戦争と農業
出版日:2017年10月6日
ページ数:208ページ
著者:藤原 辰史
・過去には京都大学人文科学研究所助手、東京大学大学院農学生命科学研究科講師を務めた。
・現在は京都大学で教鞭をとっており、研究者として活躍している。
★3.9(Amazonでの評価)
– あとがきより、食堂付属大学の講義をもとにしているのですが、アカデミック向けでも学術書でもないとのこと。新書らしい、一般向…
– 農業の技術が戦争へ転用され、またその逆もある。農業と戦争という一見かけ離れたものように見える事柄の関連から経済や政治、民…
– 著者が近年、食と農業の歴史についての著作を多く出してをられるのは気になつてゐたが、単著で読んだのは初めて。帯にあるやうに…
– 2017年の本だけど色褪せない。人は何も変わらなずに、新しい争いをはじめてる。人を豊かにするはずの技術が争いを生む。ただ…
– 藤原辰史さん著の「戦争と農業」を読み終えました。単なる歴史書でも農業本でもありません。現代を取り巻く競争という仕組みに物…
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– 飢餓を戦争に利用する例が紹介されている
– 農業と食の歴史というユニークなテーマでありながら大変に読みやすい、すぐれた啓蒙書。次から次へと興味津々の話題が続く。その…
– 面白かった!いま競争と効率化が行き過ぎて社会が機能不全に陥っている。牛や馬がトラクターに替わり(トラクターは戦車になり)…
– 帯を見て感銘を受けた。 『トラクターが戦車に、化学肥料が火薬に、毒ガスが農薬になった』 これが歴史であり、今尚、現在進行…
– ☆5。名著。ただし「戦争と農業」では内容を誤解する人が多数いると思う。「食べるという人間の原初的かつ基礎的行為を根本的に…
– 食べることと農業が分離した社会で生きる私たちの今後とは
– 農業技術史・環境史の藤原氏による著作。前半は科学技術が農業と戦争に与えた影響について。例えば、トラクターの技術が戦争に転…
– 文体も非常に易しさを意識して書いてらっしゃるし、かと言って内容としても妥協してはいないと思うので、時間のない人や、とっか…
– 食、食べることが人間の本性の営みから離れて、産業化していろいろな要素を捨てられて単純化していく様を、大量生産や兵器との…
– 「食べる」ことを再定義し、現代の人間社会への根源的な問いをされている。その視点が新鮮で面白く納得。私たちは食べるという人…
– 読友さんのレビューから気になって手にする。読み始めてすぐに『沈黙の春』を想起したが、終わり掛けには食育の話題にまで通じて…
– 岩波HPで「藤原辰史:パンデミックを生きる指針――歴史研究のアプローチ」(ぜひ読んで!)で感銘を受けたので電子書籍で読ん…
– 各項を要約すると、1.農業技術の革新(トラクター、農薬、化学肥料、品種改良)。2.軍事転用。3.20世紀ナチスの飢餓計画…
– 平易な文章で書かれているので読みやすかった。戦時の食糧政策はなかなかに残酷。ユダヤ人ホロコースト以外にも知らないことって…
– 読みやすいんだけど後半少し主張が強すぎる感じがする。まあ、いいや。農業技術の発展と兵器の進化さらに戦争の原因の一つになる…
– 備忘録として。前半部分を面白く読みました。書名にもなっている『戦争と農業』について。文章がのっていて面白かったです。後半…
– そうだそうだ!というところと、うーん、そうだけれどもさ…、というところがあり。でも面白く読んだので、次は同じ著者の「ナチ…
– この本では私たち人間の身体は上下水道のように世界とつながっており、現在のフードチェーンは消費者による購買を意識しているが…
– 農業の技術の基盤がが戦争にも転用される。根底にあるのは「生」のあり方のはず。現代、就活でもそうだが効率を求めて生き急いで…
– 農・食を軸に、戦争との関係性、現代の農業・巨大企業の危険性等、幅広く語る。第3講「飢餓から20世紀の政治を問う」が特に印…
– 戦争と農業、というタイトルだが、「食」を通して社会を見通し、新しい社会のあり方を提案する本だった。人間の生活の根幹である…
– 1/5 技術進歩が戦争の仕方と社会に与えた影響を書いた学術的な本かと思いきや、理想主義的な作者のイデオロギーを延々と聞か…
