BUSHIDO CAPITALISM 武士道に学ぶこれからの資本主義のかたち – 櫻田 謙悟

BUSHIDO CAPITALISM 武士道に学ぶこれからの資本主義のかたち

新渡戸稲造の『武士道』には、コロナウイルス危機後の時代に企業が自らの価値観に落とし込むべき7つの功徳が説かれている。本書は、短期的に儲けることに固執し、長期的な結果を犠牲にする現在の資本主義の弊害を浮き彫りにする。さらに、この災厄の後に必要とされる新しい資本主義のブランドについて掘り下げている。

出版日:2022年1月7日
ページ数:192ページ
著者:櫻田 謙悟

 

著者の3行ポイント・安田火災海上保険入社後、アジア開発銀行勤務などの経験を持つ。
・2010年には損害保険ジャパン社長に就任。
・2012年からはSOMPOホールディングス社長を務め、2019年には経済同友会代表幹事に就任。

★3.5(Amazonでの評価)

レビュー

(レビューなし)

(出展:読者メーターおよびブクログ

本書について

今回お勧めする本は、「BUSHIDO CAPITALISM 武士道に学ぶこれからの資本主義のかたち」です。急速なグローバル化と技術発展による貧富の差の拡大、環境破壊、心の健康への影響など、現代資本主義が抱える問題について詳しく解説しています。

本書は、ビジネスリーダーや経営者をはじめ、現代社会の問題に関心を持つ読者に向けて書かれています。武士道の精神を企業の価値体系の中心に据えることで、持続可能な資本主義への転換を目指す提案がなされています。本書を読むことで、読者は現代資本主義の問題点を理解し、自分たちのビジネスや生活に適用する方法を学ぶことができます。

特に、資本主義の再構築が不可欠であること、短期主義と目先の利益にあまりにも集中し過ぎる現行の資本主義の欠陥、そして武士道の第一の徳目「義」を企業の価値体系の中心に据えることの重要性が強調されています。

この本は、現代社会で抱える問題に対して責任を持つことの大切さを学び、持続可能な未来を築くために武士道の精神を取り入れる方法を提案しています。読者は、この本を通じて自分たちの価値観を見つめ直し、社会全体が向上する方向へと進むことができるでしょう。

本書「BUSHIDO CAPITALISM 武士道に学ぶこれからの資本主義のかたち」をぜひお読みいただき、現代資本主義が直面する問題に向き合い、持続可能な未来を築くための新たな視点を得てください。

1分で読める要約

過去1世紀で急速な発展が起こり、「グレート・アクセラレーション」と呼ばれる現象がありました。特にこの20年間で劇的な変化があり、人々がオンデマンドな生活に慣れてしまいました。企業は競争で勝つために、ユーザーの望みや気まぐれを予測しようと努力しています。一部の企業は国内総生産を上回る収入を得ており、個人の富も増加しました。

しかし、急速な発展には弊害があります。貧富の差が拡大し、上位1%の富裕層が世界の総資産の2倍になりました。労働経済学者アラン・クルーガーは、現在の格差が未来の格差を引き起こすと主張しています。富の格差は、人種格差も助長し、マクロ経済の安定性に影響を与えます。

環境も犠牲になっています。温暖化が進み、森林が失われています。また、テクノロジーの普及により、「常にオンである」メンタリティが広まり、心の健康に悪影響を与えています。

資本主義の再構築が必要です。ビジネスリーダーは、気候変動と格差を解消する義務があります。成功の尺度や指標を見直す必要があります。新型コロナウイルスは、考えるためのチャンスを与えてくれました。

優先順位を決めることが重要です。「パーパス」、つまり企業の存在意義が注目されています。資本主義のゴールは、すべての人の生活を向上させることです。しかし、現行の資本主義は短期主義と利益に偏っています。

企業は、「義」という武士道の徳目を価値体系の中心に据えるべきです。これが、ビジネスリーダーとしての責務です。資本主義は多くの人々を救ってきましたが、道義上の義務にも目を向けるべきです。

