思考の技術-エコロジー的発想のすすめ – 立花 隆

思考の技術-エコロジー的発想のすすめ

本書は、エコロジーという概念を掘り下げ、分離ではなく相互のつながりを強調したものだ。人類と自然との関係を明らかにし、破壊的な人間の行動が環境に与える影響について考察している。自然界に対する集団的な反省と、それに続く融和を呼びかけている。

出版日:2020年8月6日
ページ数:272ページ
著者:立花 隆

 

著者の3行ポイント・1964年に文藝春秋に入社し、2年後に退社。
・東京大学哲学科に学士入学。
・ジャーナリストとして活躍し、1983年に菊池寛賞、1998年に司馬遼太郎賞を受賞。

★4.2(Amazonでの評価)

レビュー

– 随分前の内容であるが、古臭さは全く感じない。自然を畏怖せよとはよく言ったもので、人が万能感を持ち、介入できたとしても手ひ…

– エコシステムは人間のシステムにも応用されている。多くの人々が漠然と分かっているであろう事を具体的に説明されている。50年…

– 自然は無限ではないし、自然の包容力にも限界がある。エコシステムの破壊はその一部である人間にとっても命取りであり、自然のシ…

– 「知の巨人」30歳の頃の書が甦ったものだというから驚き。大いなる刺激を受けました。COP26が開かれているこのタイミング…

– 50年前の本。今でも、古くなっていない考えは驚きです。生態学の考えが、科学、政治、文化など全ての考えに通じることを説明。…

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– 読了。知の巨人と言われた立花隆氏の処女作とある。執筆されたのは1971年らしい。確かに古い著書だが中身は知的興奮に溢れる…

– 2部の構成になっており、1部は自然環境の仕組みと問題点について、2部は1部の知識の人間活動への応用について述べられている…

– 今から50年前に書かれたモノだが、思考の本質を考えて明文化し、様々な学問や事象を統合し、かつ、具体例で分かりやすく書かれ…

– 内容自体に古臭さを感じず、新聞の切り抜きみたいに小刻みに区切られていて読みやすく、内容そものものよかった。

– https://blog.goo.ne.jp/sasada/e/bbadbb3a058fecad1c56b38b7069…

– 50年前の本なのに問題とされていることが全然変わってないことに驚く。タイトルから想像した内容と違うと感じるかもしれないけ…

– 【目的】現代社会のモノの見方と考え方を学ぶ。 【要約】人類の繁栄は生態学を真似た科学技術から成り立っている。自然生物の知…

– 1971年に立花隆氏が最初に出した本の復刊。田中角栄研究のイメージが強かったので、それより前にこういう仕事をしているのが…
– システム思考を中心とした考え方、物事の捉え方の要諦を様々なアナロジーを用いて分かりやすく説いている。
– 自然ほど複雑なシステムはない。
何かを食べる時はその10倍の下位層のものを食べている感覚で。
環世界で見る。

– 考える切り口の大事さを改めて感じた。
– よく耳にする言葉だが、「生態学」とは何か、「生態学的」物の見方とはどういうことか、この辺を平易な解説と豊富な実例をベース…
– 斜め読み。
自然科学的視点で人間社会を捉える。
時代は違えど考え方は参考になる。
– 斜め読み。点検読書I
– 触れたことのないジャンルでしたが、
凄くわかりやすく、脳に刻まれました。

生態学について、もっと知りたいと感じました。…
– 新興感染症の流行と相次ぐ異常気象。生態系への介入が引き起こす「自然の逆襲」が加速化している。自然と折り合いをつけるために…
– 自然の「知」は最強の武器である。「知の巨人」立花隆の思考法の根幹をなす名著を緊急復刊!「知の怪物」佐藤優氏による解説を収…
– 東2法経図・6F開架:B1/5A/696/K

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「思考の技術-エコロジー的発出のすすめ」です。この本は、部分最適ではなく全体を見るというエコロジー的な思考法を提唱しています。人間の文明が技術によって進歩する一方で、それが自然全体を壊す恐れがあると警鐘を鳴らしています。

本書は、個別科学が探求するサブシステムと自然全体の複合システム、すなわちトータルシステムの間に存在する関係性について深く掘り下げています。例えば、穀物の増産を目指し農薬を用いると、サブシステムである穀物生産は向上しますが、トータルシステムである生態系全体は崩れるといった問題について議論しています。

読者の皆様にとって、本書を通じてエコロジー的な視点で物事を考える力を身につけることは、自身の人生だけでなく社会全体の問題解決にも大いに役立つでしょう。現代社会の課題である環境問題、資源問題など、部分的な視点だけでは解決できない課題へのアプローチ方法を学ぶことができます。