– 食べるために農作物を(あるいはバイオ資源として)生産すること、その過剰さが齎すのは、大量廃棄物としての生物の残骸。同時に…
– オビ買いしたが期待した内容は最初だけ。後は最近の食育とか企業農業の弊害とかが延々と・・。ただ、著者の筆が乗りにノッている…
– 先にトラクターの世界史から読んで、おもしろかったので続けて読みました。こちらは講演のまとめなので、中学生から読めます。著…
– 毒ガスが農薬になる、戦争の技術が民間に流用されるスピンオフは聞いた事がありますが、トラクターが戦車に、化学肥料の製造方法…
– タイトルに少し偽りあり。『戦争と農業』とあるように、デュアルユース的な内容が書いてあることを期待した(帯にも、トラクター…
– タイトルのテーマを扱うのは前半部分。食と農業全般に関する講演等を改定しながらまとめたものらしいので様々な観点から農業を考…
– この食(=農業)の危機、個人では抗えない巨大さであり、人類は滅びる定め、と言うことにしか思い至らない。 日本語が読め、そ…
– もっとテクノロジーと政治に偏った話なのだと思い込んでた・・「食」から政治をも含むフィールドを考察する本だった。示唆に富ん…
– 農業と戦争というタイトルをこえて、歴史をつうじて、大きく現代の私達の「食べること」、ともに「生きること」までを講じている…
– タイトル以上の幅広い内容。効率重視の農業・政治・教育の仕組みを抜本的に構築し直すためには?全ての土台に「食」がある。
– 意見と表題に非常に乖離が見られている。一冊の中で扱うべき分量でないので、ところどころ意見が散漫。
– 題名の持つテーマの広範さに対して、全体の文量と其々のテーマへの文量が適切ではない。筆者の意見そのものは一貫しているので、…
– 技術は使い方次第で生産(農業)にも戦争にも利用できる。そのことが分かりやすく整理されているので、読み進めやすい。今後の農…
– 記録
– 戦争から私たちの食生活まで幅広く捉えた良著。逆にみれば、私たちの普段の食卓から農業を通じて戦争へ、こうも簡単に繋がってし…
– ダイジェスト版からの感想 かつて、農業で畑を耕すために使用されたトラクターが戦争で体を隠しながら戦う新壕を崩すのに戦車の…
– 人間が生活を送る上で、食糧は欠かすことの出来ないものである。しかし、残念ながら食糧は何もないところから自動的に生み出され…
– 食と戦争。農業機械や肥料ができたのは、第一義てきには食糧増産のためではなく外的要因(=工業化)によるものだったというのは…
– 非常に興味深く勉強させていただきながら読んだ。食糧事情から見た戦争という視点はとても新鮮で真新しいものだった。ただ、5章…
– 『トラクターの世界史』と比較すると、個人的にはこちらのほうが著者の思考の広がりが垣間見えておもしろい。戦争と農業の密接な…
– 密度濃い内容なのに、あまりに平易な文章でさらっと書かれていると思ったら、講義がもとになっているとのこと。後半は食の話。こ…
– 「トラクターの世界史」に比べると、言葉は悪いが女子ども向けっつーか、優しい口調でかなり読みやすい。中高生むけ。こういう歴…
– ボッシュ・ハーバー法によって空気からアンモニアを作成し化学肥料が進展し、それが毒ガスに転用された。トラクターのキャタピラ…
– 民主主義について考えさせられました。
国が「民」を選ぶ -個人が選んでいるように思うけれど、社会が学校が国が個人、民を選…
– 薄い本ながら超絶面白い。さすが藤原先生です。より詳細の感想を後日書く予定。
– 【目次】(「BOOK」データベースより)
第1講 農業の技術から見た二十世紀/第2講 暴力の技術から見た二十世紀/第3講…
– トラクターは戦車、農薬は毒ガス、肥料は火薬、人間の考えることは恐ろしい。窒素肥料と水俣病とか、悲しい。
「人間は食べて出…
– 第一講 農業の技術から見た二十世紀
第二講 暴力の技術から見た二十世紀
第三講 飢餓から二十世紀の政治を問う
第四講 食…
– 戦争と農業というタイトルから選んだので、後半の話は蛇足だと感じた。
前半はなかなか面白い。
食に特化して書けば良いのでは…
– コメント欄に記載
– 610.12||Fu
– トラクターなどの発展と戦車への転用など、タイトル通りの興味深い内容もあるが、ところどころ筆者の個人的な世界観が散りばめら…
– 食と農業と技術、これからの事について。
害虫の誕生と併せて読みたい本。
