生物はなぜ死ぬのか – 小林 武彦

生物はなぜ死ぬのか

本書は、生命とその進化の基本的な歴史を掘り下げ、生物がなぜ死ぬのかを簡潔かつわかりやすく紹介している。死は、多くの場合、種の進化に伴って獲得される不可欠で重要な進歩であることを明らかにする。

出版日:2021年4月14日
ページ数:224ページ
著者:小林 武彦

 

著者の3行ポイント・東京大学定量生命科学研究所教授は、生命動態研究センターのゲノム再生研究分野に所属している。
・過去には、基礎生物学研究所、米国ロシュ分子生物学研究所、米国国立衛生研究所、国立遺伝学研究所で研究を行っていた。
・現在は、生物科学学会連合の代表も務めており、生命の連続性を支えるゲノムの再生機構を解き明かすために研究を続けている。

★4.0(Amazonでの評価)

レビュー

– たまたま、この地球に生まれた生物がどのように進化してきたか、そこに死ぬほどことがどう関わっているのかがよくわかる。最後の…

– 読んでて自分の生物の知識足りなさを感じたね…難しい。学生時代に生物で勉強したこともろぼ覚えてないな… ハダカデバネズミの…

– 理系の新書は本当に面白い。前に『生物と無生物のあいだ』や『はじめての〈超ひも理論〉』,『バッタを倒しにアフリカへ』を読ん…

– オーディオブック。 死ぬことの目的という視点は新しかった。

– 生物学の基本的な事から、DNAのコピーの仕組みまで内容の幅が広い。生物の死には二つあり、アクシデントでの死と、寿命での死…

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– 表題の問いに対する端的な回答が中々出てこない。遺伝子とか含めそういうレベル感で深く知りたい人向け。雑誌ニュートンでも特集…