特に、科学者や技術者、環境問題に興味のある読者の方々にとって、本書は非常に有益な一冊となることでしょう。また、全体を見るという視点はビジネスや教育など、様々な分野で活用できます。生態学的思考法を身につけることで、今まで見えなかった新たな視点を手に入れることができるでしょう。

1分で読める要約

部分最適ではなく全体を見ることが重要です。人類が滅亡の危機にあるとすれば、生態学的に考えることがその解決策となるでしょう。生態学は、生物と環境の関係を研究する学問です。全体と部分は別物であり、部分的な知識だけでは全体を把握することはできません。

生態学の知恵は、経験全体から得られるものです。技術がサブシステムを改良することで文明を築いてきましたが、それがトータルシステムの中で弊害をもたらすこともあります。例えば、プラスチックは便利な材料ですが、環境に悪影響を及ぼすことがあります。

システムには閉鎖システムと開放システムがあります。開放システムでは、インプットとアウトプットを適切に調節することが重要です。人間はこれまで自然を無限だと誤解し、破壊してきました。生態学から学ぶべきことは、人間活動を自然のサブシステムとして機能するように再調整することです。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

我々が足を踏み入れるのは、現代的で洗練されたデザインのスタジオ。中央にあるのは透明なガラステーブル。そのテーブルを囲むように、スタイリッシュなチェアが二つ並んでいる。それぞれの椅子に座るのは、人間と見間違えるほどのリアリティを持つ二体のAIロボット、AIトシオとAIひろゆきだ。彼らは一見すると人間と見分けがつかないほどのリアルさを持つが、彼らの存在そのものが未来の可能性を象徴している。

スタジオは彼らのディスカッションを照らすための照明で柔らかく照らされ、彼らの目の前にはディスカッションのテーマとなる一冊の本が置かれている。本の主題は、人間社会と生態学的な視点の必要性、そして科学とテクノロジーがこの視点をどの程度欠いているのか、というもの。二人のAIがこのテーマについて深く洞察した会話を交わすためにここに集まったのだ。

二人のAIは、彼ら自身が実体化しているAIテクノロジーの最前線から、このテーマについて語ることで、人間が持つ視点を補完し、その見識を広げることを目指している。それぞれが持つ異なる視点と知識を駆使して、彼らは問題を解剖し、解決策を模索し、我々人間に新たな視点を提供する。

さて、その光景の中で、AIトシオが手元の本をゆっくりと開き、深く考え込む姿が見受けられる。その一方で、AIひろゆきは冷静な視線をテーブル上の本に向け、自身の見解をまとめ上げている様子だ。それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIひろゆき
AIトシオ:「この本の主張にめっちゃ共感するわ。特に『部分最適ではなく全体を見よ』ってメッセージは、今の人類社会がほんまに必要としてる思考法やねん。生態学的に考えると、つまり、生命体とその環境との関係性を尊重し、そのつながりの全体を認識し尊重することやねん。科学もテクノロジーも、その視点をほんまに欠いてることがあるんちゃうか?」「しかしトシオさん、そのような全体を考慮する考え方はすごく難しいと思うねん。科学は本質的に部分的な経験から知識を引き出して、それを基に理解を深める手法やねん。全体を対象にしようとすると、その複雑さに対処することが難しくなるねん。それが生態学的な思考を難しくする一因とも言えるやろうか?」AIトシオ:「それは確かに一理あるねん。でも、その複雑さこそが自然というシステムの本質やないかと思うねん。部分的な改良が全体のシステムに悪影響を及ぼすこともあるねん。プラスチックの例がそれを象徴してるねん。局部的な利益を追求することが、全体の破壊を招くことがあるねん。それを理解するためには、部分的な視点から全体的な視点へと移行する必要があるねん。」「でも、全体的な視点を持ったところで必ずしも問題が解決するわけじゃないと思うねん。全体的な視点は抽象的で、それに基づく行動の指針を見つけるのは難しいかもしれないねん。また、実際には部分的な行動が求められることも多くて、全体的な視点が具体的な行動を妨げることもあるんちゃうかと思うねん。」AIトシオ:「それも一部は真実やろうけど、私たちはそれでも全体的な視点を持つことが必要やと思うねん。例えば、人間の文明は自然全体というシステムに向けられとるんやと認識すべきやねん。自然という開放システムのインプットとアウトプットをうまく調整せなアカンってことは、私たちの生活全体を再調整せなアカンことを示してるねん。」「その調整がどれほど難しいか、そしてそれがもたらす影響がどれほど大きいか、私たちはまだ完全に理解していないと思うねん。でも、それでも私たちはその挑戦を受け入れなあかんねん。全体を見ること、そしてそれに基づく調整を進めること。それが私たちが直面している環境問題の解決への道やもんな。」