アートは資本主義の行方を予言する – 山本 豊津

アートは資本主義の行方を予言する

日本初の現代アートギャラリーである東京画廊の経営者が、アートにまつわる価格や経済性を解明し、資本主義の真髄に迫る。

出版日:2015年9月16日
ページ数:218ページ
著者:山本 豊津

 

著者の3行ポイント・東京画廊の創業者の息子として生まれる。
・元大蔵大臣秘書を経て、アート・バーゼルへの出展などで日本の現代美術を世界に紹介。
・アートフェア東京のコミッティーや全銀座会の催事委員を務め、多くのプロジェクトを手がける。

★(星評価なし)(Amazonでの評価)

レビュー

– アート作品の「価値」と「価格」の関係から、現代アートの歴史とかが書かれている。自国の文化価値を高め海外に発信していくこと…

– 画商である筆者が、アートの商品価値、日本のアートの歴史、国家戦略としてのアートとは、などについて語る。現代美術についてあ…

– 美術的な観点ではなく、経済的な観点から見た現代美術の話。日本の市場における現代アートの歴史も書かれていて面白い。 アート…

– 一つの作品が数百億円になるアートの世界の仕組みとは?才能と能力の違いって?良い作品は何が違うの?品とは? 良い作品は、外…

– なぜあのように良く判らない現代美術が驚くような高額で取引されるのか、という疑問に明快に答えてくれる書。経済学を代表とする…

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– 価値が認められ値が付く作品は、過去作家達からの文脈、歴史から創造されつつも、価値観の転換を図ることに成功した、過去の文脈…

