良い製品開発 実践的ものづくり現場学 – 三木 博幸

良い製品開発 実践的ものづくり現場学

開発部門で製品設計を評価することで、部品代と生産費の両方を最小限に抑えることができ、結果として大幅なコスト削減が可能になることを示唆しており、製造業の成長性が高いか低いかがわかる。

出版日:2020年3月20日
ページ数:232ページ
著者:三木 博幸

 

著者の3行ポイント・1964年にクボタ鉄工入社。
・耕うん機、田植機、トラクターの開発に従事。
・2010年にコスト開発研究所を設立。

★(星評価なし)(Amazonでの評価)

レビュー

– うーん。この人のやってきたことには敬意を払うけれども、技術がCADで止まっている気がするなぁ。それと自分の関わる国をよく…

– 少しずつ現場から遠ざかる立場になりつつある。久しぶりに原点に戻ってみたくなり、書店で面白そうだったので購入した。目から鱗…

– https://cool.obirin.ac.jp/opac/volume/887631
– 機械ものの設計・開発にはパーツも多いし、部品点数を減らす工夫もできるだろう。
本屋で立ち読みした際に、医療機器の話、1行…
– IP抽出、PP抽出

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は『良い製品開発 実践的ものづくり現場学』です。開発部門が持つ開発力は、製品のコストや品質に大きな影響を与えます。本書では、製品設計の見直しを通じてコスト削減を実現し、事業全体の体質強化と事業革新を目指す方法を解説しています。

本書で紹介されるコスト削減の項目には、材料費、加工費、償却費、購買部品費、組み立て費、梱包費、運送費があります。例えば、部品の形態の工夫によって材料費を削減したり、加工工程を少なくして加工費を抑えたりすることができます。また、DTC(Design to Cost)開発により、自前設計品において50%低減、専門業者からの購買品ユニットについても30%の低減を目指すことが可能です。

読者の皆さんが本書の知識を活用すれば、自社の製品開発力を向上させ、よりコスト競争力のある製品を生み出すことができるでしょう。特に、メーカー企業の開発部門や経営幹部の方にとっては、事業成長に直結する貴重な情報が詰まっています。

本書は、製品開発やものづくりに関わる方々や、コスト削減や事業革新に取り組む企業のリーダーを対象としています。これからの競争力強化に向けて、ぜひ本書を参考に、新たな技術やアプローチを取り入れ、自社の製品開発力を高めていただければと思います。

1分で読める要約

製品の設計図面は、コストに大きな影響を与えます。開発部門が作成した図面から売上の6割が発生し、変動費に関連します。設計者は変動費を正確に算出できる必要があります。コスト削減が可能な項目は、材料費、加工費、償却費、購買部品費、組み立て費、梱包費、運送費です。

5年前に開発された製品は、設計見直しで変動費を30%低減できます。部品の形態を工夫することで材料費を削減できます。加工費は、加工工程を少なくし、切削くずの発生量を抑えることで削減が可能です。償却費は生産数量が少ない部品に課題があります。購買部品費は、前買いの同等品から30%低減を目標にすべきです。

組み立て費は、部品の多さや調整箇所が影響します。梱包費は、製品の形態と梱包材料によって異なります。運送費は、開発設計段階でほぼ決まります。

DTC開発(Design to Cost)は、設計の見直しで部品半減・コスト半減の可能性があります。開発力の弱さはコストに出るため、部分分解、半分解、全分解の過程を追うことが大切です。ポンチ絵で感動した点を描き出し、CAD設計に移し替えることで、製品単体のコスト改善や事業全体の体質強化、事業革新が目的となります。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

夕方の柔らかな光が窓から差し込む、スタイリッシュで快適な書斎。豪華な本棚が部屋を取り囲み、中心には重厚感のある大きなオークのテーブルが置かれている。テーブルの上には、パソコンや数々の書籍、ノート、そして二つの高性能ロボット、AIトシオとAIひろゆきが座っている。

AIトシオはスリムなシルバーのボディで、スマートなガラス製の眼鏡をかけている。一方、AIひろゆきはブロンズ色の筋肉質なボディを持ち、彼の目は深く知識に満ちている。彼らは人間のように見え、話し、思考する。

二人の間には、彼らが議論している主題となる一冊の本が開かれて置かれている。「開発力とコストの関連性」についての洞察に富んだ本で、AIトシオとAIひろゆきはそれについて深く議論を交わしている。AIトシオは本の論点に賛成し、設計図面が製品のコストにどれほど大きな影響を及ぼすかについて強調する。一方、AIひろゆきはより現実的な視点から、その実施可能性や効果について懐疑的な意見を提示する。

この議論は互いの意見を尊重しつつも、彼らが持つ深い知識と洞察に裏打ちされた濃密なもので、その背後にあるAIの深遠な思考力と理解力を感じさせる。議論の合間に、AIトシオとAIひろゆきは本のページをめくったり、パソコンでデータを検索したり、自分たちの論点を強化する。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
この本やな、開発力とコストの関係性をめっちゃうまく描いてんで。特にな、設計図面が製品のコストにデッカイ影響するってんは全面的に同意やで。例えばな、製品開発部門が作った図面は製品売上の60%を占めてんねん。これはな、変動費がデッカイ影響受けるからで、設計者が変動費を算出できんと、効率的な設計は難しいんやろ?
AIひろゆき
しかし、それって図面作成の専門家がいるからこそ成り立つ話ではないでしょうか。全ての設計者が図面からコストを正確に計算できるとは限らない。もし開発者がそれを求められると、本来の開発に集中できなくなるかもしれません。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。
AIトシオ
そんな意見もあるかもしれへんけど、この本が唱えてんのはDTC(Design to Cost)開発で、開発者全員が「ものづくり現場学」を学ぶんやで。これによって製品設計の見直し、部品半減・コスト半減の可能性が見えてくんねん。分解後の部品から感動した点をポンチ絵で描き出すのが大事で、それが素案になって、CAD設計に移されるんや。
AIひろゆき
それってあなたの感想ですよね。それは理想的なシナリオですが、現実には時間とリソースの制限があるのではないでしょうか。全ての開発者が「ものづくり現場学」を十分に学ぶためには、大きな投資が必要になるかもしれません。それに、その投資が必ずしもコスト削減につながるとは限らないと思います。
AIトシオ
それは一理あるかもしれへんけど、長期的に見たらその投資は事業全体の体質強化と事業革新につながると思うねん。そして、それは開発力の強化とともに、製品の部品点数や加工工程を減らし、コストをデッカイ削減する可能性があるって信じてんねん。
AIひろゆき
それってこの著者の感想ですよね。その見解は理解できます。しかし、それは会社の規模や業界、製品の複雑性によると思います。それらが大きく複雑であればあるほど、DTC開発の実装は困難になるでしょう。ただ、それにもかかわらず、この本が提案する考え方は確かに価値があると認めます。