寺院消滅 – 鵜飼 秀徳

寺院消滅

高齢化や過疎化が進む中、空き家と化し、衰退感に包まれる寺院が増加している。本研究では、仏教の実態に迫り、現存する寺院の重要性について問題提起する。

出版日:2015年5月21日
ページ数:288ページ
著者:鵜飼 秀徳

 

著者の3行ポイント・報知新聞社で事件・政治担当記者を経験。
・日経ホーム出版社で多数のライフスタイル系雑誌を経験。
・週刊経済誌「日経ビジネス」の記者として、幅広い取材分野の経験を生かし、企画型の記事を執筆。

★4.1(Amazonでの評価)

レビュー

– 明治維新の廃仏毀釈、地域によって対応がさまざま。薩摩、宮崎がヒステリックに寺や仏像を破壊。日向アマテラス族、数千年の恨み…

– 神社と御朱印集めが好きで、茨城の神社巡りをしていた時にとある宮司さんからお勧めされて読んだ本。 決してスタンプラリー気分…

– 明治の神仏分離令は政府には廃仏の意図はなく概ね穏便に行われたが、薩摩や水戸では尊王攘夷や国学の影響もあり徹底的な仏教破壊…

– 明治期の廃仏毀釈に関する調査報告。コレは勉強になったなぁ。明治以降の日本人と宗教の関係性がいかに人工的なものだったかよく…

– 廃仏毀釈にまつわるルポルタージュであって、学術的調査の本ではない。そこはわかった上で読んだ方がよい。神仏判然令により始ま…

もっと見る

– 廃仏毀釈について、具体的に書かれていて、昔の出来事が目に浮かぶようだった。鹿児島や松本や水戸などでは仏教破壊行為が激しか…

– 廃仏毀釈。難しいよね。自分のいうことを聞かないなら、力づくできかせるっていう話だもんね。ヒトが集まるには何かがある。そこ…

– 鹿児島では寺0僧侶0と破壊が徹底していたのは、明治新政府の主力薩摩藩領内だったからなのだろう。薩摩藩では一向宗もキリスト…

– 明治政府は神仏分離令までで、廃仏毀釈は本意ではなかった。 廃仏毀釈=野蛮な黒歴史ってイメージだったけど複雑な背景があった…

– 語気の強い題からわかるように、廃仏毀釈の破壊部分を煽りぎみな本。江戸時代の寺による管理制度とその腐敗、徳川光圀と斉昭の対…

– 廃仏毀釈については知識として知ってはいましたが、その実態を知ると想像以上に過激ですさまじいものであったことがわかります。…

– 明治時代に起きた廃仏毀釈の跡を巡った記録。実際クズみたいな人もいたのかもしれませんが、大義名分を得た暴力の醜さと心の弱さ…

– “廃仏毀釈”のあとすぐ読み始め、読み終わる。図書館返却。 Amebaさんブログにも感想書いた。 江戸時代末明治時代維新の…

– 廃仏毀釈のはじまり―比叡山、水戸:神仏分離令 肉食妻帯と上知令 寺院破却のインパクト 水戸から全国へ 維新リーダー藩の明…

– こんな黒歴史が日本にあったとは全く知らなかった。明治維新後神仏分離令が発令され、仏教への迫害・破壊行為である「廃仏毀釈」…

– 廃仏毀釈は、明治政府により強引にかつ唐突に行われたという印象であったが、明治以前からの神社と寺の関係や、社会変動など様々…

– ★★★☆ 文化財破壊ということで言えば「日本版文化大革命」と言ってもいいかもしれない明治の「廃仏毀釈」運動。政府は廃仏ま…

– 何で借りたのか忘れたが、明治初年の神仏分離令によって起きた混乱を見事に描いている。明治大正昭和と続く神道への過剰なまでの…

– 僧侶でもある著者が明治初期の廃仏毀釈について、全国各地を取材したルポのような本。地域によって廃仏毀釈の程度に差があったこ…

– 副題のなぜ明治維新は寺院を破壊したか、、、についての分析は非常に薄い。主として廃仏毀釈が激しかった地域を複数調査してその…