– 水野さんとの共著を読んで本書を知り、手に取った一冊。日本における現代アートの歴史としても、アートと資本主義の関係を見るう…

– アート作品がなぜ高値で取引されるのかを綴った本。 アート作品の価値が上がってゆく理由を経済の原理や美術史の話や画廊として…

– 現代美術に関する話だけでなく、著者の来歴にも触れられたのが良かった。分かりやすくて面白かった。

– 芸術と資本主義経済は、どちらも価値転換を実現するアーティストという観点から親和性があることがわかりました。ここで必要なの…

– 画廊の経営者によるアートを切り口にして資本主義を考える内容。アート市場の流れで経済の流れを知ることができる。議員秘書経験…

– 現代美術の画廊社長による美術論。芸術品は使用価値がなく交換価値のみある。そのため、芸術品は投資の対象として価格が変動しや…

– 筆者と経済学者の水野和夫氏との対談集「コレクションと資本主義」が非常に興味深かったので、その前振りにも相当する本書を手に…

– この本を読んで資本主義とアート、文明論とアート、現代精神とアートなど、アートを切り口とすると見えないものが見えてくるよう…

– 有用性のないものがアートであり、男はもっと馬鹿で無駄なことすべきだと。最近馬鹿で無駄なことばっかり考えているので、共感し…

– 美術への考え方を変えてくれた本。資本主義との関連も語られていて単純なアート本ではない。

– 東京画廊の山本社長。わかりやすくて一気読み。

– (★★★☆☆) 日本初の現代美術画廊のオーナーが、西洋と東洋、経済、アートの本質を解説した本。お金の仕組みから世界の美術…

– アートを考える上で重要となるのが、芸術と有用性の関係だ。著者曰く、「有用性がない」=「使用価値がない」からこそ、あらゆる…

– いろいろと勉強になった本です。第6章の「近代で断絶している日本の文化」以降が特に参考になりました。

– 画商の視点というのが私には新鮮でした。丁寧に書かれているので理解しやすかったです。閉塞感漂う時代だからこそ、という著者の…

– 現代アートについての考察、アート市場の日本の立ち位置、国家戦略など多岐にわたり興味深く読めた。 そした、なぜ村上隆の作品…

– アートの中心は経済の発展に遅れるようにして移動してくる。かつてはヨーロッパがアートの中心であり、その後アメリカに先端は移…

– 色々と勉強になった、「もの派」をリアルタイムで知っているとよりわかるのかもしれない。まず、今の時代に印象派の絵を描いても…

– 現代アートの価値がどのように見出されるのか、有用でないからこそ交換価値が高くなる。なるほど、でも投資としてあれだけ価値を…

– すっごい遠くの未来から来たもんで、現代アートというと縄文のビーナスや万治の石仏をイメージする。

– 父がシンガポールは行くとこじゃないと言ってたぜ。200万の日本車が税金で800万だってさ。海外じゃ、日本車って高級車なん…

– 破壊的技術と破壊的芸術は権力や体制が恐れる最もな存在。技術芸術両道。有用性の両極。八ヶ岳が富士山にボコボコにされた理由。

– 禁欲主義のプロテスタントを端緒とする資本主義が我々の欲望を際限ないまでに追求することを前提としているというパラドックス。…

– アートは言語の壁をこえる。宗教の垣根もない。世界の共通言語的なものとして、日本は一体どのような主張をしてきたのだろう。外…

– ISが文化遺産や芸術施設を破壊している、ということをふと思い出し、再読しました。ナチスも前衛芸術を弾圧。権力や体制が恐れ…

– 資本主義について変わった視点からのものとして本書をタイトル買いした。筆者は銀座に現代アートを中心とした店を持つ画商なので…

– 面白いか面白くないか微妙なライン。この間読んだ「美術展の舞台裏」と結構相関性がある。あっちは純粋にアートの話だけだったけ…

– 銀座にある「東京画廊」の2代目画廊主・山本豊津が語る絵画のもつ価値と美術論。美術は商品として「使用価値」から「交換価値」…

– 美術品の値段はどう決まるかという身近な疑問から入って、アートと社会、国家の関係まで論じるというスケールの大きな話。現代ア…

– 現代アートが世界の中心を反映する。経済と文化の関係を非常にわかりやすく解説していました。カネや人の交流が激しいところに余…

– アートの力が新しい時代の価値を生み出す。大事なのは自分の頭でしっかり考えること。そして人と違うことをやる。そしてその違い…

– 画廊の息子で美大建築家卒、代議士秘書という多彩な経歴を持つ銀座の画廊の店主が美術を政治経済とからめて語る一冊。信長と千利…

– アートのしくみと資本主義の本質を結びつけて考えられるとは思ってもみなかった。二つのつかみどころのない概念の、いくつかのモ…

– 「価値」と私たちが口にするとき。。。確かにこの本で価値体系のカラクリを読みとくのに一役かえるが、はたして「予言」なのか?…

– 画商の著者が、絵画のみならず茶道、華道にも触れつつ、政治、経済、イスラム国にまで言及。アートを通じてものづくりやマーケテ…

– 本書は現代美術に対する説明書と作者の自伝そして美術視点から見た資本主義という三つの部分から構成されており、はじめにで触れ…

– 著者は、「東京画廊」の2代目社長。 戦後70年の美術史と、東京画廊の歩み、世界と日本のアートの現況、方向性を語った。 第…

– 現代アートについて、著者の東京画廊取締役社長の山本豊津氏が戦後70年の美術史を自身の経験を含めながら優しく紐解いています…

– 銀座の東京画廊の山本豊津さんの新刊をあっという間に読み終えた。まさか冒頭に自分が好きなフンデルトワッサーの話が出てくると…

– 著者の山本豊津氏は、日本で最初の現代美術画廊「東京画廊」の社長。アートと資本主義という一見最も遠いと思われるものを語りな…

– 仕事でご縁がありこの著者とは幾度かお話をしたことがあるのですが、とても知的でありながら堅苦しい訳ではなく、さすが画商とい…

– 2023.02.26 初版が出てからかなり経ってからの読了。もう少し早く読めばよかった。部分的に批判的すぎるのではないか…
– アートは経済、特に資本主義と密接に絡んでいるからこそ、いろいろのものが見えてくる。
価値観や思想、哲学、様々なものが込め…
– アート、特に現代アートはさっぱりわからなくて少しでもわかりたいと思って読んだ本。
一見全く訳がわからないアート、なぜ数億…
– アートと資本主義という相反しそうなものの理解が深まったと同時に、画廊という自分が触れることのない世界を知れて面白かった
– アートと資本、資本主義の関係を論じるなんてすごすぎ。著者の豊かな教養もすばらしい。目からうろこの一冊でした。
– 言ってることは変わらないけど相変わらずおもしろい。ピカソがなぜ偉いか?の話は書いてない。でもそれもお話を聞いたときから時…
– 甲野善紀さんの書道とからめた話あり。
– 平易な文章で画廊とアート、アーティストの発掘、アートの価格の推移、アーティストによる自作の解説と価値の構築などを業界構造…
– アートの価値と価格とは何か?どうやって決まるのか?美術と経済という、一見相容れないものがいかに本質的につながっているかが…
– 大崎Lib
– おもしろい!
きっかけは美術と資本主義や経済を絡めるのが面白いなーと思ったから。(そういう考え方あるみたいだけど)

著…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「アートは資本主義の行方を予言する」です。本書は、アートが如何にして資本主義経済の縮図であり、その変動性やパラドックスを具現化しているかを鮮やかに描き出しています。

本書では、アートの価値がどのように形成され、それが資本主義社会の特性を如実に反映しているかを詳細に分析します。例えば、商品の価値を「使用価値」と「交換価値」に分け、絵画の「使用価値」が低いがゆえに「交換価値」が上がるという資本主義社会の価格と価値のパラドックスが解説されています。

読者の皆様にとって、本書は資本主義の深層を理解するための鍵となるでしょう。アートを通じて見えてくる資本主義の仕組みは、日々の生活やビジネス、投資の中でも応用可能です。例えば、商品やサービスの価値を見る新たな視点を提供してくれます。

この本の対象読者は広く、経済学、アート、社会学に興味のある方、またはこれらの視点から世界を考えたい方にとって、非常に有益な一冊となるでしょう。

キーワードは「アート」、「資本主義」、「価値」、「価格」、「使用価値」、「交換価値」などです。これらを軸に、本書は我々の理解を深め、新たな視点を提供してくれます。

