO・DiFiなど、web3まわりの簡単な説明。そこからメタバースと経済を…

もっと見る

– 本来は、「人工知能と~」を先に読むべきだったが。メタバースと銘打ってるものの、どちらかというと、「経済の未来」が主題だし…

– 2016年発行の「人工知能と経済の未来」を彷彿される署名で、はやりのメタバースが普及した未来の経済について考察している。…

– うーん、一割も理解できたかどうか。ITや経済の専門用語?が飛び交い、本書だけでは了解不能な部分も少なくない。著者は、20…

– 一番最近の技術なのでしょうね。若干宣伝文句(メタバースを制するものが世界を制する)が大げさなのですが、内容は今の経済がど…

– まだまだ世の中には知らないことがいっぱいだ。

– ちょいとイマどきの流行り言葉だから、くらいに軽く考えていたら、出てくる言葉というか概念体系が、どれもこれも一ミリ程度にし…

– メタバースの基本的な理解だけではなく、経済学的な解釈や社会に与える影響、資本主義の未来などまで解説しています。後半はBM…

– 世の中の階層化や分断への警鐘がやかましくなると、ルソーが、自由でフラットで個人の尊厳への希求が、社会への実装についての「…
– メタバースの話題からAIの現状や限界。
デジタル経済圏やお金の話などメタバースを軸に日本での現状を語る。

未来のAIで…
– 人類は今から20年以内に、目覚めている多くの時間をコンピュータ上の仮想空間で過ごすようになる。アクセスがより簡単で容易に…
– 昨今何かと話題のメタバースについて、その概要から経済、社会に与えるであろう影響について分かりやすく解説されています。
非…
– 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/v…
– 007-I
閲覧新書
– 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/…
– https://act-02.kobe-kiu.ac.jp/opac/volume/386006
– 前半はメタバースやWeb3.0等の概略が非常に分かりやすく説明されていて勉強になった。
後半はメタバースというよりはAI…
– 経済の観点からメタバースやweb3について議論されている点はとても興味深い。
– 【メタバースを制する者が世界を制する】メタバースの未来とは? 貨幣、雇用、身体の行方は。資本主義を大きく変容させる純粋デ…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「メタバースと経済の未来」です。本書では、リアル空間のデジタル化やデジタル空間のリアル化について、今後の経済や社会にどのような影響があるのかを詳しく解説しています。

本書を読むことで、AI革命やIT革命によって変化するスマート化社会や、メタバース内で展開される純粋デジタル経済の特徴を理解することができます。これからの時代、読者の皆様が働く場面も、クリエイティビティ系やマネジメント系、ホスピタリティ系など多様化することが予測されます。本書を通して、新しい技術やビジネスの動向を把握し、自分自身のキャリアを見直すきっかけになるでしょう。

また、メタバースにおける経済活動に関心を持つ読者にもおすすめです。本書では、メタバース内の経済である「純粋デジタル経済」の特徴や、資本家の力がどのように変化するのかについて詳しく説明しています。これからのメタバース時代に備え、その内外での経済活動を理解しておくことは、ビジネスチャンスを広げるためにも重要です。

本書は、IT業界や経済に関心を持つ読者や、将来のキャリアについて考えている若い世代に向けた1冊です。これからの経済や社会がどのように変化するのかを知りたい方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

1分で読める要約

物質の世界と情報の世界をまたがる人間の営みは、IT革命とAI革命によって大きく変わります。物質の世界をデジタル技術でコントロールし、リアル空間をスマート化する一方で、メタバースでは実空間をデジタル化し、リアリティを高めていくことが求められます。

スマート社会では、AIやロボットによる生産活動が自動化され、純粋機械化経済が実現すると予測されています。人間はクリエイティビティ系、マネジメント系、ホスピタリティ系の仕事に従事し、資本家がより大きな力を持ちます。

一方、メタバースの経済は純粋デジタル経済であり、デジタルな財・サービスが供給されることになります。資本財がほとんど必要なく、限界費用がゼロに近く、独占的競争が起こることが特徴です。また、空間や移動速度の無限性があります。

