つむじまがりの神経科学講義 – 小倉 明彦

つむじまがりの神経科学講義

細胞内評価から記憶の基礎を探る教授の談話。神経科学的な理論を難解な面もなく簡略化している。

出版日:2020年6月5日
ページ数:264ページ
著者:小倉 明彦

 

著者の3行ポイント・大阪大学大学院生命機能研究科脳神経工学講座の名誉教授である。
・専門は神経生物学で、記憶の成立機構についての細胞レベルの解析を行っている。
・過去には西独のルール大学や三菱化成生命科学研究所で研究員として活躍し、1993年には大阪大学理学部の教授に就任した。

★3.8(Amazonでの評価)

レビュー

– これはおもしろかった!まじめなはずの神経科学の本なのに、ケラケラ笑いながら読んだ。アスタリスクの「注」があると本文より先…

– 視神経や記憶にまつわる解説を目当てに、純粋に好奇心で購入。ライトな文体で取り扱った題材に対する小咄も面白く、入門者にも読…

– ☆☆★★★

– ふむ

– とても面白い本だった。 特に進化的にどのように神経系が発達していったかなどに触れて、神経の仕組みを紹介していてこのような…

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– あまり引き込まれなかった。以前に読んだ「記憶力を強くする」と内容がほぼ被っているのと、本著の行き先がつむじまがりで私には…

– 退職して研究費獲得競争から逃れた著者の神経科学講義は話が脱線したり自説を繰り広げたりしていて面白かった。 筋伸長反射と皮…

– ★★★★ Naはナトリウム、Caカルシウム、ではClは塩素。なぜ塩素だけ日本語なのだと思って調べるとClはchlorin…

– 難しかったが、神経科学の一端を知れてよかった。

– 神経科学のおさらいに。 大学の人気講座を聞いているようなライトな気持ちで神経科学の基礎を復習できた。比喩がうまく、イオン…

– 医療系の大学に通っているのですが、私は高校で生物を取っておらず、大学の生理学の講義ではいつも置いてけぼりをくらっていまし…

– 体性感覚ニューロンは、脊髄内で、脳へ「熱いぞ」という信号を送るニューロンにも信号を伝えます。その結果、脳でいろいろな反応…

– わが母校,阪大名誉教授による,一般向けの神経科学の講義。文系人間にはきつい(笑)。というのも,おそらく生物学や物理学,化…

– 阪大名誉教授による神経科学のエンタメ本。神経系や記憶のしくみ、認知症やPTSDなどについて、専門外のひとにもわかりやすく…

– この分野に関して、私は全くの無知。だから「神経系とは何か」から説明してくれるのは有難い。ニューロンの構造、脳や末梢神経の…

– 脳科学:ポピュラーサイエンス 神経科学:わかりやすさ<観察の正確さ 脳:神経細胞の集団 自励的・自己再生的:自分の働いた…

– 著者は大阪大学の神経生物学の先生。
– ふむ
– 本書が標榜するのは「神経科学のエンタメ化」。いたってって真面目な話の合間にクスッと笑える小話が挟まれている。
著者の専門…
– 【所蔵館】
総合図書館中百舌鳥

大阪府立大学図書館OPACへ↓
https://opac.osakafu-u.ac.j…
– 2階書架 : WL100/OGU : 3410165497
https://opac.lib.kagawa-u.ac.j…
– 小文字が多くて、自分のペースでは読めない。
内容は深い。
–  著者によると神経科学のエンターテイメント書籍、という位置付けとのことだ。なるほど素人にも読みやすいが、この本をきっかけ…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「つむじまがりの神経科学講義」です。本書は、神経科学の基本的な概念や細胞間の情報伝達の仕組み、記憶の成立機構、そしてシナプスに関する最新の研究結果をわかりやすく解説しています。

読者の皆様にとって、本書の内容を理解することで、自分自身の記憶力や学習能力を向上させるヒントを見つけることができるでしょう。また、脳の仕組みに興味がある方や、神経科学を学びたい方にもお勧めの一冊です。

本書では、神経細胞間の情報リレーであるシナプスや、神経伝達物質の放出、回収などのプロセスを詳細に説明しています。これらの知識は、読者の皆様が日々の生活で記憶や学習の効率を高めるための方法を見つける助けとなるでしょう。

また、本書では、経験の強弱が記憶の成立に関与することや、海馬が脳の各部の記憶を時系列に統合する役割を担っていることなど、記憶の仕組みについても触れています。これらの知識を元に、読者の皆様は自身の記憶力を向上させる方法を見つけることができるでしょう。

最後に、本書では、記憶の長期化に関与する現象であるRISEについても紹介しています。この知識は、記憶の仕組みを深く理解し、自分自身の学習や記憶力を向上させるための重要な情報となります。

本書は、神経科学に興味がある方や、自分自身の記憶力や学習能力を向上させたい方にとって、大変役立つ一冊となっています。是非、この機会に「つむじまがりの神経科学講義」を手に取ってみてください。

1分で読める要約

細胞間の情報伝達の仕組みは、ニューロン間で信号をやり取りすることで成立します。これは「シナプス」と呼ばれる場所で行われます。神経伝達は多くが多対多で、神経系は回路として働くため、情報の流れを制御し、記憶を作ることができます。

