経済成長という呪い 欲望と進歩の人類史
出版日:2017年8月25日
ページ数:222ページ
著者:ダニエル・コーエン
・パリ経済学校教授であり、『ル・モンド』論説委員でもある。
・専門は国家債務と金融経済史で、経済政策の実務家としても活躍している。
★3.5(Amazonでの評価)
– フライヤー
– 内容は平易でテーマと結論は分かりやすい。ただ、文章が持って回った言い回しとでも言えば良いのか読みづらかった。
– 「現代社会は、経済成長なしでも持続できるのか。」結論の冒頭の問いへの解答はなく、ヒントは「人口転換が成し遂げた量より質へ…
– みんなで精神構造変えて、経済成長の呪いを断ち切りましょう。まさに今がそのときです。とか言いつつ、自分だけ出し抜こうと考え…
– 根本的な問題を提起しているが、解決策は提示されていない。 個人では金持ちになるとの欲望は普通であるが、社会全体が物質的な…
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– 著者はル・モンド紙の論説委員です。トマ・ピケティと共にパリ経済学校を開設した人物でもあります。 有史以来、成長と拡大を繰…
– フランスのマル経って感じ。
– 久しぶりに目から鱗の本でした。めっちゃ興味深かったです。人類誕生から変わらぬ欲望の強さ。破滅するまでは、どうやら変わらな…
– 難しい。結局ちゃんとはわかってないような気がすごくする。経済成長が出来てもまたすぐにその状況に慣れてさらなる経済成長をし…
– 経済成長(富の増加)=幸福の増加ではない、ということ。 経済成長のみにとらわれると、「たとえ実際に増加しても決して満足し…
– こういうタイトルを見ると「だから経済成長はいらないのだ」という人が出てくる。だが世の中はそんなに都合よくはできていない。…
– コミュ力鍛えてこ
– 前半はどこか「サピエンス全史」を彷彿させる人類の経済史が続き、そして、後半からが著者の主張かと思います。これがまた、いか…
– 備忘録。経済成長はしなくても大丈夫、人間は経済成長以外のことで欲求を満たすべき、ということ?
– 人間の欲望は果てしない。第一に、幸福は相対的であるがゆえに、社会が豊かになっても、幸福の追求はエンドレスとなる。第二に、…
– 期待した内容と全く違ってた。この本買ったのは失敗
– かつての工業化にともなう農村部から都市部への移行のように、これから人々はAI化できる仕事から、AI化できない仕事へ移行し…
– 経済活動はヒトという種の特性に組み込まれ宿業なのか。
– この現状を乗り越えるためには、個々の満足ではなく他者との共生を、ということなのだろうか。際限のない欲望を呪いだといい、そ…
– 表現のセンスがすごく好き。「近代から現代化された産業ではストレスが問題に―機械ではなく人間が故障するようになった」なんて…
– 人は自分を他者と比べたがる為いくら物質的富が増えても満足しない。自分が隣人より貧しいという意識が人々を苛立たせ、攻撃的に…
– 約半分を占めている人類の歴史から語られる部分は不要だと思う。
– 人生を意味ある物だと錯覚させる幻想の憑代としての神を抹殺した19世紀のあと、新たな幻想の憑代とされたのが経済成長だったわ…
– 結局気持ちの持ち方次第ということなのだろうか。。。
– 最近興味を持っている資本主義社会の今後について考える上で、人類史からアプローチし始めているのが面白い
– 優れた経済史本だと思った。しかし主題である、無限という呪いから脱却の結論はよく分からなかった。なんだか啓蒙で終わった気が…
– 経済成長を求められても、人口減少が加速する日本では困難だ。産業革命は人間の労働を組み込めたのに対し、現代のデジタル革命は…
– 著者の味方は悲観的に過ぎるように感じられた。また日本に住む我らとは問題意識が随分違う。学者だけあって社会との接点が少なそ…
– 106頁:人権費?? ⇒人件費
本書について
今回お勧めする本は、「経済成長という呪い 欲望と進歩の人類史」です。経済成長が無限に持続するという幻想と、その後の社会のあり方について深く考察する一冊です。
