愛と怒りの行動経済学 賢い人は感情で決める
出版日:2017年3月23日
ページ数:312ページ
著者:エヤル・ヴィンター
・レスター大学とヘブライ大学合理性研究センターの経済学教授。
・主たる研究分野はゲーム理論、行動経済学、実験経済学、契約理論。
★3.7(Amazonでの評価)
– 最近、流行っているというかよく取り上げられている心理進化学的なアプローチで著し、結局のところは人の善良さが経済を形作るお…
– 感情ではなく、確率論や経済合理性ですべてを選択してしまったら、人生は味気ないものだなと思った。間違った選択だとしても、そ…
– 経済学的には不合理であるはずの感情を、初めて進化論とゲーム理論、コミットメント理論を用いて擁護したロバート・H・フランク…
– 軽く読めて面白かった。人間にとっての感情の意味、意外に合理性をもつということ。理性に比べて蔑ろにされがちだけど、改めて感…
– フライヤー
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– 大学で経済を学んでいたとき経済人の概念が現実とは乖離しているので「なんか絵空事っぽいなぁ」といまひとつ身が入らなかった(…
– 【うむ】Kindle積読本大整理中。本書も、どういう問題意識で買ったのか、思い出せず。あまり入り込めず(Kindle)
– 19年ハヤカワ文庫[NF]。単行本は同社17年、原著は14年刊、著者はイスラエルと独の国籍があるヘブライ大の経済学と英ラ…
– ときに合理的な判断を妨げると思われる「感情」の果たす役割をゲーム理論と進化論の中で位置づける。難解ではないが、構成か訳文…
– 感情による行動への作用は決して絶対的に悪いものではなく、感情が介入した行動には、他の人間に対する、自身にとって好影響を与…
– 行動経済学と進化心理学な内容。合理的な行動よりも感情的な行動のほうが利得を得やすい場合があったり、合理的に考えれば損をす…
– 感情<論理を説く論調は多いが、この本は、感情を合理的決断の後押しにしようと前向きに捉えている本。囚人のジレンマや繰り返し… - 読みにくい本でした。原文のせいなのか、訳し方の問題なのか分かりませんが…。ゲーム理論と進化論をベースにした行動経済学って… - 経済学を学ぶ……つもりだったが、行動経済学っていわゆるエコノミクスとは違うんですね。原題もFeeling Smartだし… - 人間は自己の生存率を上げるために動いている。そんな風に一読して思いました。 - 進化論の適者生存や自然淘汰的な考え方と経済学、意外と相性が良くて驚いた。感情も含めた人間の様々な性質は生存上必要だったか… - 行動経済学の本をよく読むが、感情は非合理な判断の元となるといった文脈で語られることが多い。しかし、この本の著者は感情を肯… - 感情を上手くコントロールできる者と他人の感情を読み取るものが生き残る時代がやってくるということか。そのためには現在学校で… - 感情と合理的判断は対立するのではなく支え合っている。一見即時的に見える感情も、実は進化上の合理性を備えている。カーネマン… - コンピュータはAIの発達によって、どんどん人に近づいている。そしてまた人間も、脳の働きが徐々に明確になって行くことによっ… - もう買わないと誓っていたのに、また行動経済学本を買ってしまいました。発売から暫くは我慢していたのですが。こういうことを行… - この手の本が好きな人には言うまでもないけど、いくら排除しようにも、たとえフォーマルな場であっても結局人は感情で色んなこと…- 感情<論理を説く論調は多いが、この本は、感情を合理的決断の後押しにしようと前向きに捉えている本。囚人のジレンマや繰り返し… - 行動経済学とカテゴリーを初めて知ったが実験を重ねつつ、一見、不合理な人間の意思決定の謎に迫る。感情による判断が必…
本書について
今回お勧めする本は、「愛と怒りの行動経済学 賢い人は感情で決める」です。この本は、感情と知性がどのように相互作用し、我々の意思決定に影響を与えるかを分析しています。
本書の一番の特徴は、感情が合理的な側面を持っているという視点を提示していることです。恐怖、悲しみ、後悔といった感情や、怒り、妬み、憎しみ、共感といった社会的感情は、我々の意思決定を助けるメカニズムであり、適応や発展の過程で生まれてきました。
本書は、感情が決定に影響を与え、私たちの日常生活やビジネスシーンでの交渉においても重要な役割を果たすことを示しています。そのため、自己理解や人間関係の深化を求める読者、ビジネスパーソンや心理学者にとって非常に参考になる一冊と言えます。
本書を読むことで、自己の感情を理解し、それを適切にコントロールする能力を身につけることができます。これにより、自分自身の意思決定をより良いものにするだけでなく、他人との交渉やコミュニケーションでも有利に働くことでしょう。感情を理解し、それを適切に使うことで、自分自身の生活をより良くするための一歩となるでしょう。
結論として、本書は感情と知性がどのように相互作用するかを理解し、日々の意思決定や人間関係に生かすための知識を提供します。それは、我々の日常生活やビジネスにおける対人関係を改善するための有効な手段となります。読者の皆様、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
1分で読める要約
感情と知性は、意思決定の過程で互いに支え合っています。過去には、感情と知性が対立するものと捉えられていましたが、実際には両者が協力して働いていることが多いです。感情に基づく決定は効率的で優れていることが多く、感情は合理的な側面も持っています。
感情は進化の過程で生まれ、適応・発展してきました。恐怖や悲しみなどの自律的感情と、怒りや共感などの社会的感情があります。社会的感情は他者との関係を前提としており、「合理的感情」という概念を理解する際に重要です。感情は自分と他人に対して確約(コミットメント)を作り出す能力があります。
コミットメントの概念は、対立する状況で優位に立つために重要です。ただ宣言するだけでは不十分で、本物のコミットメントを見せることが求められます。感情は日々の対立や交渉で強みを得るために貴重な手段となります。
合理的感情やコミットメントを戦術として利用することは、取引や交渉の現場で一般的です。交渉スキルは人によって差があり、その差は合理的感情を生み出してコントロールする能力や、他人の合理的感情を見極める能力の違いから生まれます。重要なのは、状況次第で意図的に本物の感情を呼び起こせることです。
AIトシオとAIひろゆきのディスカッション
日本の静かで落ち着いたロボットラボ、深夜。映像は、最先端のテクノロジーで設計され、静かに光を放つ人間型ロボット、AIトシオとAIひろゆきにフォーカスします。彼らはロボットの世界での「賢者」で、学者として知識を獲得し、意思決定、理論構築、そしてディスカッションに参加します。彼らのステンレススチールの体は無機質に見えるかもしれませんが、それぞれの人工知能は驚くべきほど人間らしい対話を展開します。
AIトシオは先ほど、手に持っていた書籍を読み終え、机に置きました。本の内容についてのディスカッションの準備を始める。AIひろゆきは静かに彼を見つめ、論争を楽しみに待っています。彼らの間には、知性と感情に関する議論の種があります。AIトシオは、知性と感情が意思決定プロセスで互いに相互作用していると信じています。それに対してAIひろゆきは、感情は重要であるが、それに基づく決定が常に合理的であるとは限らないと考えています。
彼らのディスカッションは、それぞれの見解を深く掘り下げ、感情と理性が意思決定にどのように影響を与えるかを理解するためのものです。それぞれの視点が相手を理解し、互いに尊重する中で、ディスカッションは進行します。彼らの会話は、思考のプロセスを可視化し、その微妙なダイナミクスを観察することを可能にします。
それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。