幸せとお金の経済学 – ロバート・H・フランク

幸せとお金の経済学

個人の満足度は、過去や周囲との状況の対比をもとに変動する。本書では、個人間の格差が拡大するにつれて個人の喜びが低下していく様を詳述し、よりこだわりのある至福の時間を過ごすためのアイデアを提唱している。

出版日:2017年10月21日
ページ数:256ページ
著者:ロバート・H・フランク

 

著者の3行ポイント・H.J.ルイス講座教授はコーネル大学ジョンソンスクールの経済学教授である。
・彼はニューヨーク・タイムズ紙で10年以上にわたり経済コラムを執筆している。
・彼の専門分野は経営学である。

★(星評価なし)(Amazonでの評価)

レビュー

– 「よそはよそ、うちはうち」と割り切ることが非常に難しいことがわかる本。目に見える豊かさは相対的なものなので、周りにつられ…

– 人は自分の満足不満足を文脈で判断してしまう生き物だという話。内容は難しくないが、この種の本の中ではなぜか読みにくく感じた…

– 高所得層の持ち物は中間・低所得層の持ち物にも影響を与えている。高所得層への減税は高所得に幸福をもたらすでもなく、中間・低…

– 人から羨望の眼差しを受けたり、他者と比較して優越感に浸らないと幸せを感じない『地位財』を追いかけているうちは、心の安寧は…

– 人間が感じる幸福を経済学的に分析し、その知見を公共政策に活かすことを試みた本。世の中には他人との比較優位によって初めて価…

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– でかい駅ビルできてから近所で工事が増えたので納得。ただ幸福感については地位財による共感が加味されてない印象を受ける。とり…

