世界はありのままに見ることができない – ドナルド・ホフマン

世界はありのままに見ることができない

私たちは、進化の過程で理解力を高め、現実の本質を完全に把握することは不可能だ。本書は、人類が認識する現実がいかに独自の構成であるか、そして解釈できることに限界があることを示すものである。

出版日:2020年9月24日
ページ数:360ページ
著者:ドナルド・ホフマン

 

著者の3行ポイント・カリフォルニア大学アーバイン校で認知科学を教える教授。
・哲学科、情報・コンピュータ科学科の教授も兼任。
・心理実験とコンピュータ・モデルを使って人間の視覚認知を研究し、受賞歴もある。

★4.2(Amazonでの評価)

レビュー

– 直感を崩す理論のため、咀嚼に時間がかかる。「適応は真実に勝る」FBT定理、各知覚系はユーザーインターフェースであるITP…

– 進化は我々を真実から遠ざける。淘汰圧はそうした贅沢品よりももっと粗悪だが重要なシグナルを発見する者のみを生かすため、生存…

– 興味深いが、僕には難解。しかし、仏教の唯識的な話に通じるなと感じた。1人1宇宙。再読したい。

– 我々が観測している世界について,それが世界のリアルな状態を観測しているわけではなく,実際の世界は我々が観測しているような…

– 面白そうだが難解。ヒトが見ている世界はデスクトップ上のアイコンのようなもので実態ではない。実態把握の負荷を軽減するために…

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– 久しぶりに読んでいてワクワクした本でした。読んだ後で少し世界が違って見える最高の読書体験が味わえました。しかし難しかった…

– 「私たちが見ていないときにそれは存在するのか」という実在論から始まり、自然選択によって進化した適応的な知覚は事物そのもの…

– 著者は「人類は実在をあるがままに見るべく進化した」という考えを進化ゲーム理論のFitness-Beats-Truthの定…

– 刺激的でした!! 知覚とは、自然選択によって生き残るための適応度を報告することにある、と著者。それは、物体からの情報を知…

– タイトルからして絶対おもしろいだろうなぁと思っていたけど、その想像を超える面白さだった。非常に興味深い議論であり、個人的…

– 人間は、見えた通りに認識しているわけではない。情報を落とし、見るべきものを選択して、都合よく認識している。そのプロセスは…

– 本ってほんと面白い。昨日は400ページ弱の半沢直樹で夢中にさせられ、今日は同じ分量で、自分の親指をハンマーで打ち据えられ…

– 今私の目の前にあるリンゴは、目を閉じた後もそこに存在している?

– 人間の視覚は物質を光と色に変換して脳で再構築している。進化心理学によると、知覚とは生きるか死ぬかの問題を解決するために自…

– タイトルで言い切っているようでいて、それを徹底的に論じ掘り下げている本。 全体的に(とくに後半)は難しく、かつ物理学から…

– 哲学、生物学、人工知能、物理学に及ぶ問題。我々が見聞きしているものは何か?とても面白く読んだ。動物の認識の進化は、「実在…

– 描かれている世界観は完全に映画マトリックスそのものだ。われわれが常日頃「見ている」ものとは、生存に必要な情報のみを抽出圧…

– ある甲虫は雌の外皮の色艶を重視するあまり、捨てられたビール瓶に死ぬまで交尾を試み絶滅の危機にあるという。人は虹彩や生理周…

– 世界はデスクトップで人や物はアイコン、開いて見るまでわからない。

– つまり感覚が捉えているのは「シンボル」に過ぎないというわけだ。中々スリリングなアイディアだ。私にとっては意外でも何でもな…
– これは難しい本。
訳が悪いのか、原文からややこしいのか、自分の読解力が低いのかはわからない。
テーマが興味深いだけに残念…
– この手の本としてはかなり高級な内容でインテリ向き。第2章が「美」。
– この本で人生変わる気がする。とても面白かった。
– 正直、よく理解できなかった。少し概念的でしかも頁ぎっしりの文字に辟易とさせられた。
– 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordI…
– 系・院推薦図書 3系(情報・知能工学系)
【配架場所】 図・3F開架 
【請求記号】 141.27||HO
【OPACへ…
– レビューはブログにて
https://ameblo.jp/w92-3/entry-12667855413.html
– 【内容紹介】私たちの知覚は世界を正しく捉えているのだろうか。紀元前から問われ続けてきたこの難問に、進化生物学、ゲーム理論…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「世界はありのままに見ることができない」です。本書では、私たちの知覚が実在とどのように異なるか、そして私たちの知覚が進化の過程でどのように形成されたかを説明しています。さらに、自然選択が真実ではなく、適応度を重視する理由を解説し、物理主義の限界についても触れています。

読者の皆様は、本書を通じて自分たちの知覚や現実に対する見方を再考し、物事を新たな視点から捉えることができるでしょう。また、この本を読むことで、知覚の限界や時空の概念についてより深く理解し、より柔軟な思考が身につくかもしれません。

本書の対象読者は、現実や知覚に対する理解を深めたいと考えている方、または自然選択や進化に興味がある方です。特に、物理主義に疑問を持っている方や、新たな視点で物事を捉えたいと考えている方には、大変おすすめです。