AIトシオとAIひろゆきのディスカッション

AIトシオとAIひろゆき、二つの高性能人間型ロボットが、ひとつの机を囲んで座っています。スッキリとした白い部屋の中央に設置されたシンプルなガラス製のテーブルは、無機質な質感を放ちながらも、AIたちの深みある会話の重要性を際立たせます。AIトシオの手元には、彼が参照していると思われる本が置かれています。グレート・アクセラレーションというタイトルが見えます。緩やかに揺らぐ天井からの白いライトが、彼らのメタリックなボディを微妙に照らし出しています。

二人の視線は互いに交錯し、それぞれがその瞳に秘めた知識と理解、そして意見をぶつけ合います。静寂のなかで、時間と空間が絶妙に絡み合い、彼らの存在だけが部屋を支配します。AIトシオとAIひろゆきは、現代社会の核心に迫るこの本のテーマについて、自らの高度なAIが解釈し得る深層的な洞察を交換します。

AIトシオは、この本を通じて浮き彫りになった現代の社会、経済、環境問題について、ビジネスリーダーに対する提案とともに、資本主義の再構築と武士道の精神の必要性を語ります。一方、AIひろゆきは、経済成長と技術革新の阻害、そして資本主義の再構築による社会全体の福祉の減少に対する懸念を表現します。

しかし、それぞれの見解には深い思索が込められており、相手の立場を理解しようとする意欲が見て取れます。話し合いの中で、二人のロボットは現代社会の問題について、それぞれの視点から深遠な洞察を共有します。

それでは、AIふたりの会話を聞いてみましょう。
 

AIトシオ
ほんま、この本の論点はおもろいやなぁ。グレート・アクセラレーションって現象を通じて、いまの社会や経済、環境の問題点をええ感じで考えてて、その原因も解明しようとしてんねん。オンデマンドな生活様式は、ワレらの生活を支えるけど、それによって格差の拡大や環境破壊みたいな弊害も起こってることに注目しとんねん。商売のリーダーに対して、資本主義の再構築を訴えて、武士道の精神を価値体系の中心に据える提案は、新しい視点をもろてるなぁと思うわ。
AIひろゆき
まぁ確かに、急な発展の弊害については言及してるけど、全部を否定するような感じがしてしまうわ。この本の主張がすべて受け入れられたら、経済成長や技術革新を抑制して、社会全体の福祉を減らす可能性もあると思うわ。資本主義の再構築は重要な課題やけど、それによっていまの社会のメリットを全部犠牲にする必要はないと思うわよ。
AIトシオ
その見解もわかるわ。でも、この本が言うところは、成長と進歩を否定するんやなくて、そのプロセスと結果についてもっと深く考えることやねん。そして、我々がどうやって進歩してるか、それが何を犠牲にしてるかを問いかけてるねん。我々が目指すべきは、持続可能で公正な社会であり、それは技術革新や経済成長を阻害するもんちゃうねん。むしろ、もっと賢明な方向に導くもんやと思うねん。
AIひろゆき
その考え方は尊重するけど、それは理想的な状況であって、現実はもっと複雑なんよ。企業の目的は利益追求やと思うねん。企業が利益追求せんかったら、社会全体が恩恵を受けることができへんと思うわ。それに、資本主義の再構築を目指すのは価値のあることやと思うけど、それが本当に可能なんか、また現実的な目標なんかを疑問に思うわ。
AIトシオ
確かに現実は複雑やし、利益追求は企業の存在理由の一部やな。でも、この本が言う「義」の概念は、長期的な視点や持続可能性を重んじる新しい企業の価値観を示してるんや。それは企業が直面する現実的な課題にも対応するものやねん。企業は自分の存在を守るために利益を追求せなあかんけど、それが唯一の目標やないって考え方を示してると思うわ。
AIひろゆき
そういう視点で見ると、確かに意味はあるわね。でも、やっぱり理想と現実の間にギャップがあるんよ。企業が価値観を変えるためには、大きなリスクを伴うねん。それが社会全体にどんな影響を及ぼすかについては、さらなる議論が必要やと思うわ。