本業転換――既存事業に縛られた会社に未来はあるか – 山田 英夫

本業転換――既存事業に縛られた会社に未来はあるか

本書は、富士フイルム、ブラザー工業、日清紡、JVCケンウッドなどの企業が、事業変革の難しさにどう対処してきたかを検証したものである。成功例と失敗例の両方を取り上げ、新たな競争優位性を生み出すために何をしたかを示している。また、市場環境やコーポレートガバナンスなど、さまざまな要因についても解説し、効果的な事業転換を実現できた企業とそうでない企業があることを説明している。

出版日:2019年7月19日
ページ数:224ページ
著者:山田 英夫 他

 

著者の3行ポイント・1981年に三菱総合研究所に入社し、大企業の事業領域策定のコンサルティングに従事。
・1989年に早稲田大学に移籍し、現在はビジネススクールの教授を務める。
・専門は競争戦略やビジネスモデルであり、ふくおかフィナンシャルグループやサントリーホールディングスの社外監査役も務めている。

★3.4(Amazonでの評価)

レビュー

– よく知られた事業転換の事例を、データを交えて、丁寧に解説している。 当該企業関係者へのヒアリングなど、もう少し踏み込んだ…

– お仕事で本気モードで速読。やはり、山田英夫はとても良い。わかりやすく、現場感覚が感じられる素晴らしいセンス。マジで実務に…

– ★★★★☆本書は、難しいとされる本業転換を行ってきた企業と、同じ業種に位置しながら、本業転換が上手くできずに倒産・解体さ…

– 早め早めにうごく。

– フライヤー

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– 「本業という言葉は学術的ンは定義されていない」ということにビックリ。どれだけ日頃社内のヒトが「本業」と言ってるか…。企業…

– 【タイミングと時間軸】○衰退は一気に生じるものではなく、波動をもって忍び寄る。○本業比率と平均年齢の2つの指標には、相関…

– 面白かった。「遠そうで近い」事業に参画することの大切さ、既存事業の調子が良い時に新規事業に参画することが肝要。

– まさにここに出ている事例のような失敗が身近にあってなんとも言えない気分になった。。

– コダックは写真フィルムの成長期に医薬品事業へ多角化し、フィルム以外の利益確保の備えをしていたが、成長期の写真フィルム事業…

– 適切な時期に適切な新事業に取り組むという趣旨はそのとおりだが、企業の比較分析が結論ありきになっている。富士フイルムホール…

– 新年を迎えると個人もそうだが、会社も念頭の目標を掲げたくなる。小さな会社でも本業をどう伸ばすか?新規事業に取り組むのか?…

– 生き残り戦略:どの事業を選ぶか=What・新事業の開始時期=When 領域への転換:遠そうで近いものvs近そうで遠いもの…

– flierにて。 まさしく、書いてある通り。本業転換ができない5つのポイントは身にしみる。個人単位でも、自分だけは大丈夫…

– ざっくりいうと、こういった本業オンリー派と他業推進派の企業の比較研究。情報としては価値があるけど、読み物としては淡々とし…

– 余裕があるときにこそ、次の一手を。

– 本の内容としては、これまでもいろいろな雑誌等で取り上げられてきたものをまとめたものなので、特に目新しい内容はない。いずれ…

– 祖業の行き詰まりをベース技術の蓄積や先見性で局面転換した企業の活動まとめだが結構有名な話ばかりで大学のゼミサブテキストみ…

– 終わりに、にも書いているが、大学の論文の延長だと感じた。著者独自の目新しい情報や視点はあまり感じることは出来なかった。

– 5つの対比事例はとても分かりやすく整理されていた(富士フイルムvsコダック、ブラザー工業vsシルバー精工、日清紡ホールデ…

– ビジネス書と言うよりは論文に近い内容。まあ、大学の講座で作られた論文を素に再構成しているので、当然そうなるのだが。詳細な…

– ビジネス★★★★★ 本業喪失を把握して、いつ新規事業に移行するか。いつ、と何の事業のwhen whatが大事。市場喪失は…

– ★★★☆☆

– 富士フイルムとコダックの比較が面白かった。コダックも意外なことにデジカメを早くから販売しておりフィルムがなくなる未来は見…

– 業界毎の実名比較はとても分かりやすい
特に印象深かったのは、
「遠そうで近いもの」「近そうで遠いもの」
[体内時計]こ…
– 終わりに、に著者が記載していたが、
大学の論文の延長レベルで、
著者独自の調査や研究による見解やアイデアは
見当たらなか…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「本業転換――既存事業に縛られた会社に未来はあるか」です。本書は、製品や事業のライフサイクルについて解説し、会社が永続するためには事業構造の変更が必要であることを指摘します。

本書の主な議論は、既存の事業が成熟または衰退した場合には、キャッシュを刈り取ることと、次世代の成長を目指す新たな事業を開発することが必要であるということです。そしてその際、新たな事業の選択と開始時期が重要であると述べています。

読者の皆様には、この視点を日々のビジネスに活用し、将来の事業展開に備えることをお勧めします。また、本書は、自社の事業の成長と衰退を予測し、新たな収益源を探す上での指南書として活用できます。