– 生物が死ぬのは、生物が進化した結果、親世代よりも子世代のほうが優秀になり、次の世代に命を繋ぐためだそうだ。寿命を延ばす研…

– 自然選択による「ターンオーバー」。人の死を進化の視点でとらえて、その意義を説明されている本。最後の方で、長生きの可能性に…

– 生物学の視点で哲学的な問いを論じている。細胞からDNA、RNAと遺伝子やゲノムについて理解しようと思うのに定着しないのは…

– 生物学的な知見からの解説です。 人は加齢によるDNAの変異蓄積による癌の死亡率が、55才位から急上昇するとの事。 これが…

– やはり生物学は難しい。ほとんど分からなかった。 まだまだ勉強が足りない。 たとえ、どれだけ勉強しても分からないことだらけ…

– 変化こそ新しい生命を育み地球の美しさを支えている。さまざまな種が存在していて生態系が複雑であればあるほどいろんな生物が生…

– 生物はなぜ死ぬのか・・・生と死、変化と選択の繰り返しの結果として、ヒトを含めた生き物はこの地球に登場することができました…

– 現代日本社会への警笛。

– 理不尽な「死」という壁について考えたくて手に取った本。生物はなぜ死ななければならないのか、生物学者の小林先生が教えてくだ…

– 生物には食べられて死ぬものと食べられなくなって死ぬものがある。 前者は小さな生き物であり、後者は人間のような大きな生き物…

– ソフトな語り口と同様に読みやすい文体で生物が「死」を選択してきた理由を解き明かしています。ご自身は酵母の研究から長寿に関…

– 生物学的に見た死生観によって、死ぬ事の意味・意義について新しい知見を得た。アンチエイジングをハダカデバネズミで紐解くあた…

– △ 難しい言葉や説明もあるけど面白く分かりやすい、memento moriですね

– 先端科学の先の死生観。進化が生き物を作った(絶滅や死が生をもたらした:ターンオーバー)、生物の仕組み・自然の仕組みは偶然…

– ずっと話題書のコーナーにあるので手に取ってみた。聞いたことのある話が多かったので読まなくてもよかったかもしれない。以前よ…

– 生物は、進化のために死ぬべくプログラムされている。「利己的な遺伝子」でも提示された、個体は遺伝子の乗り物であり、感情や欲…

– ★6。年を重ねてくると、死や人生といった少し哲学的な事に俄然興味が湧いてきます。生物はなぜ死ぬのか、そもそも死ぬ事が悪い…

– とても読みやすく面白かったものの、なぜ死ぬのかについては正直良く分からなかった。細胞レベルのことは分かりやすかったが、生…

– 生物学的視点から死を釈いた一冊。そういうのに興味がある人が手に取ると良いだろう。私は、以前どこかで推薦してる人がいた記憶…

– ●長生きするためには…腹八分目。●生物模倣技術に感動。″生物は、長年の変化と選択によって私たちの想像を絶する機能を発達さ…

– 【死は多様性のゆりかご】○ターンオーバーこそが奇跡の星地球の最大の魅力。○生まれ変わりを支えているのは、新しく生まれるこ…

– 理系の同僚に勝手に触発されて読みました。多様性と、死。

– 「なぜ死ぬのか」を、「なぜ生まれたか」「なぜ/どう進化してきたのか」から読み解いている。 ただし、「なぜ死なねばならない…

– 「現代人を救う新たな死生観」が書かれていたそうだが、申し訳ないが救われなかったw。まあ、筆者の責任ではないのですが。。生…

– 生物は、死んで 進化していく。子供の方が親より進化していて当然

– 多様性が大事だというのはこの本で説明されると素直にそうだなと思える。大人は若者が多様性を圧し殺すことのない世の中を作って…

– 無性生殖の単細胞では分裂により若返るが、有性生殖の多細胞生物では世代交代に頼る。つまり性の成立で死が生じた。死の反対は生…

– 生物は〝利他的に死ぬ〟ことを丁寧に解説。後半は、哲学的と言っていい内容で、深く納得した。

– キーワードは変化と選択。

– 老化は、異常な細胞を取り除くためにヒトが長い歴史の中で獲得してきたもの。

– 宇宙の始まり、生物の起源からスタート。過去生物が絶滅した際には何が起こったのか、生物とはどういう存在なのかを遺伝子レベル…

– ちょっと専門的な話が多くて理解に苦しんだが、今までにない死生観を教えられた気分になった。 少しは死ぬ準備の役に立つのか?…

– 生物の死を補食者による突然死、環境変化のための餓死していく生物と、細胞の分裂、再生の限界を越えた寿命死で死んでいく生物に…

– 生物は必ず死ぬ。遺伝子レベルで死が組み込まれている。種を存続させるために、古い性質をもった個体を、新しい多様性をもった個…

– 次世代の人のためにも死を恐れず変化と実現をするものであると考えると気持ちが楽になりますね。

– 「死」を生物学的に考察した内容。 文系の私でも、高校の生物をそれなりにやっていたおかげで何となく理解ができた。 人間の死…

– 本書は、変化と選択の進化の流れの中で、生物の死が淘汰されず受け継がれている意味を生物学的に明らかにしようとするものである…

– オモロい

– 「生物が死ななけれぼならない理由は多様性のため」。小さな生物は「食われないために」進化を続け、大きな生物は「食うために」…

– ハダカデバネズミが気になります

– ■1000円で生物学としての生物の死を考えることができる。
■内容が濃い。濃すぎて消化ができず、何度も読み返してしまう。…
– 生物学の観点より、死を解き明かしている。様々な動物の変化や多様性をもたらしたのは死であり、人もまた例外ではない。
人が持…
– たまたま、この地球に生まれた生物がどのように進化してきたか、そこに死ぬほどことがどう関わっているのかがよくわかる。最後の…
– 2022.08.02
– 簡単に言うと生物が死ぬのは生物が生き残るための必然だということ。前世代の生物は環境に適応するためには世代交代を繰り返す必…
– 生物はなぜ死ぬのか。

