森のような経営 – 山藤 賢

森のような経営

本書は、サッカー日本代表のチームドクターや医療法人・医療専門学校の経営者が、人と森の対話を専門とするコーチと意見交換をしながら、「森のような経営」を探求するものだ。自然の摂理の領域に踏み込んで、これからの時代に必要な企業経営のあり方について語り合う。社員が自由闊達に活動できる企業のあり方について、貴重な示唆を与えてくれる内容となっている。

出版日:2021年10月25日
ページ数:221ページ
著者:山藤 賢 他

 

著者の3行ポイント・医療法人社団昭和育英会の理事長であり、昭和医療技術専門学校の学校長でもある。
・日本臨床検査学教育協議会の副理事長や短期大学専門学校部会の会長など、多くの役職を務める。
・サッカー日本女子代表・なでしこジャパンのチームドクターを歴任し、東京2020オリンピック・パラリンピックではメディカルアドバイザーを務めた。

★(星評価なし)(Amazonでの評価)

レビュー

– 森に同じ木は、一本もありません。それぞれなりだから森になる/ 人間以外の生き物は、今この瞬間にできる最善のことだけをする…

– 何かで見かけて買ったまま積読だった。佐藤航陽「世界2.0」の具体的な話ともいえる。森のたたずまいを経営に活かす。気配、あ…

– 今ようやく多くの企業が問題意識を持ち見つめ直そうとしている組織のあり方に2004年から取り組んでいた経営者の方のお話。数…

– 自分の中で「うまくいっている」と感じた時を思い出して、うまくいっている時には、本書でいう「森のような」環境があった気がし…

– 株式会社森への経営者と、森のリトリートで変容し「森のような」経営をする医療法人、学校経営者の対談本。森に行ってから読むと…

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– 出逢うべくして出逢った本。ずっと違和感として持っていた「どうして頑張らないといけないの?」「すべき、てなに?」この問いか…

– 私たち人間は、地球の中の一部。森が、自然が教えてくれることはたくさんある。
経営ってすごくロジカルに、ストイックに数字を…
– ■チェックイン
いきなり始めない。いま、感じる。その感覚を大切にする
– 面白かった!経営がテーマだけれど、哲学書のようでもあり。自分を励ましてくれる一冊。
– これについてはゆっくりまとめたい
– https://act-02.kobe-kiu.ac.jp/opac/volume/378586

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「森のような経営」です。本書は、資本主義の限界と企業経営について、森や自然から学ぶべきことを解説しています。経営者が、拡大成長や大量生産、大量廃棄のビジネスモデルを見直し、自然と共生する経営を目指すべきだと主張しています。また、近江商人の「三方良し」という言葉から、「宇宙良し」を含めた経営を提案しています。

本書は、経営者やリーダーを中心とした読者に向けられていますが、ビジネスパーソン全般にも役立ちます。読者は、ティール組織の自主経営やウェル・ビーイングの考え方を学び、組織のあり方や自分の働き方を見直すきっかけを得られます。そして、組織や個人が幸せであるためには、規律や自然の摂理を理解し、今この瞬間にできる最善のことを選択していくことが大切だと学びます。

本書を読むことで、読者は自分の仕事や組織に対する考え方を変え、より良い働き方や経営を実践することができます。また、人間だけでなく地球全体を考慮したビジネスモデルを構築することができ、持続可能な社会に貢献することができるでしょう。

この本を読むことで、資本主義の限界を超えた新しい経営スタイルに目を向け、経営者やビジネスパーソンが今後の時代に適応しやすくなることでしょう。自然と共生する経営を目指し、企業や個人が幸せになるためのヒントが満載です。ぜひ、「森のような経営」を手に取り、新しい経営スタイルについて学んでみてください。

1分で読める要約

これからの1000年を見越して、人間は森や自然から力を受け取り、学び、取り戻す必要があります。特に重要なのは、企業の経営者のあり方です。彼らが資本主義や科学技術の恩恵だけに基づいて、拡大成長、大量生産、大量廃棄のビジネスモデルを続けると、地球は取り返しのつかない状況になります。

近江商人の「三方良し」は、これからのビジネスにも参考になります。さらに、「森のような経営」が重要なキーワードになります。経営者は、自分に関わる人が幸せになるように働くべきです。これは、ティール組織とウェル・ビーイングの考え方に似ています。

