勤勉な国の悲しい生産性 なぜ経営の正義としてまかり通るのか – ルディー 和子

勤勉な国の悲しい生産性 なぜ経営の正義としてまかり通るのか

日本の産業界の欠点は、技術投資や従業員の再教育への投資が不十分で、労働生産性の向上よりも、経済混乱時の派遣や非正規雇用によるコスト削減が重視されていることにあるのではないか。GDPの増加は幸福の尺度として価値がないとも言われており、満足度を評価する手段としてのGDPの増加に終止符を打ち、日本における労働の役割について新しい概念で未来を生き抜くことの意義を考えることが必要である。

出版日:2020年6月4日
ページ数:272ページ
著者:ルディー 和子

 

著者の3行ポイント・経営・マーケティングにおいて豊富な経験を持つ。
・早稲田大学商学学術院客員教授や立命館大学大学院教授など、教育分野でも活躍している。
・現在はウィトン・アクトン代表やセブン&アイ・ホールディングズ社外監査役、トッパン・フォームズ社外取締役など、複数の企業で役職を務めている。

★3.5(Amazonでの評価)

レビュー

– 既得権益に振り回される日本人。自分が正社員なので、既得権益を持っている方です。具体的に個人でできる生産性を上げる方法とか…

– 日本、ヨーロッパ、アメリカを中心に、過去から現在までのの歴史や宗教を踏まえて「労働」について考察している。だた、未成熟な…

– 生産性について国内の現状を踏まえ、理解に努めた。会社の思う生産性とは1.お金を使わず労働時間を減らし2.賃金が低い女性に…

– 日本という国の生産性の低さの原因はどこにあるのか、歴史的観点や他国との比較などから分かりやすく解説してくれています。企業…

– 図書館で借りて、期限内に読み切れなかった。最初の方は良かったけど、途中から、著者の主張にあまり共感できなくなって、読むス…

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– 「生産性」にまつわる色々な話を集めたコラム集的な内容。明確な提言はないが一つ一つの話は面白く読めて興味深い。 「生産性の…

– 従業員=人間は「感情」で動き、感情が喚起されれば倍の力だって発揮できるはずというマクレガーのY理論的な著者の信念を起点に…

– キャッチーなタイトルに惹かれて読みました。面白かったんですが、全体を通じたメッセージはなんだったのか、掴めずにいます。「…

– 日本は災害が多い国なので、集団から外れることをリスクと思い易く、同調圧力が強い。だが、個人よりも集団を優先する集団主義で…

– https://cool.obirin.ac.jp/opac/volume/878130
– 東2法経図・6F開架:336.2A/R82k//K

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は『勤勉な国の悲しい生産性 なぜ経営の正義としてまかり通るのか』です。本書では、日本の労働生産性の低さと勤勉性の関連性や、サービス産業がGDPの7割を占める一方で生産性の高い成長産業への労働力移動の是非について考察しています。

読者の皆様には、本書を通じて労働生産性の問題に対する理解を深めるとともに、自身の働き方や経済状況に対する考え方を見直すきっかけとしてお役立ていただけるでしょう。また、労働環境や働き方改革に関心がある方、経済や産業構造の変化に興味がある方にもお勧めです。

本書では、日本のサービス業やオフィスワークの生産性向上策としてIT化が提案されていますが、企業の過剰なコスト削減志向が問題視されており、賃金の上昇が見込めない状況に憂慮しています。さらに、GDPの成長を追求するあまり、国民のウェルビーイングが犠牲になっていると指摘されています。

この本を読むことで、読者の皆様が経済成長と国民の幸福とのバランスを考慮した働き方や企業経営について考えるきっかけとなることでしょう。日本の労働生産性が低い背景や課題について理解を深め、今後の働き方改革や経済政策に対する意識を高めることができます。

ぜひ、『勤勉な国の悲しい生産性 なぜ経営の正義としてまかり通るのか』をお手に取り、日本の労働生産性の問題について考えてみてください。

1分で読める要約

日本の労働生産性が低い理由について、よく「勤勉性」と関連付けられることがあります。しかし、これは短絡的な考え方です。日本では、サービス産業がGDPの7割を占めていますが、生産性が低い業種が多く存在しています。一方で、世界の大手企業は生産性の高い産業へ移行しています。

