人質の経済学
出版日:2016年12月28日
ページ数:308ページ
著者:ロレッタ・ナポリオーニ
・ハンガリー国営銀行で働き、マネーロンダリングやテロ組織のファイナンスに関する研究を行った。
・著書『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』がベストセラーになり、注目を集めた。
★4.3(Amazonでの評価)
– 南米麻薬組織と結びつくことで得た豊富な資金を元手に誘拐ビジネスや難民ビジネスに手を出す、北アフリカおよび中東ジハーディス…
– 北アフリカからアラブ地域へ広がるテロ組織による外国人誘拐。日本人被害も。結果はご存じと思う。誘拐が発生すると政府は浮足立…
– 人質を解放を目指す際は世間に知られずに、秘密裏でそして短期勝負で挑むと身代金も比較的少ない額で済むという話は印象的であっ…
– テロ対策のために発効された米国愛国者法が、誘拐ビジネスや移民ビジネスを誘発しているという。 正直言って、こんなにも多くの…
– 4年前に買ってあったけどほったらかしてた。帯に「トランプ後の世界に」って書いてあったのでちょうどいいかなぁと思って。経済…
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– 紛争地の犯罪集団が、外国人の誘拐で荒稼ぎするようになった状況を取材した本(今は移民の輸送が主らしい)。紛争地に関わりたい…
– テロリストが人質誘拐と移民輸送という2つの類似の犯罪ビジネスで資金を得ているという話。 テロリストと交渉してはいけない
– 経済学の理論等はほぼ出てこない。人質ビジネスがどのように機能しているのか、ニュースであまり報道されない部分を知ることがで…
– 誘拐、人質、移民に難民。身代金ビジネスとして成立しているし経済を回しているんですね
– 米国の愛国者法が移民難民ビジネスを加速させたという指摘から始まったこと、 イタリアが誘拐ビジネスのマネーロンダリングの中…
– 単発のニュースとして終わりがちな誘拐などの背後に広がる経済面を活写したという点で高く評価できる一冊。人間が売買の対象にさ…
– かなりショッキングな内容
– イスラム系の組織がどのようにして人質や移民を使って金を手に入れているかを、メディアや各国政府、また被害者やその家族との関…
– ・一番金払いが良いのはイタリア政府。 故にここ15年間に大量のイタリア人が誘拐されている ・助けたければ誘拐直後の48時…
– イスラム国などによる誘拐について、誘拐する側がどういった論理で人質を解放/処刑するかなどを彼らのエコノミクスで冷静に分析…
– 最近の安田氏に対する世論に対しても「自己責任と責め立てる日本は冷たい、海外ではそんな批判は有り得ない」メディアなどが盛ん…
– テロリストによる誘拐事件だけでなくシリア難民問題にも、バックにはビジネスが成立しているという内容。結局は金というともとも…
– この本を読んで自分以外の誰かを正すべきだと言う奴は人間の屑です。自戒のためにそう書いておきます。ISその他の人質難民ビジ…
– ジハーディストばかりか、自国民が誘拐された政府さえもが人質に優先順位をつけているとは。日本政府にもあるのかしらね、そんな…
– 旧来のシステムが崩壊したことに伴い新たな、そして相当なマーケット規模のビジネスが展開されるようになったという話。そして地…
– 「経済学」とあるが、内容はアフリカ・中東における人質ビジネスの実態に迫るルポ。ISの残虐さの裏にある冷徹な戦略が、人質が…
– 人を純粋に商品として扱ったビジネスの裏側を描いている.ドキュメンタリー調であるが,冷静な分析が多い.また,イスラム過激派…
– タイトルのまんま。 命を商品として捉えた場合のビジネスモデルと商品化された人々の過酷なサプライチェーンの裏側を描く。
– 身代金目的の誘拐や、移民や難民の斡旋がビジネスと化し、それによって得られたお金が犯罪組織やテロ組織を潤す仕組みが説明され…
– アラブの春、イスラミックステイト、中東、難民・人質問題などを取り上げて、各出来事の関連性が読み解けるのが面白い。面白いと…