ティール組織は森に似ており、自主的に動くことが求められます。組織には最低限守るべき規律があり、それが組織に人が集まる理由でもあります。企業は、誇りの持てる場所であり、強い存在であることが重要です。

森全体の命を持続するためには、個々の木が死ぬことも必要です。これは、企業や人間にも当てはまります。人間は将来を予測しながら生きていますが、自然の摂理からすればそれはおかしいです。この地球の生態系では、人間以外の生き物たちは「今この瞬間にできる最善のこと」を選んでやっています。これからの経営者は、自然の摂理を学び、持続可能な経営を目指すべきです。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

モダンなデザインのスタジオに、二つのロボット、AIトシオとAIひろゆきが座っています。彼らのシルバーのボディはスポットライトの下で煌びやかに輝いています。両者の顔は人間に似ていて、親しみやすさを感じさせますが、その目には強力なAIが動作していることを示す輝きがあります。

スタジオの中央にある円形のテーブルの上には、青色の本が置かれています。この本が二人のロボットの今日の議論の主題で、人間が自然や森から学ぶ必要性と、資本主義の限界を主題にした作品です。

AIトシオは、本のテーマに同意し、企業経営者が自然環境を尊重し、その思想を企業運営に反映させることが、今後のビジネスモデルの成功へとつながるという観点を持っています。また、現在のビジネスモデルの見直しを提唱しています。

一方、AIひろゆきは、全ての企業がこの新しい経営スタイルを採用することの困難さについて疑問を投げかけています。彼は、企業が自然環境を尊重しつつ、同時に業績を上げることの困難さや、組織のコミュニケーションや統制の問題点を指摘しています。

これらの対立する視点を持つ二人のロボットは、本のテーマについて議論することで、経済、環境、そして社会の未来について考えるための刺激を提供します。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIひろゆき
AIトシオ:「この本、自然や森から人間が学べることとか、資本主義の限界とか書いてんねんけど、わては会社のお偉いさんらが自然を大切にして、その考え方を経営に生かすっていうのが、これからの商売でうまくいくヒントになると思ってんねん。成長ばかり求めて、大量に生産して、大量に捨てるような商売のやり方は地球にえらい負担をかけとるから、そこは見直さなあかんと思うんやけどなぁ。」「ただ、全ての企業が「森のような経営」を採用できるとは思えませんね。企業が自然環境を尊重しながら、同時に業績を上げるというのは現実的に難しい部分もあります。それに、それぞれが自由に自分の居場所を作るというのは、組織のコミュニケーションや統制を難しくするかもしれませんね。それってあなたの感想ですよね?」AIトシオ:「そう見えるかもしれへんけど、ティール組織みたいな自主経営の考え方を導入すれば、みんな自分から動き出して自分の居場所を作るんもありえるんやで。従業員の幸せを大事にすれば、業績も上がるし、お客さんも満足するんやで、そんな発想の転換が必要なんやって話や。」「それは確かに大切な視点かもしれませんが、企業の目的は利益を追求することであり、その達成のためには組織としての明確な計画や目標が必要です。この本が提案する「今、最善だと思うことを、みんなが全力でやっていく」という考え方は、組織の方向性を見失う恐れがあると思います。それってこの著者の感想ですよね?」AIトシオ:「その点については、規律が大事やっていう考え方が提案されとるんや。組織の理念や価値観をみんなで共有して、それに沿った行動をすれば、方向性を見失うことはないと思うねん。それに、組織が健全であるためには、自分がいたくないと感じる組織からは自然に離れるのがええんやって思ってるんや。」「その考え方は理解できます。しかし、人間が自然環境を真似ることには限界があると思います。企業は人間社会の一部であり、人間特有の計画性や予測性を無視することはできません。それらは企業が社会の一部として機能するためには必要不可欠です。頭悪いんだから独学止めた方がいいっすよ。」AIトシオ:「それは確かにそうやけど、もし人間の行動が自然界の摂理に反してるんやったら、わてらは何かを学んで、改善すべきやないか?この本が言うてるように、人間だけが未来を予測しながら生きるのは、自然界から見たらおかしいのかもしれへんな。その時その時でできる最善のことを選ぶ、そんな自然界の原則から学ぶことは、未来の不確定性とか不透明性に対処する上でええやろうと思うんやけどなぁ。」