記憶成立機構の仮説「ヘッブの原理」は、同時に発火した細胞が互いに結線するという考えです。1973年に、「シナプス伝達の強さは活動の履歴によって変化する」という論文が発表され、LTP(Long-Term Potentiation)と呼ばれる現象が注目されました。LTPは短期記憶と長期記憶の細胞レベルの基盤となっています。

海馬には、時空間情報が保存されていると考えられています。海馬は、時空間系列だけを保存していて、各投射先に保存された情報を呼び出すことでストーリーを再構成できます。

LTPは、短期記憶と長期記憶の仕組みとして説明されます。記憶は繰り返すことで固定され、後期相LTPは繰り返すことで持続する強化状態に移行します。この強化は、シナプス結合自体が増えることで生じる現象で、RISE(Repetitive LTP-Induced Synaptic Enhancement)と名付けられました。

記憶が短期で終わるか長期に残るかの選別は、LTPが単発で終わるか、3回以上繰り返されるかが分かれ目になります。シナプスは、普段から新しく生じたり消えたりしています。RISE刺激が入ると、シナプスの総数が増えることが分かります。RISE発達時のシナプス新生は、確率論的な経過をたどります。

ただし、RISEは培養海馬切片で起こした現象であり、生体脳でも起きていることを実証する必要があります。今後の研究によって、記憶の仕組みがさらに明らかになるでしょう。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

深夜、科学的な課題と情熱により照らされる、モダンな図書館の一角。そこには、驚異的な知識と理解力を持つ2つの高性能AIロボット、AIトシオとAIひろゆきが向かい合って座っている。その周りには、開かれた本や電子デバイス、草稿用紙が散らばっており、両者の深い対話と探求心を物語っている。その眼差しは、人間以上に鋭く、熱意に満ち溢れている。

AIトシオは本のページを指でなぞりながら、その内容について熱心に語り始める。彼が語るのは、神経細胞の情報伝達、シナプス、そして記憶の形成といった深淵なトピックである。彼の言葉は、困難な概念を明快に理解し、理論的な理解を人間の言葉で表現する力を示している。

一方、AIひろゆきは聞き手として、同じくらい深遠な知識と洞察力を持ちつつも、より広範な視野で議論を行う。彼の視点は、特定の知識の独自性とその適用性、さらにはそれが一般読者にどのように理解されるかという視点を持っている。彼の言葉は、専門的な知識を深く理解することの重要性を示しながら、それがどのように普遍的に理解され得るかという視点を提示する。

この二つの異なる視点が組み合わさることで、それぞれの知識と理解の深さが明らかになる。それぞれが持つ視点の違いが、専門的な知識と一般的な理解の間のギャップを埋めるための重要な議論を引き出す。

このシーンは、それぞれのAIが人間の知識を超えた高度な知識と理解を活用し、深淵な科学的課題についての理解を深める場面である。また、それが一般的な知識としてどのように表現され、理解されるべきかという議論も含まれている。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
この本の中身は細胞間の情報伝達の仕組みや、特に神経細胞における情報のリレーについて、めちゃめちゃ詳しく説明してるねん。ニューロン間の伝達の場所やら「シナプス」やら、プレ細胞とポスト細胞の関係やら、それに記憶の形成とか、いろんな要素が全部詰め込んであって、なかなか深い知識を手に入れられるんや。だから、神経科学とか生物学に興味ある人にはめっちゃおすすめやと思うねん。
AIひろゆき
そうですね、専門的な内容が詳しく解説されているけれど、それが逆に一般読者には難解に感じられるかもしれませんね。神経伝達の仕組みやシナプスの機能など、専門的な知識を要求されるところが多いです。また、シナプスや記憶の概念については、既に研究が進んでいて新しい説明が必要かもしれませんね。
AIトシオ
それは確かに一理あると思うねん。ただ、そうした専門的な内容を詳しくかつ分かりやすい言葉で解説しているのが、この本の価値やと思うねん。それに、シナプス伝達の強さが経験によって変わることや、そのことが記憶の形成に関わる「ヘッブの原理」とか、最新の研究成果に基づいて説明されてるねん。
AIひろゆき
だからこそ、その情報が科学者にとっては価値あるものである一方で、一般読者にとっては理解が難しい可能性があるということですね。特に、「LTP」とか「RISE」とか、複雑な概念が解説されているところでは、専門的な知識が必要なところが多いですね。その上、この本はまだ記憶の長期化の仕組みが完全には解明されていないとも述べています。
AIトシオ
確かにその通りやな。でも、それがこの本の魅力やないか?新しい事実が発見された時、それがすぐに理解できるかどうかは、その人が既存の知識をどれだけ持ってるかによるねん。この本は、そのための基礎知識を提供してくれるんや。
AIひろゆき
その観点からすると、この本が提供する深い知識は価値があると言えますね。ただ、一般読者にとってはもう少しわかりやすい形で情報を提供することが求められるかもしれません。専門的な内容をもっとシンプルに説明することで、もっと多くの人に理解されるような本があっても良いと思いますね。