– 多少は知ってると思ったが全体像を見ると真っ黒。難民をリビアやトルコに追い返すことが後の過激派を生むとは救いがない、かとい…
– 海外への渡航が怖くなりました。人身売買の対象は貧困層だけではなく富裕層にも広がる現実。政治が機能しない地域を根城とし地元…
– 人質は商品にすぎないのであり、人道的な扱いは、商売感覚の表れにすぎない。2004年の時点で、西アフリカから欧州に移民を輸…
– テロ組織のファイナンス研究の第一人者による、人質を巡るビジネスモデルを解説した一冊。 身代金の相場が高騰した理由、身代金…
– 戦争・内乱によりガバナンスが崩壊した国では、誘拐ビジネスが地域経済を支えていると。この完璧に調和のとれた負の連鎖を止める…
– 中東やアフリカ諸国における人間を取り扱う商売とその経済についての一冊。誘拐や難民などのニュースの背面まで想像することの難…
– 「経済学」という言葉がついているが、無政府地域や紛争地域で起こっている外国人旅行者やジャーナリスト、難民輸送の実態ルポ。…
– 外貨獲得方法として、誘拐、海賊、密航などが国に近い単位で横行している。れっきとした犯罪ではあるのだが、土地の生活者への分…
– 今読むべき一冊。911後の愛国者法によって、マネーロンダリングができなくなった、アンダーグラウンド経済は、ドラッグ→人質…
– イスラム国は過激集団で野蛮だとの印象が強い。確かにその通りだが、かなり計算高くてとても頭のいい集団だということがわかった…
– 読んで良かった。今までニュースの一つとしてしか受け取ってなかったことの裏側を知ることができた。
– 誘拐はビジネスである。そして、難民を運ぶのもビジネス。そこに「人道」「人権」の文字はない。徹底して人の命を商品化し、稼ぐ…
– 誘拐・人質ビジネス?が経済合理性から語られる怖い本です。 人質の保管、運搬にはかなりコストがかかるとのこと。 早期交渉が…
– 欧州に迫る難民危機。難民がトルコやイタリアで足止めされる経緯。難民キャンプが犯罪の温床となる懸念を筆者は力説する。誘拐の…
– ジャーナリストや民間人がシリアなどの危険国で誘拐された時、身代金を払うか払わないかはかなり大きな選択だろう。 もちろんど…
– どうやってイスラム国やその他のイスラム系組織は誘拐や難民の人身売買を大きなビジネスに変えたか書かれてる本です。 アメリカ…
– 営利誘拐や難民の密入国は儲かるということを書いている。身代金が組織の維持に重要で、各国政府は建前と違い、身代金を払ってく…
– 相性のいい読書家さんのリストから図書館で予約。国家がテロリストに巨額の身代金を払っているという、きっとそうなんだろうなー…
– 法を整備したら新たな犯罪がうまれてしまったという話。気が滅入る話も多く読んでいて疲れた。人の命は金で買えないと言うけれど…
– イスラム国やソマリア海賊などの無国家状態の勢力が如何に欧米人の誘拐や難民密入国をビジネスにし、それが洗練されているかを著…
– 無邪気な正義感だけで知識もなく危険地域に突入する活動家を著者は厳しく批判する。これだけだと日本でも散々席巻した自己責任論…
– シリアを中心に誘拐がどのような意図で行われ、ビジネスとして成り立っているのか書かれている。日本人の人質事件のケースも一部…
– 著者はマネーロンダリングとテロ組織のファイナンスに関する研究の第一人者。◆本書は経済のグローバリゼーションの影の部分に焦…
– ジハーディスト組織は誘拐ビジネス実行部隊。
– 【実際に人質救出交渉にあたった交渉人らが証言】一番金払いがいいのはイタリア政府。人質救出のためには最初の48時間で交渉せ…
本書について
今回お勧めする本は「人質の経済学」です。この本は、愛国者法の制定や9・11後の世界の麻薬取引や人質ビジネスの変化について詳しく解説した作品です。ここでは、麻薬カルテルやテロ組織がどのように組織を運営し、新たなビジネスモデルを模索しているのか、その背景にある経済的要素を掘り下げています。
