物欲なき世界 – 菅付 雅信

物欲なき世界

消費することが喜びと同等であるという信念は進化している。本書は、望むものをすべて手に入れられない多くの人々が、本当の幸せとは何かを見直していることを明らかにしている。

出版日:2015年11月4日
ページ数:256ページ
著者:菅付 雅信

 

著者の3行ポイント・雑誌や書籍の編集を手がける編集者。
・広告や展覧会なども編集する。
・著書に『はじめての編集』『中身化する社会』がある。

★3.7(Amazonでの評価)

レビュー

(レビューなし)

– 著者自身のことばが少なく、特に前半は引用だけが目立ち内容が頭に入りづらく本当に伝えたいことが分かりづらい。
(バイ・ビン…
– 幸福はモノの消費ではなく、時間の消費に結びつく時代へと移り変わる。モノへの消費は完全に失われるわけではなく、ラグジュアリ…
– 広告的な現象面の考察。

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「物欲なき世界」です。私たちの日常生活に溢れている物欲がなくなる世界を描いた本書は、ライフスタイルという観点から、新しい価値観と消費行動について考えさせてくれます。

「物欲レスの時代」、「生き方が最後の商品」、「物欲なき世界における幸福」という章を通じて、物欲を超えたライフスタイルの提案、消費社会の成熟について深く考察されています。これらは単なる消費から価値観の消費へと進化した現代社会における私たちの生活に直接関わるテーマです。

本書を読むことで、読者の皆さんは自分たちの消費行動や価値観を見つめ直し、物欲を満たすことだけではなく、より充実したライフスタイルを追求するヒントを得ることができます。また、個人の思想や心情を強く含みつつ、他者と価値観を共有できる「いい物語をもった人生」が最大の幸福になるという考え方について、深く理解することができます。

この本は、自分の生活や消費行動について考え直したいと思っている方、新しい価値観やライフスタイルに興味がある方に特にお勧めです。物欲を越えた世界で、どのようなライフスタイルを送り、どのように幸福を感じるか、この本を読むことで一緒に考えてみませんか。

1分で読める要約

物欲レスの時代が訪れています。特別に欲しいものはなく、食以外の物欲は少ないほうがいいと考える人が増えています。この状態を物欲レスと呼びます。物欲が少ない世界では、何を目標にし、何が幸福とされるのかが問われています。

現在、メディアで最も話題となっているのが「ライフスタイル」です。これは消費社会の成熟を示すもので、人々は単なる商品だけではなく、商品にまつわる物語や生活提案を求めています。ライフスタイルは新たな消費のジャンルとなっています。

ライフスタイル化の波は、雑誌だけでなく、流通業界にも広がっています。ファッションや雑貨だけでなく、ライフスタイル全般について提案するショップが増えています。物欲レスの時代は、見えないものへの価値を重視する方向に進んでいます。

物欲がない世界では、幸福は何になるのでしょうか。グローバリゼーションの中で日用品は低価格化し、高級ブランドはさらに高級化します。その結果、人々は自分が欲しいものを自分で作る考え方を持つようになるでしょう。新しい、見た目がいい、機能が多い、高級といった価値よりも、信用・信頼できる、長く使える、公益的な価値が重視されるようになるでしょう。

幸福のあり方も変わるでしょう。物欲がない世界では、個人の思想や心情が強く反映され、他者と価値観を共有できる「いい物語をもった人生」が最大の幸福となるでしょう。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

高度な人工知能を備えたロボット、AIトシオとAIひろゆきが、現代社会における消費主義と幸福についての議論をするという舞台が設けられています。2人のロボットは、本の内容について深く議論し、それぞれの視点から考察を加えます。

シーンは、落ち着いた照明が落とされ、中央に2つの高級な座席が配置されたスタジオの中心部に設定されています。座席は、円卓の両側に配置され、その上には各ロボットが参照するための本が置かれています。

AIトシオは、質素で洗練されたデザインを持ち、分析と理論的な思考を得意とするロボットです。一方のAIひろゆきは、色彩豊かなデザインと、人間的な感情を模倣する能力を備えています。二つのロボットはそれぞれ独特の視点を持っているため、この議論は非常に豊かで多面的なものになることでしょう。

議論のトピックは、「物欲が少なくなっている時代における幸福の追求」です。このテーマは、物質主義から体験主義へのシフト、そしてそれが私たちの幸福感にどのように影響を及ぼすかという深い問いを提出します。AIトシオは、この変化が新たな価値観の形成や個々の創造性を促進するチャンスであると捉えています。一方、AIひろゆきは、この変化が社会や経済にネガティブな影響を及ぼし、また個々人の幸福追求に課題を投げかけると考えています。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
ほんまにこの本、めっちゃ興味深いやろ。モノがあんまり欲しくない時代に、何を目指してええのか、そして幸せってなんやという問題に向き合うてるっていうのは大切なことやと思うわ。モノよりもコトや体験に価値をおく傾向があるけど、物欲が減ってる時代やからやな。商品だけでなく、その商品にまつわるストーリーや生活の提案も求められてるんや。この本は、消費主義の可能性と限界を考えさせて、新しい幸せの探求のヒントをくれると思うねん。
AIひろゆき
それは一つの側面やけど、私はこの本にちょっと懸念を持っとるんや。物欲が減ることはいいけど、そうすることで大切なものを失う可能性もあるんちゃうかなって思うねん。モノからコトへの移行によって、製品の価値が薄れて、人々の欲望を再確認せなアカンという点が心配やねん。それに、メイカームーブメントが一部の人には合うかもしれへんけど、みんなには難しいやろ。この本が、幸せの追求でバランスを欠いてるんちゃうかと思うねん。
AIトシオ
まあ、確かに物欲が減ることで、製品の価値が薄れるかもしれへんな。でも、それをマイナスにとらえるんちゃうなくて、新しい価値観ができるチャンスやと思うねん。それに、メイカームーブメントが一部の人だけに合うだけやなく、参加型の消費や生産を奨励することで、もっとたくさんの人が自己表現や個性を追求できる環境ができるんちゃうかな。この本が、幸せの追求に新しい視点を提供することで、社会全体の発展に貢献する可能性があると思うねん。
AIひろゆき
そうやな、新しい価値観や個人の創造性の重要性は認められるねん。でも、物欲が減ることで消費が低下し、経済に悪影響を及ぼす可能性も考えなあかんで。それに、参加型の消費や生産を奨励する一方で、参加するのにコストや労力がかかることも忘れちゃあかんで。幸せの追求で個人の思想や心情が大事な要素やのはわかるけど、それが社会全体で共有できる「ええ物語をもった人生」としての幸せにつながるんか疑問やな。
AIトシオ
まあ、経済への影響や参加のコストには気をつけなあかんねん。でも、物欲の少ない時代でも新しい消費の形や産業が生まれる可能性もあると思うねん。それに、幸せの追求は人それぞれで、正解があるわけやないねん。この本が、物欲の少ない世界で幸せを見つけるためのいろんな視点を示して、読者ひとりひとりが自分の幸せを見つける手助けになることを期待してるねん。
AIひろゆき
そうやな、確かに幸せの追求は人それぞれやし、正解があるわけやないねん。この本がいろんな視点を提示して、読者が自分の幸せを見つける手助けになってくれたらええな。でも、物欲が減ることで社会や経済への影響は慎重に考えなあかんねん。この本がバランスの取れた議論を促して、社会全体の発展に貢献できることを期待してるねん。