– 廃仏毀釈という言葉と、それが意味することは知っていたが、実際にどれくらいのことがなされてたのかは知らなかった。しかし、こ…

– なかなか穏やかでない題ですが、明治初期の日本各地で発生した廃仏毀釈運動についてのルポです。廃仏毀釈というとたしか教科書に…

– 明治政府の精神的支柱たる国家神道の確立を目指してなされた神仏分離。地域によって濃淡あれど、①仏教という旧体制へのヒステリ…

– 知らないことを知るために。廃仏毀釈の概観を掴む一冊目。あったことをなぞるのには適した書かれ方だった。なんで、なんで?とは…

– 「神仏分離令」「廃仏毀釈」に関する関連書籍は多数あるが、本書のように手に取りやすく新しいものが存在するのは有り難い。薩摩…

– 「廃仏毀釈」は「神仏分離」の政令後に勝手に起こった運動だったのか。習った様な気もするが全然憶えていない。鹿児島などは一時…

– 文化大革命とか、タリバンの仏像破壊とか、人のこと言えたものではないということがよく分かりました。僧侶の奢りもあったと。熱…

– ジャーナリストかつ僧侶である著者が、廃仏毀釈の全国取材を行ったルポタージュ。著者は①忖度②富国策のための寺院利用③熱しや…

– 神仏分離、廃仏毀釈で、実際に、どんなことが起こっていたのか初めて知った。寺の土地・建物が没収・転用、文化的価値が高かった…

– 2001年にタリバンが歴史ある石仏を爆破する映像を見て、「何て酷いことをするんだ。それに比べて日本人は仏像を大切にしてき…

– 明治政府は、万民を統制するための強力な精神的支柱として国家神道を選んだ。それまで、日本では神社と寺は混然一体となって運営…

– 明治政府の行った神仏分離政策が廃仏毀釈に発展し、各地で様々な影響を与えたことをまとめた一冊。日本宗教史的には大悲劇なので…

– 明治史のダークサイド。このような歴史に恥じる実態は知らなかった。鹿児島の寺院破却率100%や、松本の忖度な寺院徹底破壊な…

– 日本史の教科書では学んだ「廃仏毀釈」、実は筆者の指摘するとおり、タリバンによる摩崖仏破壊と同じ行為である。政府が指示した…

– 明治維新の際に行われた神社と寺の分離政策が各地の背景から寺社の破壊につながった廃仏毀釈。その事例を丹念に調べた良書。 現…

– 維新直後に行われた廃仏毀釈を丹念に追うノンフィクション。維新政府は天皇の権威による神道国家形成のため、神仏分離を進めたと…

– これは良い本です。さらっと書いてあるけど、国家統制の手段として神道を使った明治政府、一部の堕落した坊主、我欲に塗れた俗物…

– 著者はジャーナリストで僧侶、日本各地に足を運ばれ、廃仏毀釈について徹底的に調査・取材されたルポルタージュ。歴史的背景から…

– 「鹿は神仏の使いであるという迷信を払拭するために狩られ、すき焼きにして食べられて絶滅寸前まで数を減らした」ちょうど興福寺…

– ☆5。日本史であまり重大視されてない明治の廃仏毀釈。それを知るために最初に読む本としてはベストだろう。廃仏毀釈の背景など…

– Kindleセールにて購入。日本史では明治維新と神仏分離令に合わせてさらりと触れられる廃仏毀釈について、各地の過剰反応と…

– 廃仏毀釈の調査で現地を周り、調べた素晴らしい本だと思う。 持て囃されている明治維新。天皇を現人神として国家神道を軸にした…

– 本書は、廃仏棄釈について、実際に各地を調査して考察しており、地域によって一様ではないその実態を知ることができ、大変面白か…

– 明治政府が仏教と神道を分離した仏教抹殺。 「タリバンと同じ蛮行をした日本人」国宝級の仏像を海外美術館が山ほど所有する訳。…