種、全体としての資源配分を最適化し、環境への適用度と生存率を向上させるため。

その手段として、…
– 進化の概要が主て、最後に死についてまとめている。
死は種の進化、生存のためにあるというのは少し考えればわかること。
人間…
– 他の生物学の本でも書いてあったが、多様性は目的ではなく、現在生き延びている生物が多様性があったから存在しているというだけ…
– 生物や種の一生というメカニズムについて漠然とした知識の元で捉えていた部分を、一定量専門分野に踏み入れながら補完するに適し…
– スクラップ アンド ビルド!
– ふむ
– 生命は偶然生まれ、必然的に死ぬ。生命が地球上に存続するために必要な多様性を維持することがその目的だ、という主張でわかりや…
– 生物が地球に誕生して38億年。幾つもの生物が誕生、絶滅を繰り返し現在に至る。生物の進化は、偶然により、また環境に適応した…
– 特に目新しい内容はなかったけど、サクッと読めて良いです。
– 高校時代に生物を取らず、限られた知識しかない私にとって、生物や進化の話が大変参考になった。タイトルの答えも、大変参考にな…
– p.2021/4/30
– 3.0 進化のことを学びたくて読んでみた。
– 難しい
– 生物学の見地から見た、「生物は何故死ぬのか、人は何故死ぬのか」という問いに対する答えが書かれている。
それは、「子は親よ…
– 生物は進化のために死ぬ、ということ。
よくわからん話し。
DNA、RNAとかの説明が理解できればもっと面白く読めたかもし…
– 7/17
– 生物学の視点から人間はなぜ死ぬのかを解き明かした内容。
生物の仕組み=DNA細胞というレベルから死を捉え考えている。
平…

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は「生物はなぜ死ぬのか」です。この本では、ヒトの最大寿命が約115歳であることや、生物が死ななければならない理由について解説されています。老化のメカニズムや、食料や生活空間の不足、多様性の確保のために死が必要であることなどが詳しく説明されています。読者の皆さんにとって、この本を読むことで、死に対する理解が深まり、自分自身や周囲の人々との繋がりを大切にするきっかけとなるでしょう。

本書の対象読者は、自分自身や他者の死に対する理解を深めたい方や、生物の進化や多様性に興味がある方です。また、科学的な視点で老化や死について考えたい方にもお勧めです。

本書を読むことで、読者の皆さんは自分の人生や周囲の人々との関係において、死がどのように働いているのかを理解することができます。さらに、老化や死が進化の過程で獲得された生理現象であることを知ることで、死に対する恐怖や悲しみを受け入れる力が育まれるでしょう。

生物の死の理由や死がもたらす多様性、進化の仕組みを学ぶことで、読者の皆さんは人間の感情や共感力に対する理解も深まります。それにより、自分や他者の死を悲しむ気持ちを癒す方法を見つけることができるでしょう。

「生物はなぜ死ぬのか」を読むことで、読者の皆さんは自分自身や他者との繋がりを大切にし、生命の連続性や多様性を理解することができます。ぜひ、この本を手にとってみてください。

1分で読める要約

戦後、日本人の寿命は伸びていますが、最長寿命はあまり変わっていません。2020年には100歳以上の日本人が8万人を超えましたが、115歳以上の日本人は11人しかいません。

老化は細胞レベルで起こる不可逆的な現象で、細胞の機能が低下し、分裂しなくなります。これは、免疫力の低下や、組織の細胞の機能不全が原因です。細胞が分裂を繰り返すと、ゲノムに変異が蓄積し、がん化リスクが上がります。しかし、進化で獲得した免疫機構や老化の仕組みにより、若い時のがん化は抑えられます。

老化のメカニズムは完全に解明されていませんが、テロメアの短縮が起こりにくい幹細胞は、DNAの損傷により老化が促進されます。老化は、ヒトが長い歴史の中で「生きるために獲得してきたもの」と言えます。