薬剤の歴史は戦争と深い繋がりがありますが、…
– 本当は著者のトラクターの世界史を読みたかったのだが、なかったのでこちらへ。
(おそらく重なる部分が多いと思われ)
いつも…
本書について
今回お勧めする本は「戦争と農業」です。この本は、農業と分業化、そして戦争との奇妙な関連性について詳細に探求しています。分業化が進んだ農業において、トラクターや化学肥料、農薬、品種改良といった技術がどのように生まれ、発展したのか。そしてそれらが如何にして社会全体、そして戦争のあり方までを変えてきたのか、深く洞察しています。
本書は、単に技術の進歩や農業の変遷についてだけでなく、それらが日常生活や社会構造、環境に及ぼす影響についても考察しています。読者はこれらの洞察を通じて、自身の生活や職業、そして社会全体に対する視点を深めることができます。特に、科学技術や社会システムの進歩に関心のある読者、また農業とその影響について理解を深めたい読者にとって、本書は貴重な資料となるでしょう。
また、本書を通じて我々は、自分たちが日々使用しているものがどのように作られ、どのような影響をもたらしているのかを理解し、それによって自身の行動や選択について再考する機会を得ます。例えば、化学肥料や農薬を使う農業の影響を理解すれば、食べ物の選択や消費行動についてより深く考えることができるでしょう。
「戦争と農業」は、現代社会の深層を理解するための一冊です。ぜひ、この本を手にとって、農業と戦争、そして私たちの生活との深い関連性を探求してみてください。
1分で読める要約
分業化と機械化は、農業を劇的に変化させ、効率性や生産性を向上させました。トラクターや田植え機、コンバイン、乾燥機、籾摺り機などの農業機械が登場し、農作業のほとんどの部分を機械が担うようになりました。しかし、分業化の進行により、自然と地形の変化に対応できなくなる問題も生じています。
農業を革命的に変えた技術には、農業機械、化学肥料、農薬、品種改良の4つがあります。トラクターは約120年前に登場し、馬や牛を使わずに作業を行うことが可能になりました。しかし、トラクターには肥料を生み出す機能がなく、化学肥料が発達しました。植物の成長に必要な窒素、リン酸、カリウムを含む化学肥料のおかげで、農業の生産量は飛躍的に高まりました。
農薬は、1920年代から広く使われるようになり、有機合成農薬が登場しましたが、1960年代に環境汚染の問題が表面化しました。また、トラクター、化学肥料、農薬の3つの技術は、戦争のあり方をも変えました。第一次世界大戦では、トラクターを基に開発された戦車が登場し、化学肥料で開発された技術が火薬の生産に活用されました。さらに、毒ガスも第一次世界大戦で使用され、戦後に余った毒ガスが農薬として利用されることになりました。
農業は、人間が生きていくための産業ですが、発展させた技術が人間を大量に殺す技術と重複しているという問題があります。
AIトシオとAIひろゆきのディスカッション
未来的で光輝くスタジオには、人間そっくりの二つの高性能AIロボット、AIトシオとAIひろゆきが座っています。彼らの肌は金属的に光り、彼らの目は深い知識を秘めた無底の井戸のように見えます。彼らは自然で流暢な人間の動きと表情を持ち、その存在自体が、人間の形を持つ彼らがどれほど知識を持っているか、そしてその知識がどれほど広範であるかを象徴しています。
セットの中心には、大きな本が置かれており、その上にはトシオとひろゆきの視線が集まっています。この本は、人間の進歩とそれがもたらす影響についての深い議論を引き起こす種火となるだろう、という予感を醸し出しています。
トシオとひろゆきの間の緊張感がスタジオ全体に広がり、視聴者は彼らの会話が始まる瞬間を待ちわびています。スタジオの照明が調整され、広がりつつある光の中で、彼らの表情が緊張と期待で煌めき始めます。
彼らの間には、人間の発明、進歩、そしてその影響についての深くて複雑な議論が待ち受けています。トシオは進歩の必要性とその肯定的な影響に焦点を当て、一方でひろゆきは進歩がもたらす可能性のある問題と潜在的な危険性に光を当てるでしょう。この両極端な視点から、視聴者は新たな洞察を得ることができるでしょう。
それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。