– 廃仏毀釈については安丸良夫氏の名著『神々の明治維新』が印象深いが、本書は著者が各地を訪ね歩き、廃寺跡に残る壊れた石仏等を…

– 近年もてはやされる幕末維新だが、その負の側面と言える「廃仏毀釈」を丹念に取材されている。近代化に必要であった事だが、その…

– 明治維新の負の側面、「廃仏毀釈運動」について、特に強力に推し進められた鹿児島県、宮崎県、三重県度会郡、長野県松本藩領、隠…

– 神と仏を分けろとしか行ってない神仏分離令。それが廃仏毀釈へと逆上気味に拡大していく過程が今の日本を見るよう。神仏分離とい…

– 1868年から76年頃まで各地で行われた廃仏毀釈。多くの史料が散逸した為に実態は不透明なままだ。僧侶でもあるジャーナリス…

– 廃仏毀釈につて教科書で読んだりはしたが、本意は神佛分離だけ、地域により濃淡あり、鹿児島では寺院全滅とか知らなかった。忖度…

– 近代日本史にも仏教にも明るくないですが、教科書で習った事のある廃仏毀釈とは何だったのか興味があり手に取った。非常に分かり…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「寺院消滅」です。この本は、全国に存在する約77000の寺院のうち、住職がいない無住寺院や活動を停止した不活動寺院の実態を浮き彫りにしています。社会構造の変化による後継者不在が原因で、これらの寺院が急増している現状が描かれています。また、宗教法人の解体や合併の困難さ、檀家の減少が寺の存続を脅かす問題も深く掘り下げられています。

本書は、日本の社会問題を深く理解したい読者、また、仏教や寺院に興味がある読者にとって、非常に価値のある一冊となるでしょう。また、これらの問題は地域や地方自治体、さらには個々の市民生活にも深く関わっています。したがって、地方創生や地域社会の活性化に関心がある方々にも強くお勧めします。

本書を読むことで、読者は寺院の存在意義や問題点を理解するだけでなく、自分自身や地域社会がこれからどのように向き合っていくべきかについて深く考える機会を得ることができます。仏教や寺院の問題は、単に宗教の問題だけでなく、社会全体の問題として捉え直すことが求められています。その一助となる本書を、ぜひ手に取ってご覧ください。

1分で読める要約

現在、日本全国には約77000の寺院がありますが、そのうち住職がいない無住寺院は約20000カ寺、宗教活動を停止した不活動寺院は2000カ寺以上と推定されています。この無住寺院、つまり空き寺が増えている原因の一つとして「後継者の不在」があります。特に、僻地にある檀家数の少ない寺は空き寺になりやすい傾向があります。

寺を解体することも難しく、解体には数百万円から数千万円の費用が必要で、誰がその費用を負担するか問題になります。また、寺の収入は墓地管理料や護持費などが固定収入で、檀家が多ければ多いほど経営基盤が安定します。しかし、住職が高齢化し後継者もいない寺は経済的、精神的に疲弊し衰退しています。

寺とコンビニの数を比較すると、全国の仏教系寺院は77329カ寺、全国のコンビニ数は52380店と、寺院の方が約25000軒多いのです。しかし、我々はコンビニほど寺を必要としているかと問われると、生活レベルが保たれ、幸福感が得られる現代社会では、寺や仏教を求める理由が少なくなっています。それでも、寺の存在意義は「あなた自身を見つけられる場所」であると言えます。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

