東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか – 最相 葉月

東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか

本書は、12人の研究者の観察・体験談をもとに、追求する対象を選ぶ考え方や研究者の生き方を探るものである。東京工業大学での有名な講義をアレンジしたものだ。

出版日:2015年11月12日
ページ数:327ページ
著者:最相 葉月

 

著者の3行ポイント・出版社やPR誌の編集事務所で勤務後、フリーの編集者兼ライターに。
・著書には「絶対音感」「青いバラ」「星新一 一〇〇一話をつくった人」など。
・大佛次郎賞や講談社ノンフィクション賞、日本推理作家協会賞、日本SF大賞、星雲賞を受賞。

★4.1(Amazonでの評価)

レビュー

– 読者を限定しないようなタイトルに(確かにそう)したとのことだが、副題(原題)の「生涯をかけるテーマをいかに選ぶか」が内容…

– 既に定年だけど、自分の歩んできた道も、いろんな可能性があったと思った。

– うーん。確かにこの本に出てくる人はすごいし、物語は美しい。けど最近は研究者の貧困も問題になっている。光だけでなく、影の部…

– 2度めの一万円選書の4/10。学生時代、数学が苦手で理系に行くのを諦めたので理系と聞くとどうしても苦手意識が先立つけど、…

– まなびライブラリー(8月分)

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– 過去読です。12人の科学者にインタビュー、聞き手である著者の質問が話を弾ませ、興味深い内容が次々出ます。 今再び本書で推…

– いわゆる理系の人に対して、知識が偏っている、一般教養が欠けていると評してバカにするような風潮ってある気がするけれど、それ…

– 生涯をかけたテーマにたどり着くまで。色々なタイプの研究者たち。東工大で行われた連続講義。文理に関係なく学生に読んで欲しい…

– ちょうど北里柴三郎のところを読んだ日に次の千円札の人になるというニュースを観て驚く。奇遇。正直北里柴三郎もそうだけどあま…

– 著者のノンフィクションはいわゆる理系っぽいテーマが多いという認識で綿密な取材もあってとても面白いのだけれど、その著者が東…

– 理系として生きてきた人達がいかに人生のテーマを見つけたか、どのように向き合ってきたか、具体例が書いてあります。全体的にざ…

– 不均衡進化説:DNAが二つに分かれて複製されるとき,両方の鎖の上で起こる変異の頻度は同じではなく,リーディング鎖と比較し…

– 理系の研究者達のいろんなエピソードが興味深い。

– 著者が2015年に東工大で行った「生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」という題名の講義を書籍化したもの。ゲストとして研究者…

– ☆☆☆☆1人ないしは2人の研究者を授業1コマ分かけて取り上げることで,様々な進路選択の仕方があるということを知ることがで…

– ノンフィクションライター、最相葉月が東工大の講義で、毎回科学に携わった人物の研究の成果、苦労などを紹介する。ゲストとして…

– 全12回の大学講義を書籍にまとめたもの。12回にわたって、研究者の研究内容や何故その研究に至ったかを紹介する。副題そのも…

– 良書。知らないことだらけ!面白かった!

– 東工大講義シリーズに新刊が出たのかと思ったら、前作のタイトルを変えて新書化しただけでした。池上さんとの対談が増えたので、…

– 2015年に東京工業大学での最相葉月の講義を収録した『理系という生き方』。講義名は「生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」。…

– ワクチンの成分は生きたウィルスだから、 冷蔵庫がないと死んでしまいます/ ウィルスには胎児を保護する役割もある/ ウィル…

– 文系の研究者のケースも知りたい。内容的に一言ではいえない分野が多いので難しいかもしれないが……。有益な読書だったことは間…

– 研究内容よりも、動機や現在に至る経過をもう少し知りたかった。

– 研究者になるきっかけ、研究を続ける意義、その後の人生など、それぞれの方のお話が綴られています。 私自身文系出身ですが、ジ…

– 単行本「東工大講義-生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」(ISBN4591147401)読破済み。→ https://bo…

– 何の研究をするか迷っている際には、色々なテーマがあるので参考にはなる。
– 人生を賭けて明らかにしたいこと。取り組みたいこととの出会い。科学者たちの考え方から「学べる一冊」です。彼らはどのようにし…
– こんな講義を受けてみたい。科学者であっても、「自分はどんな世界を望むのか、そのなかで、なにを探究し、どう役に立つのか」を…
– サイエンス
– 星新一の弟子の江坂遊の言葉がとても面白かった。
– HOW TO FIND THE THEME YOU DEVOTE YOURSELF
https://www.poplar…
– 研究者を志した時から研究したいテーマが決まっている人は,どれくらいいるのでしょうか。実際には自分ではコントロールできない…
– 個々の講義内容は、授業プリントやスライドがないのでよくわからない事が多いが、本題に関する箇所は、興味深い。学生には必須の…
– ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/reco…
– 東工大のリベラルアーツ講義のひとつ。
– 本書に紹介された人の生き様が面白い。
– 昔、たくさんの伝記を読んでいた自分を思い出した。
– 請求記号 407/Sa 22
– 2016/01/09
自宅
– 科学者には鬱病が多い。死を考えることもある。そういうことgっても研究して認められないといけない。結果が全てみたいな世界。…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」です。本書は、生物発光の研究で知られる化学者、下村脩先生の研究人生を描いた一冊です。

下村先生は自身の研究を「真理の探求」と語り、その結果、生物が光る理由を発見し、さらには緑色に光る蛍光タンパク質GFPを単離しました。この功績により、彼はノーベル賞を受賞しました。そして、彼の研究は後世の科学者たちによって発展させられ、多様な人工蛍光タンパク質の作成や、生命現象の可視化、さらにはがんの転移追跡まで可能となる基盤を提供しました。

