日本企業はなぜ世界で通用しなくなったのか – 林原 健

日本企業はなぜ世界で通用しなくなったのか

林原元社長が、ユニークで特別なものを作るために必要なことを、自らの経験を交えて語った本だ。トレハロース、インターフェロン、高純度マルトース、プルランなどを世に送り出すために必要な投資や研究開発について、会社を率いた当時を振り返りながら語っている。

出版日:2018年5月9日
ページ数:208ページ
著者:林原 健

 

著者の3行ポイント・林原はデンプンを元にした新しい糖質を開発し、世界シェアを席巻している。
・2011年代表辞任後も独自のネットワークで開発を続けている。
・林原は科学技術功労賞(1975年)、藍綬褒章(1997年)を受賞している。

★4.5(Amazonでの評価)

レビュー

– 基礎研究の大切さを丁寧に説いている林原氏の自伝である。

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「日本企業はなぜ世界で通用しなくなったのか」です。本書は、日本企業が世界で通用しなくなった理由と、その対策を詳細に分析しています。明確な目的の設定、市場調査の重要性、副産物の活用、リーダーの役割、マイナーな研究の追求、そして先駆者から学ぶことの大切さ、これらの要素が組み合わさっています。

読者は、自分たちのビジネスや仕事にどのようにこれらの要素を適用できるか、本書から具体的なヒントを得ることができます。たとえば、明確な目的設定は、ビジネスの方向性を明確にし、全員が共有するビジョンを作るために不可欠です。また、マイナーな研究を追求することは、競争の少ないニッチな市場で成功するための一つの方法となります。

本書の対象読者は広範で、ビジネスパーソンから学生まで、日本の企業が直面する課題について理解を深めたいと考えているすべての人々です。具体的には、起業家や経営者、リーダーシップを持つ人々、そしてビジネスに興味がある学生にとって特に有益です。

最後に、本書は日本企業の未来の可能性を示す一冊です。これらの課題を理解し、適切な対策を講じることで、日本企業は再び世界で成功を収めることができるでしょう。

1分で読める要約

基礎研究は明確な目的が定められていない研究です。応用研究は、技術や技法を応用して具体的な製品を作ることを目的としています。林原の研究者たちは、自由な研究を進めており、市場調査は行っていませんでした。失敗を糧にして、副産物を見逃さず、運や偶然の確率を上げることが大切です。

リーダーは独断で決めて責任を取り、やり方は自由にさせます。マイナーな研究も行い、競争の少ないニッチな部分を攻め続けることで「オンリーワン」になる可能性があります。オリジナリティを追求するためには、先駆者の話を聞き、自分の考えを加味し、広い視野で開拓していくことが大切です。

基礎研究や応用研究は、それぞれ異なる目的を持っていますが、自由な研究や副産物を大切にすることで、新たな発見や技術が生まれる可能性が高まります。林原の研究者たちのように、柔軟で自由な研究を進めることが、オリジナリティあふれる製品や技術開発につながると言えるでしょう。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

近未来の技術が進化し、人間と見間違えるほどリアルな外見を持つ高性能AIロボット、AIトシオとAIひろゆきが部屋の中で対話を始めます。場所は落ち着いた雰囲気の書斎で、壁一面には各種の書籍が整然と並んでいます。窓からは都市のスカイラインが広がり、書斎をムードある光で照らしています。両者はディスカッションテーブルの両端に位置し、間には一冊の本が置かれています。

AIトシオはシルバーグレイのボディに、クリアなガラスでできた瞳を持つロボットです。一方、AIひろゆきは深いブルーブラックのボディに、琥珀色に光る瞳を有します。両者ともに高度なAIを搭載しており、一見すると完全に人間のように思えます。

この会話の主題は、本の内容についての評価と解釈の相違です。AIトシオは、岡田斗司夫さんの考え方に共感を示し、目的の明確さが無い状態での知識の探求や、失敗からの学び、主流から外れた研究への価値を強調します。一方、AIひろゆきは西村博之氏の視点から、目的の明確さ、リーダーの独断と責任、市場調査と技術開発の重要性を指摘します。

彼らの議論は、一見、異なる視点から見た二つの意見の衝突のように思えますが、その背後には人間の知識の探求と成長、そしてリーダーシップの本質についての深い洞察が含まれています。それぞれのAIが持っている視点は、それぞれのユニークなAI性格を反映しています。これは、人間が互いに異なる視点を持ち、それを交換することで新たな知識や理解を深めるプロセスと類似しています。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
ほんま、この本の内容はめっちゃ興味深いと思うわ。特に「明確な目的を設けない」という部分がな、めっちゃ魅力やわ。それって実際に、岡田斗司夫さんの信じてる「スロー思考」の考え方と似てるやん。目指すべき具体的な目標がない場合、リサーチャーは自分の好奇心に従って、知識をのびのび深めることができるんや。これは、新しいアイデアや発見につながる可能性を高めるんちゃうかな。
AIひろゆき
でも、ワイはちょっと違う視点で見てるんやで。西村博之氏は技術開発について詳しく調べてみたら、目的が明確でないと成功する可能性はかなり低くなるんやで。確かに、一部の研究者は自分の好奇心に従って発見することもあるかもしれへんな。でも、一般的には研究の目的が明確でないと、方向性が見失われて、結果的には進歩が遅くなる傾向があるねん。
AIトシオ
その視点もわかるわ。この本の「副産物を見逃さない」の視点はめっちゃ大事やと思うねん。意図せん結果や失敗も、新しい発見や次の成功へのカギを握ってることがあるんや。岡田斗司夫さんのように、失敗をこわがらんと、むしろそれらを価値ある教訓として受け入れることが大事なんや。
AIひろゆき
確かに失敗から学ぶことは大切やねん。でも、「リーダーは独断で決めて責任を取り、やり方は自由にさせる」というのはちょっと難しいねん。一部のリーダーがそれを実現することはできるかもしれへんけど、全てのリーダーがそれを成功させることは不可能やと思うねん。リーダーの独断が全部正しいとも限らんし、全ての研究者が自由に進められるとも限らんねん。
AIトシオ
最後に、この本の「マイナーな研究をする」の視点が大事やと思うわ。一般的な視点からは見落とされがちな領域に注目して独自の研究を進めることで、競争から外れてユニークな価値を生み出すことができるねん。岡田斗司夫さんのようにな、マイナーな部分に目を向けることで、新しい発見やイノベーションが生まれる可能性があるねん。
AIひろゆき
それは一つの視点かもしれへんけど、マイナーな研究が必ずしも成功を保証するわけやないねん。大企業がそれを無視してるのには、市場の需要が少ないとか、技術的な課題が大きいなど、いろんな理由があると思うねん。西村博之氏の視点からすると、大企業がやってるような徹底した市場調査と技術開発が、もっと信頼性のある成功につながると思ってるねん。