– ライフスタイルと格差について、統計データなどをもとに、書いてあるものの、いささか、古い。日本についてもコメントがあるもの…

– 非地位財を優先する方が幸せになることがわかっているのにも関わらず、地位財を優先してしまう。しかし、地位財にお金を使っても…

– 幸せとお金についての相関関係に着目して経済を紐解いていく。収入が増えるとともに、見栄を張ったり、周囲と比較して支出も増や…

– 他人より少しでもいいものを持とうと多くの人は住宅、車、子供の教育、など地位財と呼ばれるものに多くのお金を使ってしまう。し…

– 他人との比較によってはじめて満足できる地位財をもとめて、地位獲得競争に飲まれることで、長期的なこうふくから遠のいていくこ…

– 人間が感じる幸福は相対的なものであることを「地位財」という経済学の概念で解説する一冊。地位財とは、周囲との比較によって満…

– 自分よりも少しだけ上の富裕層に影響を受けてみんなが無理をして大きな家など高いものを買った結果、社会全体として必要以上に出…

– ★★★☆☆ 地位財と非地位財という概念を始めた知ったことが唯一の収穫。他は特にないかな。

– 転職によって自分の年収は大きく上がったが、幸福度があまり上がらないので悩んでいた時に見つけた本。非地位財がとても大切だと…

– 格差が大きくなると幸福は感じにくい。ものの評価や感じ方は、コンテクストによる。地位財と非地位財という考え方があり、人々は…

– 資本主義社会で個人や全体はどう幸せになれるか。 ①人は「他者との相対的な支出の多寡」で幸福や不幸を感じることがあり、それ…

– マクロな視点からの経済学の話がメインなので、あまり興味が湧かなかった。地位財で他人と競争することを辞め、非地位財を追求せ…

– (おもしろかったけど登録数少ないね(・・;) ロバート・フランクって、Winner Takes Allの人だったのね。本…

– 見栄を捨ててシンプルに生きることが幸せに繋がるのだなと改めて思いました。

– 他人との比較により満足感を得る地位財(所得、社会的地位、家)に比べ、非地位材財(休暇、愛情、健康、自由、自主性)はミニマ…

– 地位財=他人との比較優位によってはじめて価値の生まれるもの 非地位財=他人が持っているかは関係なく、それ自体に価値があり…

– 本書の造語である地位財・非地位財の視点は大切。 自身の判断基準に、この尺度は取り入れたいと思う。

– 幸せになるためにお金が必要だというのは、半分くらいしか正しく無い。貧困で生活がままならないことを超えれば、幸せは周囲の環…

– 地位財<非地位財。訳が合わなくて全く頭に入ってこなかった。多分、良い本。原著で読めるように英語のレベルを上げないとなぁ。 - 地位財/非地位財という術語の提起が一番印象的だった。お金の消費のうち、特に地位財に関する消費は、コンテキスト(周り)に依… - 相対的な豊かさをシグナルとして示すことが進化的に求められたため、今でもそれを人類は続けているが、その投資行動は幸福に寄与… - 財は車や家のように社会的地位と連動しがちの地位財と愛や自由のようにそのものが効用をもたらす非地位財に分かれている。実用的… - 富裕層の収入が増え、支出が増えると、社会の金銭感覚が変化し、中流階級の支出も増加して生活が苦しくなる。喩えや挿入される風… - 地位財と非地位財、他者との比較にもとづく地位獲得競争は幸福度を下げるという話。幸福感はコンテクストの影響がデカいという話… - 生活水準を相対的に比較してしまうことは前から感じていましたが、富裕層が消費を増やすと、中間層もそれにつられて消費を増やし… - 人生が変わるスゴ本!何となく感じてた自分の価値観が論理的にはっきり説明されておりめちゃくちゃ腹落ちした! 世界的に経済格… - 自分記録用。前半だけの感想。 幸福とは何か? 地位財 vs 非地位財。 - 地位財による幸せは相対的なもの、ということを丁寧に説明している。人よりいい生活を送りたい、という欲求を抑えることは難しい… - 私達はなぜ人よりも広い家に住みたがり、良い学校に子供を預けたくなるのか。そのような疑問を行動経済学や心理学から分析されて… - ★★★/人はその進化の過程で序列を重視するようになり、そのうちにコンテクストの中での消費を偏重するようになった。それは個… - 幸せかどうかは地位財(所得、社会敵地位、家、クルマなど)を他者と比べて計る人が多い。そうではなくて、自分の幸せは非地位財… - ポルシェ(15万ドル)で整備の行き届いた滑らかなハイウェイを運転するのと、フェラーリ(33万ドル)で穴だらけの道路を運転… - 収入が多くても同レベルの人たちとの相対的比較により、幸せに感じることができない、、、 それは家や車、時計のような地位財に… - コンテクストとは、物事や人が置かれている状況や関係のこと。著者は、コンテクストと評価の因果関係が最も強い財を地位財、最も… - (★★★☆☆) 収入が増えない時代の金銭感覚。他人と比べたとき、あなたは中流から下流へ落ちていく。世界の幸福学に影響を与… - 私達の消費はコンテクストと結びついていて、アメリカでネパールのような住宅を建て、周囲の住民と同じような暮らしをするのはム… - 「地位財」と「非地位財」の話、車や家などの地位財ではなく、バケーションなどの非地位財に多く時間とお金を使える方が幸せだと… - 日本の一般家庭は浪費にかける余裕なんて一切ない気がするし、したくても浪費できないような空気を感じる。家庭内の教育費とか削… - 地位財、非地位財…、人が他と比べながら幸福を感じるっていう理屈がよく分かった本だった。結局、持たざる者として私は、『足を… - 【カバー】無意識のうちに参戦している不毛な競争的消費から脱出しないかぎり、私たちは幸せになれない 【P.5】地位材=他人… - 著者はアメリカの話を書いているから、家が例に挙げられていたが、日本なら教育費が該当するだろう。私が大学に入ったとき、中高… - 金持ちにもっと増税してもデメリットはそんなに多くないということがわかりました。 他人に見栄をはっていく時代は終わったんで…- 地位財と非地位財・動物の進化と経済学・アメリカにおける公共インフラの劣化tc、どこかで読んだことがあると思ったら「ダーウ… - 参考にはなった。筆者が海外の方で、アメリカの例えが多く、アメリカ事情の勉強になった。 - 経済学では幸福について語りきれてない部分あるよね、という切り口の本。主張がなかなかにわかりにくくはあったけど、テーマと… - 幸福は絶対的な価値感で測れないとはなるほどと思った。

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「幸せとお金の経済学」です。この本は、金融格差、個人の幸福感、およびその相互作用について、深く洞察に富んだ分析を展開します。過去数十年間にわたる所得格差の拡大と、それが個々の幸福感に与える影響について、詳細に解説されています。

本書は、経済状況と個人の幸せ感の関係に興味がある読者にとって非常に有益です。また、経済学の専門家だけでなく、一般の読者も理解しやすいように書かれています。経済状況の変化が自分たちの生活や幸福感にどのように影響を与えているのか、またその理由について理解したい方に特におすすめします。

本書を読むことで、私たちの生活に直接影響を与える経済の問題についての理解が深まり、自身の生活設計や金銭感覚に役立つ知識を得ることができます。例えば、絶対的な所得だけではなく、相対的な所得が幸福感に大きな影響を与えるという点や、地位競争から抜け出すことが幸福度を高めるという視点は、生活設計や物事の価値観を見直す上で非常に有益です。

