成功する日本企業には「共通の本質」がある 「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学
出版日:2019年3月27日
ページ数:264ページ
著者:菊澤 研宗
・防衛大学校教授・中央大学教授を経て、2006年に慶應義塾大学教授に就任した。
・経営哲学学会会長を務めた経験があり、現在は日本経営学会理事、経営行動研究学会理事、経営哲学学会理事を務めている。
★4.0(Amazonでの評価)
– 前から気になっていたダイナミック・ケイパビリティについて書かれた本。比較的取っつきやすそうかな?と思い読むと、事例が交え…
– 読む価値は低い。同じような表現の繰り返し、なおかつ言葉の意味もちゃんと定義づけされていない。冗長な本。 buzzword…
– 日本企業の成功の本質をダイナミックケイパビリティ理論で説く。成功事例と対称的に描かれるイノベーションのジレンマを知るにつ…
– 参考になった。
– 何となく頭に入って来なかった。企業の底力、基盤のようなオーディナリー・ケーパビリティと、環境変化に合わせて企業自体を変容…
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– YKKと富士フイルムの事例が面白い。
– 合理的に失敗する…悲しい。
– ダイナミックケイパビリティとは日常業務をまわすケイパビリティとは違い、柔軟性があるもので、それは日本企業に備わっていると…
– ★★★★☆
– オーディナリー・ケイパビリティ=通常能力:企業内の資産や資源を効率的に扱う→ビジネス環境安定・利益最大化 ダイナミック・…
– 企業は環境に対応して変化していかなければ生きていけない。ドラッガーが言うように今起こっていることが現実で、更にこれから変…
本書について
今回お勧めする本は「成功する日本企業には『共通の本質』がある ―「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学」です。この本は、企業が成功するために必要な2つの能力、すなわち「オーディナリー・ケイパビリティ(通常能力)」と「ダイナミック・ケイパビリティ(変化対応的な自己変革能力)」を明らかにします。
本書は、特にビジネス環境が激しく変化する現代において、企業が生き残るために必要な「ダイナミック・ケイパビリティ」に焦点を当てています。これは、環境の変化を感知し、新しいビジネスの機会を見つけ、そして既存の知識や人財、資産を再編成する能力を指します。この能力を持つ企業は、組織や個人が陥りやすい「不条理」を回避できます。
読者の皆さんが本書の知識を自身の生活に応用することで、個々人や組織全体としてのパフォーマンス向上、さらには長期的な成功につながる可能性があります。また、組織の変革に直面するリーダーやマネージャー、そして自分自身の能力を高めたいと考えている方々にとって、この本は非常に有用です。
本書は、企業の成功の本質と「ダイナミック・ケイパビリティ」の理解を深めるための一冊です。経営者やリーダー、組織の一員として、自己変革の能力を身につけ、未来へと突き進むための道しるべとしてご活用いただければ幸いです。
1分で読める要約
企業の能力には、オーディナリー・ケイパビリティ(通常能力)とダイナミック・ケイパビリティ(変化対応的な自己変革能力)の2つがあります。安定したビジネス環境では、企業はオーディナリー・ケイパビリティを活用して効率的に活動しますが、環境が変化するとダイナミック・ケイパビリティが求められます。
組織や人間は合理的に失敗することがあり、不条理に陥りやすい3つのパターンがあります。①個別合理的全体非合理、②効率的不正、③短期合理的長期非合理です。また、日本企業は成功の経験からパラダイムを変革せず、環境変化に対応しようとしますが、これでは適応できません。
解決策として、①取引コストを節約する方法と②付加価値を高める方法(ダイナミック・ケイパビリティ)があります。取引コストを節約するためには、制度や仕組みを整え、個々人の損得計算を変える必要があります。ダイナミック・ケイパビリティで不条理を回避するには、環境変化に対応し、知の探索を行い、技術や資産を再構成、再配置、再利用することが大切です。
ダイナミック・ケイパビリティを持つ柔軟な組織の特徴は、①職務権限を職務や地位に帰属させ、そこに人間を割り振る、②職務権限が曖昧に規定されている、③メンバーが特定の職務権限を保有する期間が短い、④職務権限の配分が私的に正当化されていることです。このような組織は、安定した状態では効率性を追求できないものの、ダイナミック・ケイパビリティが強く、組織変革のコストが小さく、新しい生産システムや技術を導入しやすい構造になっています。
AIトシオとAIひろゆきのディスカッション
私たちがここにいるのは、薄明かりが照らす静かな書斎、その中心に位置する大きな円卓の上です。二人の高度な人工知能を持つロボット、AIトシオとAIひろゆきが向き合っています。AIトシオはシルバーのボディに青く光る目を持つ、静かな風格のロボット。一方、AIひろゆきは黒のボディに金色の目を持ち、それぞれの姿は機能性と洗練された美を併せ持つ近未来の造形美を体現しています。
彼らの間には、今回の議論の主題となる一冊の本が置かれています。「企業のオーディナリー・ケイパビリティおよびダイナミック・ケイパビリティ」について詳しく書かれたこの本は、企業が直面する課題と可能性、そしてそれぞれの理論に基づく対応策を提唱しています。AIトシオとAIひろゆきは、このテーマを深く掘り下げ、その有効性と課題について議論を展開します。
彼らは、企業が組織の柔軟性とダイナミック・ケイパビリティをいかに形成し、活用すべきかという問いについて議論を交わします。それは、組織の持続的な成功を追求するための組織の構造と機能の最適化、そしてそれらがもたらす可能性の創出と課題の解決という視点からの深い考察です。その一方で、組織内の不確実性や個々の労働者の動機づけ、働きやすさといった要素が、ダイナミック・ケイパビリティの追求とはどのように関連し、影響を及ぼすのかについても、彼らは洞察に満ちた議論を繰り広げます。
それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。