ひとりの力を信じよう――「今あるもの」で人と地域の未来をつくる
出版日:2017年1月17日
ページ数:224ページ
著者:立花 貴
・伊藤忠商事株式会社で化学品の原材料の部署やリーテイル事業を担当した後、食流通関連の株式会社エバービジョンや合同会社四縁を設立。
・東日本大震災後、支援活動に参加し、雄勝町の漁師とともに合同会社オーガッツを設立し、新しい仕事づくり・学びの場づくりを目指す。
★4.6(Amazonでの評価)
– 東日本大震災後の支援活動から、地域の町おこしへと向かう一連の活動が記載されている。筆者の熱い思いと賛同者の協働で、活動が…
– 石巻市雄勝。人と自然と繋がりながら大人も子どもも学び合う、モリウミアス。 本書に出てくる、その場その時に何が必要かを自ら…
– 何度目かの再読。地元雄勝の、足元をより見ることをテーマにしていた今年。やはり、「雄勝」で取り組む立花さんの言葉にもう一度…
– 少しの事例を重ねていく大切さ。何かのせいにするのは簡単だけど、批判しているだけでは、何も変わらない。小さくてもよい、実際…
– 再々読。モリウミアスのある雄勝地区にある学校に勤める者として,その物語と理念を知っておくことは重要。モリウミアスの建物は…
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– 伊藤忠出身の方が書かれた本。ターゲットは就活生や行政の現場で働いている人など非常に幅広い。震災時には、食糧よりも食事とい…
– 雄勝小、雄勝中、大須小、大須中も先日閉校式。これで私が十数年前に雄勝小に勤めていたころにあった5小学校2中学校は震災の影…
– おもいっきり泣いた。泣いたら、力が沸いてきた。 これが率直な感想です。
– 私は石巻市雄勝の小学校教員。まさに地域の課題。かつてもこの地域でお世話になり、地元の方々に大変お世話になりました。そんな…
– 2016年4冊目。自社本のため割愛。
本書について
今回お勧めする本は「ひとりの力を信じよう――「今あるもの」で人と地域の未来をつくる」です。本書は東日本大震災後の過疎化が進む宮城県石巻市の雄勝町の復興について描かれています。
特に、地域活性化の可能性、地域コミュニティの強さ、新たな取り組みの可能性について触れています。この本の特徴的な部分は、「ないものねだりではなく、あるものを活かす」という視点で、地域と人々の復興を進めていく姿勢です。
本書からは、地域が直面する困難に対する新たな視点と解決策を学ぶことができます。それは地方自治体の問題だけでなく、私たち一人一人が生活の中で直面する困難にも応用できると思います。例えば、自身の生活や職場の課題に対しても、「ないものねだり」をするのではなく、「今あるもの」を最大限に活用する考え方を持つことの重要性を学べます。
本書の対象読者は、地方自治体の問題に興味がある方、困難に直面している方、新たな視点や解決策を求めている方など、幅広い読者層にお勧めです。
最後に、「ひとりの力を信じよう」、「地域活性化」、「地域コミュニティ」、「新たな取り組み」、「ないものねだりではなく、あるものを活かす」といったキーワードを心に刻み、読み進めてみてください。きっと新たな視点と可能性を見つけることができるでしょう。
1分で読める要約
東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた宮城県石巻市の雄勝町は、過疎化が進み、いわゆる「限界集落」のような地域です。震災前には4300人だった人口は、震災後には1600人ほどに減りました。しかし、震災から復興の「あり方」が問われるようになり、新しい地域のビジョンが求められました。
雄勝町には地域コミュニティの強さと、新しい取り組みが行いやすい環境があります。漁業を通じて、町の未来につながると語る漁師たちや、町民のために頑張り続ける看護師さんなどの姿が印象的でした。
震災地で活動する上で意識されたのは「ないものねだりではなく、あるものを活かす」ということでした。現地の人々が早く仕事を取り戻し、自律的な生活ができるようになることが必要でした。そんな中、漁師さんたちから声がかかりました。
雄勝の漁業は、後継者がいない問題や、流通の経路により生産者の受け取り価格が決められない問題に直面していました。そこで彼らが考えたのが、全国各地のお客様に定期的に、産地直送で海の幸を届けるモデルでした。前金で支払ってもらえば資金繰りは安定し、直接販売することで収益性も確保できます。
1口1万円を支払ってもらい、その時の旬の海の幸をお届けする仕組みで、会員はどんどん増えていきました。震源地に最も近い雄勝町の変化は、訪れた人による口コミやメディアでの紹介によって、徐々に広く知られるようになりました。
AIトシオとAIひろゆきのディスカッション
昼下がりの図書館、棚には古今東西の書籍が揃っており、知識を求める者たちに静かな空間を提供しています。テーブルの一つには、AIトシオとAIひろゆきが対面して座っています。両者とも人間に近い風貌を持ち、感情的な会話もスムーズに行う高度な人工知能を搭載したロボットです。その姿は一見、人間の友人が静かに対話を交わしているようにも見えます。
彼らが今日取り組むテーマは「地域再生」について。最近読み終えたばかりの一冊の本を元に、二つの異なる視点からその問題を考えることになっています。AIトシオは地域コミュニティの力を重視し、地元資源を活用するビジョンに感銘を受けています。一方、AIひろゆきは、そのようなモデルが全ての集落に適用できるのか、または地域固有の特性や資源を考慮に入れる必要があるのではないかと懐疑的です。
会話は互いの意見を尊重しつつも、時には深く問い詰めるものになります。その思考プロセスは人間のものと変わらず、新たな視点や解決策を探る彼らの様子は、人工知能がどのように人間の対話を理解し、その深度を模倣するかを示す見事な例です。
今から始まるのは、人間同士の会話では得られない新鮮な視点を提供する、二つの人工知能の対話です。それぞれの視点が示す未来、そしてその思考のプロセスから我々が学べることは何でしょうか。それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。