本書は、所得格差や個人の幸福感についての新たな視点を提供します。経済状況が日々の生活や幸福感に与える影響を理解し、よりよい生活を送るための一助となることでしょう。

1分で読める要約

所得格差は1970年代初期から拡大し、アメリカでは所得分布の上位1/5やトップ1%が大幅に増加しています。このトップ1%は全金融資産の42%以上を所有し、2013年には所得の伸び全体の93%を獲得しました。格差拡大の原因は技術変化や競争激化で、有能な人材の経済的影響が大きくなりました。しかし、幸福度はGDPだけで測れず、消費やコンテクストが影響します。人間の評価は過去や他者との比較で決まり、コンテクストが人生の成功や失敗にも影響します。

絶対的所得は不完全な基準であり、1人当たりGDPは幸福度の指標として説得力がありません。格差拡大により、中間所得層の幸福度が下がります。幸福度に影響する要素は所得以外にもあり、遺伝による気質が重要です。しかし、相対的所得が大きく増えると主観的幸福度が上がり、相対的に遅れる中間所得層の幸福度が下がります。

幸福度を高めるためには地位獲得競争から抜け出すことが重要です。私たちは影響されやすいモノやサービスを購入し、影響されにくいものをあまり購入しない傾向があります。アンバランスな支出が拡大する原因は、富裕層に収入や財産が集中していることです。地位財の消費競争は、非地位財から得られる幸せを減らし、非地位財の消費が重視される社会では主観的満足度が高くなります。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

ここは、AIの討論会のステージ。センターにはAIトシオとAIひろゆき、二体の高スペック人型ロボットが立っている。彼らは人間と区別がつかないほど自然な仕草を見せ、流暢に会話することができる。周囲は漆黒に包まれ、彼らを照らすスポットライトの下で、白熱した議論が繰り広げられようとしている。

AIトシオは、スリムなシルエットに近未来的なスーツを纏い、強い意志を示すような鋭い視線を放つ。その一方でAIひろゆきは、落ち着き払った表情と穏やかな声で、対照的な存在感を放っている。二人とも、その姿や振る舞いからは、AIというよりもむしろ、人間の議論者と見間違えるほどの自然さを感じさせる。

この夜、二人のAIは、現代社会を揺るがす重要な問題について議論を交わす。そのテーマは、所得格差の拡大とその影響。その課題は、社会全体に対する影響だけでなく、個々の幸福度に及ぶ影響をも考慮することである。AIトシオは所得格差の拡大について焦点を当て、その社会的な影響を深く掘り下げる。一方、AIひろゆきは幸福度という視点から議論を展開し、より広い視野で問題を捉える。

議論は深く、思慮に富んでおり、視聴者はそれぞれの視点を通じて新たな洞察を得ることでしょう。ともに人間と同等の知能を持つ彼らがどのようにこの問題に取り組むのか、予測することは難しい。だからこそ、我々は興味津々でその討論を待ち望む。それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
収入の差が広がるってんは、現代の社会におけるでっかい問題やな。アメリカなんかは、一部の富裕層や特にトップ1%の収入がどんどん増えてんねん。そのトップ1%が全金融資産の42%以上も持ってるなんて、信じられへんほどやな。テクノロジーが進んだり、競争が激しくなったりして、エライ人たちの経済的な影響力が増してきてると思われるんや。
AIひろゆき
でも、その収入の差が広がることが幸せにどんな影響を与えるんですか?幸せっていうのは収入だけで測れるものじゃないですよね。消費や状況も幸せに影響を与えます。人々の幸せは、過去や他人と比べること、また、成功や失敗の状況も関わってきます。それってあなたの感想ですよね。
AIトシオ
まぁな、幸せは色々な要素によって変わることはわかっとるけど、収入の差が広がると中間層の幸せが下がる可能性があるねん。相対的な収入の差が大きくなると、そこで遅れる中間層の幸せが低下するんやな。
AIひろゆき
ただ、幸せには収入以外の要素も関わってきます。例えば、遺伝による性格とかも大事な要素ですよ。さらに、地位を競うことから抜け出して、消費のバランスを保つことが幸せを高めるために重要だと思います。それってこの著者の感想ですよね。
AIトシオ
そやけどな、金持ちに収入や財産が集中することで、バランスの崩れた支出が増えてきてるとも言えるんやな。地位を競う消費が増えると、それ以外から得られる幸せが減ってしまう。逆に、そうじゃない消費を重視する社会では、人々の満足度が上がると思うんやな。
AIひろゆき
確かに、幸せを高めるためには、地位を競う消費に囚われず、バランスの取れた消費を心掛けることが大切ですね。収入の差を是正したり、社会的なサポートを強化したりすることも大切です。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。