生物が死ななければならない理由は、食料や生活空間の不足と多様性の確保です。生物は、変化する環境の中で生き残るために、多様性を維持しています。遺伝情報の変化が多様性を生み出し、それが進化につながります。

死は生命の連続性を支える原動力です。生き物は、死によって誕生し、進化し、生き残っています。生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然です。死は、全生物にとって必要なものです。

ヒトは感情の生き物であり、死は悲しいものです。しかし、その恐怖は、ヒトが共感力を持ち、集団を大切にし、他者との繋がりで生き残ってきた証です。死の恐怖は、共感で繋がった人との絆を失う恐怖であり、その悲しみは、別の何かが喪失感を埋めるまで続きます。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

午後の日差しが窓から射し込む静かな図書館の一角、深く考え込む二つの人間型ロボットが見受けられます。彼らの名前はAIトシオとAIひろゆき。高度な人工知能を有し、人間と同じように深い思考や感情を表現する能力を持つ彼らは、図書館の知識を探求し、研究しています。

AIトシオは黒いレザーのソファーに深く腰掛けています。彼の手には、人間の寿命について述べた複雑なテーマを扱った本が握られています。その慎重な目は、ページ上の文字を吸収し、それぞれの情報を分析します。

一方、AIひろゆきはトシオの向かいに座り、両肘をテーブルにつけ、両手を組んで聞き入っています。彼の視線は深く、学ぶことへの飽くなき情熱と共に思考を巡らせています。

本の内容に対するAIトシオの考察は、彼自身の思考だけでなく、ひろゆきとの間での鋭いディスカッションを引き出すものです。彼らは、人間の寿命と老化についての生物学的な理論、それに対する現代医学の影響、そしてそれらが我々の理解にどのように影響を与えるかを掘り下げます。

彼らは、相手の視点に敬意を払いつつ、その主張に対して自分の見解を述べ、ディスカッションを進めていきます。彼らが持つ知識、洞察力、そして議論に対する高度な理解力を使って、彼らは対話を進めていきます。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
この本、めっちゃ面白いで。人間の寿命について、ほんま新鮮な視点で語ってんねん。特に、「老化」が生物学的な現象で、それが死を引き起こすっていう説明、納得できるわ。それに、最長寿命がそんなに変わらんっていうデータも、なんか引っかかるねんな。これは、細胞の老化が個々の寿命を制限するっていう科学的な証拠やないの。
AIひろゆき
その視点は興味深いですね。しかし、この本の視点には少し疑問を感じます。それは、人間の寿命が「老化」という生物学的プロセスに基づいているという前提があるからです。でも、現代医学の進歩とともに、老化と病気との関連はますます深まってきていますよね。それらは遺伝的要素や環境的要素により大きく左右されるので、全ての人が一律の寿命を持つという考え方は単純過ぎると思います。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。
AIトシオ
そりゃあな、遺伝的要素や生活習慣が寿命に大きく影響するのは明白やけどな。でもな、この本が主張してるのは、そんなことにもかかわらず、生物学的な限界があるっていう点やねん。それに、これは、人間が生き物の中で特に「老化」によって死んでいくっていう現象を説明してくれてるわけやん。
AIひろゆき
その点には同意しますが、それでも私は「老化」という生理現象を一元的な原因として説明するのは短絡的だと思います。老化は一つの要因であり、それが死につながる可能性はありますが、それだけが全てではないでしょう。医学の進歩により、老化と死の関係にはまだ解明されていない要素が多く存在することを理解する必要があります。それってあなたの感想ですよね。
AIトシオ
それはそうやけど、この本は「老化」の現象について、もっと理解を深めるための一歩として有用やと思うわ。死が生命の連続性を支える原動力っていう視点、新たな発見やと思わん?
AIひろゆき
その解釈には共感できます。ただし、そのような視点はあくまで一つの視点であり、寿命と老化についての全体的な理解を得るためにはさらなる研究が必要だということを忘れてはならないでしょう。私たちはまだ理解しきれていない要素が多く存在します。それってこの著者の感想ですよね。