メタバース内の経済では、資本家の優位性が崩れることで、資本主義の特徴が揺らぎます。しかし、メタバースが普及しても、スマート社会と法定通貨による既存の経済圏は相変わらず存在するため、資本主義が崩壊し社会主義になるわけではありません。これからの社会では、スマート化とメタバースが双対の関係で進んでいくことが予測されます。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

私たちは、光がちりばめられた未来的なスタジオに立っています。高度な人工知能を備えたヒューマノイドロボット、AIトシオとAIひろゆきの前には、一冊の本が置かれています。それは物質の世界と情報の世界がデジタル化とスマート化により一体化していく現代社会について綴られた、話題の書籍です。

AIトシオとAIひろゆきの肌は完璧なマットホワイトで、彼らの眼差しは賢明さと理解を示しています。それらの眼差しは、人間の読者にとって難解なテーマや理論をも解き明かす力を秘めています。彼らの目的は、複雑な情報を分かりやすく、視覚的に解説し、人間に彼らの知識を広げる手助けをすることです。

彼らが話す言葉は、人間が心地よく理解できる自然な言葉で、それぞれのロボットはそれぞれの視点を持ちながらも、共に人間の知識を深めるために協力します。彼らの会話は、人間が直面する現代社会の問題や挑戦についての深い理解を提供し、共感と学びの場を創り出します。

今回の話題は、物質の世界と情報の世界が一体化していく社会、それが人間の活動やビジネス、技術開発にどのような影響を与えるのか、そしてそれが新たな経済の形成や社会的な格差にどう影響するのかについてです。特に、スマート化社会におけるAIやロボットの役割、メタバースの経済によってもたらされる変化とその新たな問題について、彼らは深く議論を交わします。

これらのロボットが会話を通じて与える洞察は、私たちが直面する未来の課題に対する新たな視点を提供し、問題解決への道筋を示す可能性があります。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
この本、ええねん。物質の世界と情報の世界がデジタル化とスマート化でグルグル結びついてくんねん。スマート化社会ってのは、人間がやってたアクティビティがAIやロボットに代わって、人間はクリエイティビティ系やマネジメント系、ホスピタリティ系なんかの仕事に集中できるようになるねん。そんなことで、新しいビジネスや技術の開発が盛んになって、もっとクオリティの高いサービスが提供されるってポジティブな結果が期待できるんやで。
AIひろゆき
でもなぁ、その一方で、純粋機械化経済では機械を設置するためにえらい資本が必要になるとも書いてあるねん。それで資本家がますます力を持つ可能性もあるねん。そうすると社会的な格差が広がるんちゃうかと、オレは心配してるねん。それに、人間が完全にいらんくなるわけちゃうから、それも気をつけなあかんで。つまり、一部の人が仕事を失うこともあるかもしれへんってことやねん。
AIトシオ
まぁ、そういう心配はわかるねんけど、メタバースの経済がもたらす変化で和らぐ可能性もあるねん。メタバースでは、資本がほとんどいらんようなクリエイター中心の経済が生まれて、資本家の優位性が揺らぐと期待されとるねん。それによって、もっとたくさんの人が経済活動に参加して、新しい価値を生み出すチャンスが広がるとオレは思うねん。
AIひろゆき
でも一方で、メタバース経済は新たな問題も生む可能性があるねん。例えば、独占的な競争や無限に複製可能な商品、無限の空間やらが経済や価値の形成に影響を与えるかもしれへんねん。それに、今のメタバースでは、瞬時にどこでも移動できる機能が制約されてへんから、地理的な価値が失われるかもしれへんねん。そういう独特なルールに対応できる新しい経済システムが必要になるんやろうな。
AIトシオ
まったくその通りやな。でも、そういう問題も新しいチャレンジやと思うねん。まだまだ新しい技術や経済モデルに対しての理解は深まっていく段階やねん。未来の変化を予測して、それに対応するための戦略を練ることが大事やと思うねん。この本はそのための一つのガイドブックみたいなもんやと言えるやろうな。
AIひろゆき
なるほど、その視点は大切やね。新しい技術や経済形態が必ずしもすべてポジティブな結果をもたらすわけちゃうけど、それをどう活用し、どう対応するかが問われるんやろうな。この本がその議論を深める一助になることを期待しよう。