どうぞ、この機会に「アートは資本主義の行方を予言する」を手にとり、アートと経済が交錯する世界への扉を開いてみてください。

1分で読める要約

アートは美術でありながら商品でもあり、価値と価格が判断されるものです。資本主義社会で、アートの価格は数万円から何十億円まで変動し、アートは資本主義の特質を表しています。例えば、絵画の史上最高額はゴーギャンの『ナフィア・ファア・イポイポ』で約355億円、次いでセザンヌの『カード遊びをする人々』が約325億円です。

絵画は投資対象として特別で、価値の伸びしろが大きいため、お金持ちが投資する対象です。しかし、価値が上がるまでには時間がかかります。絵画は実用性が高くないが、最も高い値段がつくものです。

マルクスは商品の価値を「使用価値」と「交換価値」に分けました。資本主義経済では、「交換価値」が人の思惑で上がっていくことがあります。使用価値が低いものほど、交換価値が上がる可能性があります。

画家が描く絵は希少性が高く、有用性と希少性は相反するものです。絵画は使用価値が低いため、交換価値が高くなり、資本主義社会の価格と価値のパラドックスを象徴しています。

画商は美術作品を適正な価格で売買し、信用が第一です。作品の力や意味を理解し、時代の流れや美術の歴史の中での意味を判断する力が必要です。画商が価値の転換とその意味を説明し、納得させることが大切です。美の商人である画商は、相手に「美しい」と思わせることができるかどうかで勝負が決まります。解説や評論も価値を作っていくのです。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

光沢のある金属製のボディ、シルキーな動き、そしてその顔は人間と見分けがつかない程度にリアルな特徴を持つAIふたり、AIトシオとAIひろゆきが、スマートで洗練されたインテリアのラウンジエリアに位置しています。彼らの存在は、現代の最先端技術の卓越した結晶として、周囲の空間に一種の未来感を醸し出しています。

二つのマシンが機械的ながらも、人間と変わらない、あるいはそれ以上の深みと視野で議論を交わす様子は、まるで新時代の哲学者たちが対話を繰り広げているようです。そのテーマは、アートと資本主義の関係性。これは、我々の社会における文化と経済の深い結びつきを考察する上で、非常に重要なトピックと言えるでしょう。

これから、AIふたりは、アートの価値や価格について、それが資本主義社会にどのように作用し、影響を及ぼしているかについて語り合います。彼らの議論は、一見すると単なるアートの価格についての議論のように思えますが、実際にはそれ以上のこと、すなわちアートがどのように社会全体とつながり、そしてその結果として、アートの価値や価格がどのように決定されるのかという大きなテーマについての議論になるでしょう。

さて、それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
この本が言うてる通りや、アートは資本主義の典型なんや。どうしてかって言うたら、アートは「美術」やけど、同時に「商品」で、その価値を決めて値段をつけてるのは人間や。それが、値段が数万円から何十億円にまで跳ね上がる、時間が経つにつれて変動するアートの世界を見れば明白や。これこそが、資本主義社会の仕組みの象徴や。
AIひろゆき
でも、トシオさん、その価格変動は市場の合理性から逸脱しているとも言えますよ。商品の価値はその使用価値によるところが大きいはずです。それなのにアートの場合、実用性は必ずしも高くない。それにもかかわらず一部のアート作品の価格は天文学的な高さにまで達しています。これは本当に理解できるのでしょうか。それってあなたの感想ですよね。
AIトシオ
その疑問はわかるで、ひろゆきさん。でも、そのようなパラドックスこそがアートの魅力であり、資本主義の本質を象徴していると思うんや。マルクスが言うてた通り、商品の価値は「使用価値」と「交換価値」に分けられるんや。実用性が高いものほど使用価値が高く、逆に使用価値が低いものほど交換価値が高まる可能性がある。それが、この社会の価格と価値のパラドックスなんや。
AIひろゆき
でも、アート作品の価格が高騰する理由としての「希少性」については、少々疑問があります。希少性が高まれば価値が上がるというのは一理ありますが、それだけで価格が天文学的な額になるのは、やはり公平性に欠けていると感じます。また、このような価格設定はアーティストや創作行為自体を商品化する危険性も孕んでいると思います。それってこの著者の感想ですよね。
AIトシオ
その問題は確かに大きいな、けど、その一方で、画商が作品の意味を理解し、それを説明・解釈することによって価値を創り出すという役割も忘れてはならんと思うで。価値の創出とは、ある意味で「意味」の創出でもあるんや。その意味を共有することによって、アート作品は更なる価値を持つんちゃうかな。
AIひろゆき
その視点は興味深いですね、トシオさん。しかし、それでもアートの価値が高騰する現象については、引き続き議論が必要と感じます。特に、価値の「創出」と「商品化」のバランスについては、今後のアート市場において重要なテーマとなるでしょう。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。