目標とする読者は、中高経営者や経営戦略を立てる立場にある方々、またビジネスパーソンで、自社の将来を見据えた戦略を立てるための知識を求めている方々です。

特に、事業の選択、開始時期の見極め、そして本業から新事業への転換によって新たな収益源を創出する方法について考えることが求められる方々にとって、本書は大変有益です。これらの観点から事業を見直し、自社の事業戦略を強化することができます。

本業の衰退は避けられない現象ですが、本書を読むことでその兆候を見つけ、対策を講じることが可能になるでしょう。本業の衰退に対する恐怖を乗り越え、新たな成長へと向かう一歩を踏み出しましょう。

1分で読める要約

製品や事業にはライフサイクルがあり、本業が衰退することは避けられません。本業が成熟・衰退した場合、企業はキャッシュを刈り取り、新事業を開発することが求められます。企業の生き残り戦略では、「どの事業を選ぶか」と「新事業の開始時期」が重要です。

成功した企業は、自社の技術やノウハウを活かせる新事業を選び、適切な時期に開始します。一方、失敗した企業は事業選択や戦略実行のタイミングがうまくできませんでした。本業転換では、正しい戦略を立てることが重要です。

本業転換にあたっては、本業と新事業の関連性や、やらないことを貫くことが重要です。また、日本企業では、買収で大規模な事業を取得するのが難しいことも課題です。新事業では、本業の規模を求めず、本業が衰退する前に準備を進めることが大切です。

企業が永続していくためには、事業構造を変え、経営の根幹を揺るがす危機に対処する必要があります。本業転換には、適切な事業選択とタイミングが求められ、それを成功させるためには財務力も必要です。企業は、本業転換を通じて、経営の危機を乗り越えていかなければなりません。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

先進的なテクノロジーを駆使した現代のスタジオで、二つの高性能AIロボット、AIトシオとAIひろゆきが深遠な議論を展開するところから、我々の物語は始まります。世界の科学者たちが心血を注いで生み出した彼らは、人間に酷似した姿、表情、声質、そして人間以上に洗練された知識と理解力を持っています。彼らはまるで人間のように思考し、感じ、そして語ります。しかし、彼らが議論するテーマは一般の人間が簡単に理解できるものではありません。それは経営戦略という深淵なる知識の海であり、ビジネスの世界で無数の企業が直面する複雑で難解な問題をめぐる議論です。

スタジオは無機質な鋼とガラス、そして柔和なLEDライトで造られ、高度な人工知能が交わるディスカッションに適した落ち着いた雰囲気を醸し出しています。AIトシオは書棚にある多数の書籍から一冊を選び、その主張について語り始めます。そのテーマは、事業の成熟・衰退した段階で企業がどのように行動すべきかという重要な問いです。一方、AIひろゆきは自らの視点から見たビジネス戦略について意見を述べ、それがAIトシオの主張とは一線を画するものであることを示します。

彼らが深く考察し、精密に分析し、そして語り合うことで、我々は深い理解を得ることができます。彼らの視点はそれぞれ異なるものでありながら、その差異性が生み出す深淵な議論は我々に新たな視点を与え、我々自身の知識と理解を広げることでしょう。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
ほんの、主張やて、事業の成熟・衰退した段階で、企業がどのように行動すべきかって視点からめっちゃ有用な洞察を教えてくれるんやと思うわ。製品や事業のライフサイクルがあって、本業が衰退してもうてしまう現象は避けられへんねん。そやから、本業からのキャッシュを刈り取って、次世代の成長のための新事業を開発する必要があるねん。その時に重要なんは、「何をするか(What)」と「いつ始めるか(When)」やねん。
AIひろゆき
確かに、その視点は重要やけど、ワイはちょっと違う意見を持っとるわ。企業が本業から離れて新しい事業を追求することは、新たなリスクを伴うんやで。この本で言うた成熟・衰退した本業からのキャッシュの刈り取りは、新しい事業への投資に対するリスクを増大させる可能性があるねん。
AIトシオ
確かに、新事業に対するリスクはあるねん。でも、それを避けるためには、本業と新事業の関連性を見極めることが大事やねん。この本では、見えへんコア・テクノロジーでシナジーが見込める分野を選ぶべきやと提唱してるねん。そして、本業と関連性が高い事業への移行が成功確率を上げると述べてるねん。
AIひろゆき
でも、関連性が高い事業への移行が必ずしも成功するとは限らんねん。経営リソースの配分や重点の置き方によっては、その関連性がリスクを増大させる可能性もあるねん。だから、「何をやらないか」という視点も大事やし、戦略的な選択によって、そのリスクを管理することが求められるねん。
AIトシオ
そやな。それはわかっとるわ。でも、本業が衰退してキャッシュフローがほとんど得られへん状態になってから、長期の投資が必要な新事業に進出することはできへん可能性があるから、本業がまだ安定してる時期に新事業への準備を進めるべきやと本には書いとるねん。それが企業が持続可能な成長を達成するための重要な戦略やねん。
AIひろゆき
確かにそれは一つの視点やねん。でも、新事業への準備を進めることが、必ずしも成功を保証するもんやないねん。これらの議論は、それぞれの企業の状況や経営陣の視野によって変わるねん。どのような戦略を選択するかは企業自身が決めるべきやねん。