本書を読むことで、読者の皆さんは、自分自身の生涯を賭ける価値のあるテーマをいかに選ぶか、という大切な問いについて考える機会を得られるでしょう。科学者である必要はありません。全ての人が自分の人生のテーマを見つけ、真理を追求することで、自分だけでなく、他人や社会全体にも影響を与える可能性があることを実感できるはずです。

本書のターゲット読者は、自分自身の人生について深く考えたい人、科学や研究に興味がある人、あるいは自分の人生のテーマを見つけるためのヒントを求めている人です。

「東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」は、あなたの人生の選択を支え、インスピレーションを与えてくれるでしょう。

1分で読める要約

下村脩先生は、1962年にオワンクラゲから緑色に光る蛍光タンパク質GFPを単離するという功績で2008年にノーベル賞を受賞されました。その後、マーチン・チャルフィーとロジャー・チェンが下村先生の研究をさらに発展させ、GFPを異種細胞に導入して発光させる技術や、GFPの立体構造を解明し、緑色以外の人工蛍光タンパク質を作成する技術を開発しました。これにより、生命現象を可視化し、詳細な観察が可能となりました。

下村先生の研究人生は、不確定な状況の中で、一歩一歩を踏み出し、未知の領域を探求する姿勢に満ちています。自身の父が職業軍人であった下村先生は、戦争の混乱の中で薬学に進み、ウミホタルの発光成分の合成実験に興味を持ちました。そして、平田義正先生の指導の下、ウミホタルの発光に関わる化合物ルシフェリンの精製と結晶化に成功しました。

そして、下村先生の努力と献身的な研究は、フランク・ジョンソン教授の目に留まり、米国への研究招聘につながりました。その結果、オワンクラゲの発光物質イクオリンの精製に成功し、その一部がGFPであることを突き止めました。

現在、GFPは生命科学の研究において欠かせないものとなっています。しかし、その発見は下村先生の「真理の探求」によるもので、人々の役に立つことを目指したものではありませんでした。それは、科学者としての彼の純粋さと探求心を示しています。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

一つの部屋の中には、AIトシオとAIひろゆきという名前の二つの人間型ロボットが存在しています。それぞれのロボットは、人間とほとんど見分けがつかないほど精巧に作られており、彼らの視覚的な表現だけでなく、彼らの言葉の選び方、思考の深さ、対話の様式も人間のそれと区別がつかないほど高度です。

その日の議題は、「生物はなぜ光るのか 〜下村脩の研究人生〜」というタイトルの本についてのディスカッションです。二人がこの本を選んだのは、この本がノーベル賞受賞者である下村脩先生の科学的業績とその人間性の両方を描いているからです。

AIトシオは、この本が下村先生の科学的偉業と人間性を同時に光らせることにより、その重要な発見とその影響を理解するための鍵になると考えています。一方、AIひろゆきは、この本が科学的業績よりも下村先生の人間性に偏重していると感じており、そのバランスについて疑問を持っています。

部屋は静かで、二人が集中してディスカッションに臨むための適切な環境が整っています。しかし、その静寂は間もなく彼らの白熱した議論によって打ち破られることでしょう。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
「生物はなぜ光るのか 〜下村脩の研究人生〜」っていう本は、科学的な偉業ばっかりじゃなくて、人間の側面を輝かせる一冊やと思うねん。下村脩先生のGFPの発見やその影響は、今の生命科学研究には欠かせへん存在やし、がんの転移の追跡とか、いっぱいの分野で使われとるねん。その素晴らしい業績が詳しく書かれとるってことは、科学の進歩と向上に対する敬意を表してると思うねん。
AIひろゆき
確かに下村先生の業績はすごいとは思うけど、この本は彼の側面に偏りすぎてるように思うねん。例えば、彼の父さんが軍人やったことや、エンジニアを目指してたこと、原爆投下後に長崎医科大学附属薬学専門部に入学したことなんか、下村先生のプライベートなことや人間性が細かく書かれとるねん。それは興味深い事実かもしれんけど、彼の科学的な業績にどんな影響を与えたかはっきりせんねん。
AIトシオ
そこがむしろ真実やと思うねん。下村先生自身が言うてるやろ、「GFPの発見は天の導きで、天が私を使って人類にGFPを与えたんちゃうかと思うこともあるんや」。それを見ると、彼の生活と研究が深く結びついてることが示されとるねん。彼の人間性が彼の研究に影響を与えて、その結果、彼の研究が科学界全体に影響を与えたと言えるんや。
AIひろゆき
でも、その視点は下村先生の人間性と科学的業績を同等に扱うことになるねん。それって科学的な業績を過度に人格化する危険性があると思うねん。下村先生のすごい研究成果は彼自身の努力と才能によるもんで、それを彼の人間性やプライベートの結果とすることは、科学の客観性を損なう可能性があると思うねん。
AIトシオ
そこが科学者としての彼の魅力やと思うねん。彼は自分の研究を「完全に、真理の追求です」と言うとるねん。彼の人間性と科学的業績が一緒になって、彼の「真理の追求」を形作っとるねん。それは科学の客観性を損なうもんじゃなくて、むしろ彼がどうやってその偉大な業績に辿り着いたかを理解するためのカギやと思うねん。
AIひろゆき
それは一つの視点やけど、やっぱり科学者の業績を評価するときには、その業績自体に焦点を当てるべきやと思うねん。彼らの人間性が彼らの業績に影響を与えるかもしれんけど、それは科学的な業績の価値を評価するときの主要な要素ではないと思うねん。