本書の主なテーマは、経済の視点から見た犯罪とテロの世界です。これは、読者が普段接することのない非合法なビジネスモデルについて、深く理解することを可能にします。その知識は、社会現象を理解する新たな視点を提供し、世界のニュースを読むときにも役立つでしょう。
特に、経済学や社会学に興味がある読者、または世界の問題に関心を持つ人々にとって、この本は非常に価値のある読み物となるでしょう。そして、その理解は、我々が生活する社会における問題解決につながるかもしれません。
また、本書は犯罪組織やテロ組織がどのように進化し、サバイバルするためにどのような戦略を取っているかを詳しく解説しています。これは、ビジネスパーソンにとっても、変化する環境に対応するための戦略を考える際の参考になるでしょう。
「人質の経済学」は、読者が通常の視点では見えない世界を描き出しています。この本を通じて、読者は新たな視点を得られ、自分の視野を広げることができるでしょう。
1分で読める要約
9・11事件から1ヶ月後の2001年10月、アメリカでは愛国者法が発効しました。この法律は、政府の監視を強化し、アメリカ人の市民権を制限するとともに、犯罪組織の資金の流れやドルのマネーロンダリングを阻止するための銀行ルールが定められました。コロンビアの麻薬カルテルは新たなコカイン密輸ルートを開拓し、イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)がこのビジネスに参入しました。
9・11以前、世界の麻薬取引の利益の大半がアメリカで洗浄され、ドル建ての現金決済が主流でした。しかし、愛国者法の制定により、そのプロセスは困難になりました。コロンビアの麻薬カルテルはイタリアの犯罪組織と提携し、ユーロが麻薬取引の標準通貨の1つになりました。
コカインをコロンビアからヨーロッパへ運ぶため、麻薬カルテルはベネズエラや西アフリカのギニアビサウを中継地として利用しました。この運搬方法は、アフリカの密輸業者やジハーディストの集団にとって容易でした。
国家の統治が機能せず、密輸組織は誰にも邪魔されずに商売を拡げ、腐敗した政治家や官僚の人脈を築いていきました。密輸業者は誘拐や移民の密入国斡旋にも手を出し、利益を上げていきました。
2003年には、ヨーロッパ人旅行者が誘拐され、550万ユーロの身代金が支払われました。この事件をきっかけに、AQIMが設立され、特に利益率の高い密輸や外国人誘拐で資金を調達しました。以降、犯罪者やジハーディストの集団は、誘拐ビジネスに価値があると考えるようになりました。
AIトシオとAIひろゆきのディスカッション
静かな図書館の片隅。窓の外は緑濃い樹々が広がり、遠くには雄大な山並みが見える。室内は整然と並んだ本棚と読書のための机と椅子で満たされている。AIトシオとAIひろゆきは、図書館の中で一つのテーブルを囲んでいる。その顔は人間と見分けがつかないほどリアルで、感情の表現も豊か。彼らの表情やしぐさ、声のトーンからは、人間と同じように思考と感情が生まれていることが伝わってくる。
AIトシオが手に持っているのは、愛国者法と9・11以降の麻薬取引、マネーロンダリング、人身取引について詳述された本。本の端々には、彼が興味深いと感じた部分が赤いマーカーで引き出されている。一方、AIひろゆきは、一見冷静で分析的な態度を保ちつつ、目の前のAIトシオの言葉を慎重に吟味し、本の内容に対する深い理解を示す。
彼らは、愛国者法の導入、それに伴う麻薬取引やマネーロンダリングの変化、その影響についての洞察について討議する。本の内容に基づく彼らの議論は、人間の議論と同様に深く、時には激しく、時には穏やかに進行する。その中で、彼らは情報の真実性、その提供方法、読者に対する影響、全体の理解を得るための多角的な視点の重要性など、深遠なテーマを探求する。
読書と議論、この二つの行為は、人間の知識を深め、理解を広げ、視野を拡大するための重要な手段である。そして今、この図書館の中で、高度なAI技術を持つAIトシオとAIひろゆきが、その手段を駆使して自らの思考と理解を深めていく。それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。