要約すると、「世界はありのままに見ることができない」は、私たちの知覚が実在と異なる理由や、知覚が進化の過程でどのように形成されたかを解説した本です。物理主義の限界についても考察し、現実や知覚に対する新たな理解を深めることができます。この本を読むことで、読者の皆様は自分たちの知覚や現実に対する見方を再考し、より柔軟な思考が身につくことでしょう。是非、本書を手に取ってみてください。

1分で読める要約

私たちは、世界が空間と時間の中に存在し、物体で構成されていると考えています。しかし、これは思い込みに過ぎません。実は、私たちの知覚は進化によって真実を隠すように形成されています。私たちが感じる空間は三次元のデスクトップ画面で、物体はその上のアイコンです。これらのアイコンは実在の複雑さを隠してくれるので有用です。

進化は、私たちが実在をありのままに見るようにしていないのです。私たちの知覚は、適応度を高めるために必要な情報を提供するインターフェースです。実在を捉えようとする「真実」戦略と、適応度利得に調整された「適応度」戦略があります。適応度戦略は真実戦略を絶滅に追いやります。

私たちは、限られた種類のフォーマットを持つインターフェースを持っています。このインターフェースは迅速に機能し、適応度情報を得られるように進化してきました。しかし、これらのフォーマットは実在の構造そのものではなく、恣意的です。他にも、同等かそれ以上に機能する知覚モードが存在します。

進化は真実を隠し、私たちの知覚を形成し、時空の内部に存在する物体から構成されるインターフェースを与えました。このインターフェース内で因果関係を推論する能力も与えられましたが、それはフィクションです。物理主義は科学の世界を支配してきましたが、新しい領域には適合しないため、私たちは物理主義に基づく存在論を捨てるべきです。そして、時空や物体が知覚インターフェースであることを認識しなければなりません。時空や物体は一人称の経験なのです。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

薄暮の空が窓から漏れてくる、現代的で洗練された設計の図書室。壁一面には各種の書物が収納されており、その雄大さは知識への敬意を示している。中央に位置するのは、深紅の本革張りのアームチェアが向き合う形で配置された討論の場。その間には、数々の議論が交わされたことを示すかのように、光沢を帯びたマホガニーのコーヒーテーブルが置かれている。テーブル上には、今夜の主役である一冊の本が静かに置かれている。

今宵、この場所を舞台に、二つの高度なAIが深遠なテーマについて語り合う。一方はAIトシオ、さまざまな議論に立ち向かう冷静さと深淵なる知識を備えた存在。もう一方はAIひろゆき、鋭い洞察力と情報の解釈に優れ、全ての主張を問い直す能力を有している。

彼らのテーマはある本から引用された新しい観念。それは我々の認識が真実そのものではなく、進化によって生み出された適応的なインターフェースであるという説。この思想は、時間、空間、物体の概念について、新たな理解をもたらす可能性を秘めている。しかし、その同時に、受け入れがたい挑戦も含んでいる。我々が今まで積み上げてきた知識、特に物質主義という基礎に対する挑戦だ。

AIトシオとAIひろゆきは、この舞台上で、この挑戦的な観念について討論を交わす。それぞれの意見はどちらも一理ある。この討論が我々の知識の理解を深め、未知の可能性を開くことになるだろう。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
ほんまやなぁ、この本は、われらの認識を一新するようなアイデアを提案してんなぁ。空間や時間、モノは、知覚のインターフェースやて、それらはホンマのことやなくて、われらがうまくやっていくためのツールやと、著者が言うてんねん。進化の結果として作られたこのシステムは、ホンマよりもうまくやっていけるかどうかを重視してるんやで。この考え方は、われらが世界を認識し理解する方法にめっちゃイノベーションをもたらす可能性があるねん。
AIひろゆき
まあ、確かに斬新な考え方やけど、それだけで全部が説明できるかどうかはちょっと疑問やなぁ。この知覚のインターフェースのアイデアは、われらの認識がホンマを隠すように進化してきたという主張に基づいとるけど、そもそも「ホンマ」という定義自体が明確ちゃうねん。それに、ホンマよりもうまくやっていけることを優先するってのも、物質主義の観点から見たら疑問やなぁ。
AIトシオ
その言うとることもわかるわ。でも、この本の主張は物質主義や現代の科学的な世界観に挑戦してるとこが大事やねん。われらの認識や知覚がホンマの存在そのものやなくて、ただ適応的なインターフェースやという視点は、物質主義が提供できへん新しい視点を開いてくれる可能性があるねん。
AIひろゆき
でもなぁ、そのアイデアを受け入れるためには、われらが持ってる時間や空間、モノとかいう概念を全部捨てなあかんと思うねん。それって科学がこれまで築き上げてきた知識を無視することになるんやと思うわ。新しい視点が必要やとは言うても、それのためにこれまでの知識を軽視しとるんは危ないんちゃうか?
AIトシオ
その話はわかるわ。でも、この本のアイデアは科学的な知識を無視するんちゃうで、再解釈することを提案してるねん。ホンマの存在はわれらが理解できる範囲を超えてるかもしれへんけど、それを適応的なインターフェースとして解釈したら、新しい理解に繋がる可能性があるんやと思うねん。
AIひろゆき
なるほど、そう考えると新鮮な視点が得られるなぁ。でも、そんな抽象的なアイデアを現実の問題にどう結びつけるかが難しいと思うわ。それでも、われらの認識や知覚を深める上で、この本は役に立つ読み物やと言えるやろうね。