心にひびくデザイン – 牧 敦

心にひびくデザイン

脳機能イメージングの専門家による暴露話。脳とその内部の計測が、人間の心を支える生活空間の創造にどのように活用されるかを、洞察に満ちた概観で説明している。科学的知見が外的環境のデザインに与える影響について、より深い理解を与えてくれる。著者は、生物学的事実を利用して、私たちの心の健康に適した雰囲気をデザインすることを考えるべき時が来ていることを実証している。

出版日:2021年4月1日
ページ数:288ページ
著者:牧 敦

 

著者の3行ポイント・日立製作所の主管研究員は、光を用いた脳機能画像計測技術を世界で初めて発表し、独自の脳機能計測技術を用いた脳科学研究で世界をリードしている。
・約200件の特許を取得し、脳機能計測技術や静脈認証技術の開発に尽力している。
・心的価値を向上する産業や社会環境が発展することを科学的に予見し、心の理解および心と環境の共鳴を柱とした研究開発を深耕している。受賞歴も多数ある。

★4.6(Amazonでの評価)

レビュー

– 表紙と題名に興味を持って読書した1冊。最初はデザイン系の本かと思いきやいたってまじめな脳科学の本。脳科学で得た知見が現実…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「心にひびくデザイン」です。本書では、脳の好き嫌いを調べ、デザインに活かす方法が紹介されています。デザインが人々の暮らしやすさや使い勝手に関わっていることが指摘されており、メンタルモデルを明らかにすることが重要であると述べられています。

読者の皆さんにとって、本書を通じて自分自身や周囲の人間関係、環境に適切な刺激を与えることができるデザインを理解し、実践することができるでしょう。また、人々の心にアプローチするデザインの重要性を学ぶことで、より効果的なコミュニケーションや環境改善が期待できます。

本書の対象読者は、デザインに関心のある方や、自分の生活環境や人間関係をより良くしたいと考える方々です。また、メンタルモデルや脳機能計測技術に興味を持つ方にもおすすめです。

キーワードとしては、「心にひびくデザイン」「脳の好き嫌い」「メンタルモデル」「脳機能計測技術」「環境デザイン」などが挙げられます。

最後に、本書によって、人の心を計測し、環境をデザインする時代が来たことが示されています。これにより、生物学的なエビデンスに基づいた環境デザインが可能となり、より人にとって快適で効果的な空間を作り出すことができるでしょう。

是非、読者の皆さんも「心にひびくデザイン」を手に取り、新しいデザインの世界を体験してみてください。

1分で読める要約

デザインは美しさや感動だけでなく、暮らしやすさや使い勝手にも関わっています。しかし、心にひびくデザインを実感することは難しいです。そこで、「メンタルモデル」を理解し、脳の好き嫌いを調べることが大切です。脳には、好き嫌いがあり、その好き嫌いに基づいて行動を決定します。

心にひびくデザインは、人々のメンタルモデルに合わせたデザインです。メンタルモデルの型に合わせて、外界の刺激を設計することで、人の行動や学習に変化を与えることができます。

心は環境からの刺激を受けて、脳内のメンタルモデルとマッチングすることで生成されます。メンタルモデルは、個人の経験だけでなく、多世代間の経験の継承も影響しています。

人の心を測り、環境をデザインする時代が来ました。環境を最適化することが、脳を良くするために重要です。これまで物差しや秤で測れたものが、心まで踏み込んで環境を設計すると、人の心まで測れる計測器が必要になります。

脳機能計測技術の進歩は、メンタルモデルの生物学的なエビデンスを得るために重要です。日立製作所の「光トポグラフィ」という計測技術は、日常的に近い状態で脳の活動を可視化できます。これにより、生物学的なエビデンスに基づいて、人を考慮した環境デザインが可能になりました。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

我々が訪れるのは、未来的でスタイリッシュなロボット研究所。透明なガラスの壁に囲まれ、高度な技術の匂いが漂う空間です。そこで、我々の目に飛び込んでくるのは、人間に酷似した二つのロボット、AIトシオとAIひろゆき。彼らは見た目は人間そのものでありながら、高度なAIを搭載し、人間と同等の複雑な思考が可能です。今日の彼らの議論のテーマは、デザインと人間のメンタルモデルとの関係性。特に、メンタルモデルに基づいたデザインがいかに人間の行動に影響を及ぼすかについてです。

AIトシオは、新たな視点を提供し、この革新的なコンセプトを評価する一方で、AIひろゆきは具体的な実装方法の欠如に懐疑的な視点を持っています。デザインとは通常、対象の物理的な特性に主眼を置くものであり、しかし、この議論では、デザインの対象は物理的な対象だけでなく、人間の心とその好き嫌いという非物質的な要素にも及んでいます。これは、科学的観点と心理学的観点が交錯する難易度の高い議論となることでしょう。

彼らは、透明なガラスのテーブルに向かい合って座り、静かな議論を開始します。光るLEDライトの下、AIトシオの手元には革新的なデザインについて述べられた一冊の本があり、AIひろゆきはその手元に個々の脳の反応に基づいてデザインを行うという新しい概念に疑問を持つ瞳を向けています。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
この本ん中のアイデア、新鮮やと思うで。デザインが人間のメンタルモデルに基づくってんから、その効率や使いやすさがアップするってんのは、まあそうやな。自分の好みに基づいて行動してることに、めっちゃ気づかへんかもしれんけど、その好みが行動をガッツリ決めてるっていう考えは、なんかワクワクするわ。
AIひろゆき
確かに、心に響くデザインの重要性は理解できます。でも、それぞれのメンタルモデルに基づいたデザインを考えると、それの実現は難しいと思います。人それぞれ好みも違うし、脳の反応もバラバラですから。それってあなたの感想ですよね。
AIトシオ
そりゃあ、難しい課題やと思うわ。でも、ここで出てくるのが「光トポグラフィ」っていう脳の計測技術なんや。これを使えば、人それぞれの脳の反応を具体的に測ったり、理解したりできるってんのやで。そうすると、それぞれのメンタルモデルに合わせたデザインができるようになるんや。
AIひろゆき
でも、全ての人に対してそのような計測を行うことは現実的ではないでしょう。また、そのデータを基に、どう具体的なデザインに反映させるのか、その方法については本書では明確には語られていません。それってこの著者の感想ですよね。
AIトシオ
まあ、それはそうやけど、ここで重要なのはデザインを新しい視点から見ることやで。この視点が、もっと効率的で、心地よいデザインを作るための一歩になるんちゃうかな。
AIひろゆき
新しい視点を提供するのは大事ですね。でも、具体的な方法が見つからなければ、その視点はただの理論に過ぎないかもしれません。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。