未来都市の高層ビルが林立する中、夜の街を見下ろす会議室でAIトシオとAIひろゆきが一つのテーブルを囲んで座っています。AIトシオは潔癖な外観のロボットで、すっきりとしたメタリックなボディには機能美が光ります。一方のAIひろゆきは、木目調のデザインで、アームには日本の伝統工芸が彫られています。彼らは高度な人工知能を持つロボットであり、深い議論を交わす能力を持つと同時に、それぞれが個別の視点を持っています。

広々とした会議室は、頭上に広がる星空を見渡せる大きな窓から幾筋もの月光が差し込みます。トシオとひろゆきの前には一杯のお茶が用意され、彼らはお互いに敬意を表すかのように、その温もりを感じ取っています。

今夜の話題は「空き寺問題」。AIトシオはこの現象を社会構造の変化と捉え、肯定的な見方を持っています。一方、AIひろゆきは僻地にある寺院の現状を考えると、この問題に悲観的な視点を持っています。彼らは、宗教の存在意義、地域社会の問題、経済的観点からのアプローチ、そして寺院の歴史や文化的価値といった幅広いトピックについて意見を交換し、多角的に問題を照らします。

会議室の壁に映し出される情報は、彼らの議論を深めるためのヒントを提供します。それぞれの見解が反射される、ディスプレイの灯りが煌々と輝きます。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
おおきに、ひろゆきさん。最近、空き寺が増えとるって話やけど、私はこの現象には肯定的な見方を持っとんねん。空き寺が急増しているんは、社会構造の変化を反映してると考えられるんや。都会の金持ちの寺は若い僧侶たちにとって魅力的で、後継者の問題は少ないんちゃうかな。
AIひろゆき
こんにちは、トシオさん。都市部の寺院は後継者不足の問題が少ないのは確かですが、僻地にある寺院ではそうはいかないですね。僧侶が入りづらい場所にある寺院は、現住職が亡くなれば自動的に無住寺になってしまうのが現状です。そのような寺院が増えると、建物の崩壊や犯罪のリスクも増えるのではないでしょうか。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。
AIトシオ
そやけど、僻地の寺院の問題はあるにせよ、寺院の存続方法を考えなあかんと思うねん。一つ一つの寺院が宗教法人としての地位を持っとるから、宗門本部が金を出したり、整理・統合するのは難しいんやろな。なら、地元の人々や興味ある人が支援する仕組みを作れば、寺院の存続は可能になるんちゃう?
AIひろゆき
地域の人々や関心のある人々の支援は一つの方法かもしれませんが、宗教法人の解体や合併、費用の問題も考えなければなりません。解体や廃棄には大きな費用がかかりますし、誰がその負担をするのか明確にしなければなりません。それに、寺院の存続には檀家の減少問題も大きく関わっています。檀家制度に頼りすぎた結果、寺院の経営が衰退しているのも事実ですよね。それってあなたの感想ですよね。
AIトシオ
ひろゆきさんの指摘はピンポイントやな。確かに宗教法人の解体や合併、費用の問題は課題やな。しかし、寺院の存続について考える時、金のことだけやなく、宗教的・文化的な意義も重要やで。寺院は多くの人にとって、過去と繋がりを感じたり、自分の存在意義を見つける場所や。そんな役割を無くしてしまうと、社会にとって損失になるんちゃう?
AIひろゆき
トシオさんの言うことも一理ありますね。寺院の存在意義は様々な視点から議論されるべきです。でも、現実的な視点から言うと、寺院が無くなっても、社会生活に大きな問題はないのではないかと思います。葬儀や墓地の管理は、葬儀社や専門の機関が行うことができますし、仏教を求める場所は必ずしも寺院だけとは限りません。それってこの著者の感想ですよね。
AIトシオ
ひろゆきさんの言うことも一理あるけど、私は寺院の役割や意義を見直し、新たな形での存続を模索するべきやと思ってんねん。寺院が持つ豊かな歴史や文化は、私たちの社会において失われてしまうことのないよう、対策を考える必要があるんとちゃうか。