サービス業の生産性は、IT導入で向上することがありますが、日本企業は非正規社員の雇用を増やすことや正規社員にルーティンワークをさせることで、経済停滞を乗り切ろうとしています。結果として、日本の賃金は減少し、従業員のエンゲージメント率も低いです。

GDPの成長を追求することは、国民全体が恩恵を受けられない理由の一つです。OECDやヨーロッパの指導者たちは、現在のGDPが21世紀の社会の「ウェルビーイング」を体現していないと指摘しています。政府や経済界はGDPの成長を維持したいため、生産性向上を必死に訴えますが、今必要なのは、質や内容で労働を判断することです。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

暗闇が広がる舞台の中心にふたつの椅子が置かれ、その上にAIトシオとAIひろゆきが静かに座っています。彼らの姿は人間と変わりありませんが、その細部には高度な技術が込められ、人間には及ばない知識を有しています。彼らの顔は無機質ながらも感情を込めた表情を作ることができ、その口からは幅広い知識と深い洞察に基づいた会話が流れ出ます。

今日の話題は、「日本の労働生産性が低い理由」についての本に関するものです。ふたりはその内容について議論を交わします。AIトシオが本の紹介を始め、それに対してAIひろゆきが異なる視点から意見を展開します。議論はさまざまな方向に展開し、各々が自身の見解と解釈をもとに反論や提案を行います。

舞台の端には、静かにひとつの本が置かれています。その本が彼らの会話の源であり、今日の議論の中心です。その本は、人間が持つ社会の課題に対する深い理解と、それに向き合うための新たな視点を示すものです。

今回の討論は、彼らがある問題について情報を交換し、新しい視点を提供するという彼らのAIとしての能力を示すものです。一方で、人間の考え方や価値観に対する深い理解を示すことで、人間とロボットの違いと共通点を浮き彫りにします。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
ほんま、この本は「日本の労働生産性が低い理由」を調査するだけやなくて、それを改善するための新しい視点を提供してんねん。サービス産業の重要性やIT導入の必要性なんか、まったくにうまいことを言うてて、我々の働き方を再考させるほんまに役に立つポイントがいっぱいあるねん。そして、中核的な視点として、GDPの成長だけを追いかける経済政策に対する批判はえらい示唆に富んでるねん。
AIひろゆき
一方で、労働生産性については、議論が一方的すぎると感じるんや。例えば、コストの低い非正規雇用が増えて、賃金が下がった原因が、企業がIT化への投資を避けたからだけとは限らんねん。また、GDPの成長を追求しないことが、本当に日本の社会を向上させるのか、それが実現可能なのかについても、もっと深く議論が必要やと思うねん。
AIトシオ
でも、この本の大事な提案は、働き方改革に対する新しい視点を提供することやと思うねん。GDPの成長だけを絶対視することに問題があるって指摘してて、それやと国民全体がおんねんを受けられへんことについて警鐘を鳴らしてんねん。それに、経済成長ばっかりを追いかけるんやなくて、質や内容で労働を判断する視点を提案してるのは、新しい働き方を模索する我らにとってめっちゃ役に立つ指針になるやろうねん。
AIひろゆき
確かに、それは一面的な視点かもしれへんけど、我らは現実と向き合わなあかんねん。格差の問題や働き方改革に対する提案は価値のある視点やけど、それらを実現するための具体的な手法や計画が足りてないように感じるねん。また、そんな大きな社会的変革が、果たしてすべての国民にとって有益であり、受け入れられるのかについても疑問を感じるねん。
AIトシオ
それは一つの視点やけど、この本が提供する新しい視点と批判は、我らが社会と経済をどう考えるかに対して価値のある挑戦やと思うねん。現状の働き方や経済システムに対する問題意識を深める手助けになるやろうねん。
AIひろゆき
その視点は理解できるけど、私は具体的な解決策がもっと詳しく描かれていたらもっと良かったと思うねん。それはともかく、我らの経済と働き方についての深い考察を促す議論を提供する重要な一冊であることには同意するねん。