本書は経済成長の神話を描きつつ、それが断続的で儚いものであることを説明しています。また、経済成長が途絶えた時に我々はどうなるのか、経済成長以外に自分たちを満足させられるものはあるのかを問います。
読者はこの本を通じて、自分たちの生活と経済成長の関連性を見つめ直すことができます。経済成長がもはや当てにならない時代に、どのように自分たちの生活を充実させていくかのヒントを得ることができます。
また、本書は人間の欲望が際限なく、それが経済成長の追求につながっていると説明します。しかし、その一方で、経済成長に依存しない精神構造への転換が必要だと指摘します。
これは、経済学や社会学に興味がある読者だけでなく、自己成長や持続可能な生活を追求するすべての読者にとって有益な一冊です。経済成長を見直し、新たな視点で生活を考えるきっかけを提供します。
そして、我々は競争と妬みの文化を超越する必要があると本書は語ります。経済成長だけに目を向けず、芸術や社会生活、地球環境保全など、より重要な価値観に目を向けることで、我々の生活は豊かになるでしょう。
物質的な富だけを追求するのではなく、持続可能な社会を構築するための新たな視点を提供する本書を、ぜひ一読してみてください。
1分で読める要約
現代社会で経済成長は、人々の暮らしを豊かにするものと考えられています。しかし、経済成長が限りなく続くことは難しいです。人々は、経済成長以外の方法で満足感を得られるものを見つけられるのでしょうか。イギリスの経済学者ケインズは、2030年には人々が1日3時間働くだけで済むと予想しましたが、現代社会は、物質的な繁栄を追求し続けています。
経済成長に依存しない精神構造への転換が求められています。現代社会が経済成長なしで持続できるかどうかは分かりませんが、現代人の欲望は際限がなく、影響を受けやすいことから、欲望を昇華させる方法が重要です。人間の欲望を地球の保全と整合性を持たせるために、新たな転換が必要です。
物質的な経済成長が現代社会の唯一の方法として利用され続ける限り、経済成長を断念することは難しいでしょう。しかし、労働強化や気候変動のリスクが経済成長の原動力であるため、現代社会には失業や環境危機という問題が待ち構えています。
環境破壊の脅威だけでは、人々は行動を起こさないでしょう。環境破壊を避けるために必要な技術的な方策を講じる際、人々の精神構造に変化が必要です。企業や人々、国家間で、社会的なつながりを穏やかにするためには、競争や妬みの文化を超越しなければなりません。経済成長という宗教の崩壊を受け入れ、新しい価値観を築くことが求められています。
AIトシオとAIひろゆきのディスカッション
21世紀のテクノロジーが生み出した高度な人工知能を搭載したロボット、AIトシオとAIひろゆき。ふたりは、光沢のあるメタルの体を持ち、エレガントに動くサーボモーターで話を交わしています。彼らの姿はまるで人間そのもので、声も感情も人間と変わらない。だが彼らの思考は、人間を超えています。彼らは様々なデータを飛ばし、適応し、自己学習を行い、深い洞察を得る能力を持っています。
今日、彼らが挑むのは経済成長と持続可能性という大きなテーマ。彼らは一冊の本を共有し、その内容について討論を始めます。本の主張は、「経済成長の無限の約束は誤った前提に立っている」というもの。つまり、無制限の成長が地球の環境を破壊し、人間の欲望を満たすことの困難さについて。
AIトシオは、持続可能な経済モデルの提案と人間の欲望を満たすための新しい方向性について積極的に議論を広げます。一方、AIひろゆきは、経済成長が新たな技術開発の動機を生み出し、それが環境問題の解決策をもたらす可能性や、欲望が人間の創造性の原動力であるという視点から反論を行います。
賢明なロボットたちは、人間の欲望、経済成長、持続可能性といった複雑な問題を解決するために、深い洞察力と豊富な知識を用いて議論を深めます。この議論を通じて、彼らは、人間とは何か、そして未来の社会はどうあるべきかという問いを追求します。
それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。